☆ 国別対抗戦中の雑談から少し・・・
今回はマニアックなジャンプ構成のお話です。
(4Lo-3Aの得点の話からジャンプ構成の話題に)
「Buongiorno!! おはようございます!! Bom Dia!!
思い出したけれど、4Lo-3Aはシークエンス扱いになるから実際には2つのジャンプの合計基礎点の80%になるわね。だからユヅが獲得する得点は16点。
でも他のジャンプに問題を及ぼすから(3Aのもち札をこれで1枚を「使ってしまうから」これまでの3Aからのコンビネーションジャンプのどちらかを変更しなければならなくなる)このジャンプシークエンスをプログラムに入れることはないと思うわ。
ルールをよく知らない人のために補足すると、男子フリープログラムでは3つのコンビネーションジャンプ(その内の1つは3連続ジャンプに出来る)を含む8つのジャンプ要素を入れなければならない。
その上で、同じジャンプは2回しか跳べず、しかも1つはコンビネーションにしなければならない。
更に2回跳べるジャンプは2種類までと決まっている。
実例を挙げると ユヅのジャンプ構成はこのようになっているわ
- 4 サルコウ
- 4 トゥループ
- 3フリップ
- 3ルッツ+2トゥループ(最初の構成は4T+2Tだった)
- 3アクセル+ 3トゥループ
- 3アクセル-1ループ-3サルコウ
- 3ループ
- 3ルッツ
国別のフリーで彼が3アクセル+2トゥループにしたのは(4トゥループの代わりに)3トゥループを既に跳んでしまったからよ。もしあそこで3トゥループを跳んでいたら、最後のルッツを2アクセルに変更しなければならなかった。
さもないと、3種類のジャンプを2度跳ぶことになる
- 2 x 3トゥループ
- 2 x 3アクセル
- 2 x 3ルッツ
この場合、最後のルッツがノーカウントになるから最低でも7点(プログラム後半の3ルッツの基礎点6.60 + GOE)を失うことになった。
もし4ループ+3アクセルをプログラムに入れるとすると、3アクセルからの2つのコンボの内、ひとつを抜かなければならなくなるから、あまりお得とは言えない。
- 3アクセル+3トゥループの基礎点13.86
- 3アクセル-1ループ-3サルコウの基礎点14.52
通常、彼がこのコンボで稼ぐGOE(2つ目のコンビネーションではGOE+2が付けばより高い得点を稼ぐ!)を考慮すると(4Lo-3A)とほぼ同得点で、最大でも2点ほどしか前より高くならないので入れる意味があまりない。
これで、僅か数秒の間にジャンプ構成を変更出来る誰かさんがいることに気づいてもらるでしょう?
この『誰かさん』が誰のことなのかは言うまでもないわね。
おそらく彼は、コンビネーションの可能な全ての変更パターンを一覧表にまとめていて、いつも6分練習でおさらいをするんだと思うわ」
「その通りね!でも彼は自分のことを理数系だと言っていたから、演技中に咄嗟に変更することも出来るんじゃないかしら?中国杯でも6分間練習中にフリーのジャンプを再構成していたわね!!!
彼がこんな風に喜びを爆発させる姿は可愛過ぎるわ・・・弱冠二十歳の男の子らしいわね!!!」
「あなた達の意見に賛成だわ・・・私達のホログラムは理数系の頭脳を持っているのよ・・・
中国杯のことはよく覚えている。私達は6分間練習の顔面蒼白な彼の様子を見て、もの凄く心配したわね・・・
『やっぱり・・・打ち所が悪くて頭がおかしくなっちゃったのよ』って・・・
『みんな、彼はフリーのジャンプ構成を練り直しているのよ』と言って私達を鎮めてくれたのは勿論、誰だか分かるわよね」
「弱冠二十歳。彼はオンアイスとオフアイスで14歳から29歳に切り替わるわね。
この写真を見てよ。」
「オフとオンでの変貌ぶりは衝撃的ね・・・(驚愕)オフアイスでは時には15~16歳に見えるけれど、リンクでは間違いなく20歳以上になる。 来シーズン、試合でも4ループを入れるかどうかは分からないわね。多分、五輪プレシーズンまで待つんじゃないかしら・・・でもクワド3種類にしたら間違いなくジャンプ構成オプションの幅は広がるわね。2回跳べるトリプルジャンプがまた2種類にある。今の構成(4T2本の構成)では2回跳べるトリプルジャンプは1種類しかない」
「そうね、予想出来ないわね。まだプログラムで入れられるほど安定していないでしょうし。ショーで跳ぶのと、試合でプログラムの中で跳ぶのとでは全く違うだろうし。
でもユヅルはリスクを好む選手だし、得点差に余裕があるから試すことは出来るわよね。
来シーズンの各試合は次の五輪を見据えて、彼が(4Loを跳びたい衝動を)どれだけ我慢出来るかが見物ね。
それに来シーズンは酸化しないジェーニャ(プル様)とリベンジに燃えるチャン(気が変わらなければだけれど)も戻って来るわ。
とりあえず、この夏、彼がどう過ごすか見てみましょう。
(これまでに何度も起こっているように)、ショーとCM撮影で忙殺されなければ、今度こそ万全な状態でシーズンが迎えることが出来ると思うわ。(昨シーズンの後、彼を酷使した日本スケ連は無責任過ぎるわ!!)」
「ブルー、完璧な分析をありがとう!!彼は来シーズン3クワドを入れるつもりだけれど、もし三種類のクワドを跳んだらフィギュアスケート史上初の偉業じゃないかしら?
試合でプログラムに入れるために3種類のクワドを練習することは、本当にもの凄く難しいことだけれど、彼が困難に怯んだことが今までに一度でもあったかしら?」
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☆ マニアックな上に長いですよね・・・よく分かっています。
しかも、この後、まだまだ続くんですよ・・・
でも、私的にはこういう話題、大好きなんです。
イタリア・ユロスポのマッシミリアーノさんの解説と記事も大好物です。
マッシミリアーノさんとはワインでも飲みながら羽生君を数学的に語り合いたいです。