Eurosport.comより「フラワーキッズ、製氷車、氷をケアする裏方達」

イタリアEuroSport公式ページに掲載された記事です。
フラワーガールの説明のところで羽生君の名前を出てきますので訳します。

 

原文>>

2018年3月25日

氷を滑らかにする機械、ぬいぐるみを拾い集める子供達:最高の試合を実施するには彼らが必要なのです。

フィギュアスケートは才能、技術、音楽、スペクタクルによって出来上がるもので、これは毎年毎年試合で演技を披露し、氷上に自分達の技巧を持ち込むスケーター達の役目です。しかしながら、氷を常に最高の状態にする地道な「肉体労働」があってこそ、これが可能になるのです。

 

製氷車、製氷の命

試合を観戦している人なら、遅かれ早かれ「Ice resurfacing」(製氷)と呼ばれる中断時間があることに気付くでしょう。

氷の表面は「やり直され」、リンクで次々にパフォーマンスを行う選手達によって氷上に刻まれた無数の溝が滑らかに磨かれます。

選手達が本来あるべきではない危険な溝やくぼみにはまるリスクなく、ベストな演技が出来るようにするためには、一定時間の後、氷を整え直す必要があります。

これを行う専用の機械があります。通称Zamboni(1949年に現在使用されている製氷車の先祖である車を考案したイタリア系アメリカ人の実業家の苗字)と呼ばれている製氷車です。

時間を短縮するために複数の製氷車がリンクに入ります。テレビ的にこうした中断時間はありがたくありませんから、氷の表面を仕上げ直すために、手作業による助けも必要です。

Zamboni

フラワーキッズ、マルチに活躍する小さな助っ人

いつも彼らの仕事とは限りませんが、平昌ではフラワーキッズ達が手伝っているのを見ました。
彼らはバケツとこてを手にリンクに出て行って氷上の深い溝を埋め、平らにするのです。こうすることで、製氷車が通った後、氷は凸凹が全くない完璧に滑らかな表面に仕上がります。

それにしてもフラワーキッズとは誰のことですか?

「花の子供達」という名前は全く別の活動を連想させます。
実際、彼らの主要な仕事は別のことなのです。
彼らは演技が終わる度に氷上を一掃するために呼ばれる子供のスケーターです。

フィギュアスケートでは観客が応援する選手にプレゼントする物(通常、ぬいぐるみや花束)を客席から投げ入れるのが慣例となっています。

羽生結弦のプログラムの後は常に追加要員のフラワーキッズが呼ばれます。

日本のエイリアンはウィニー・ザ・プーが大好きなのです。
彼は史上最強のスケーターなので彼を愛するファンが大勢いて、その数があまりにも多いため、彼が演技を終えると、リンクが黄色く染まり、子供達が氷上からクマを拾い集めるのに相当な時間を要するほどなのです。

まだあります。もしこの子供達が跪いて氷をただ触っているように見えたら、実際にはもっと有益な仕事をしているのです。選手達の衣装から図らずも落ちてしまった装飾のストーンを拾っているのです。次の選手のブレードに引っ掛かって転倒させてしまわないように。

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☆確かソチの後だったかな?羽生君が出演していないアイスショーを紹介する何かの映像で会場の氷を作る職人さん達にも話を聞いていて、出演していた有名選手達について、「みんな(氷について)ああして欲しい、こうして欲しいとあれこれ注文はつけてくるけれど、お礼を言う人はいない」というようなことを言っていました。

そしてその後、別の機会に羽生君が氷を整備する裏方のスタッフにも常に気遣いと感謝を忘れない人だというエピソードが紹介されているのを見ました。

その映像を見て、「ああこの人は、どんなに偉くなっても(この時、既にソチの金メダリストで現世界王者でスーパースター)、どんな時も、誰に対しても決して感謝とリスペクトを忘れない、本当に心が真っすぐな、人間性も金メダリスト級の素晴らしい人なんだ」と思いました。

だからこそ羽生君は世界中にこれほどファンがいて、これほど愛されているのだと思います。

彼の生き方や人柄はインタビューや様々な記事を通して、私達日本人だけでなく、翻訳しなければその内容を理解できない世界中のファンに、そして特別ファンではない人達にも多大なインスピレーションを与えています。

国民栄誉賞授与式の後、彼の長いインタビューが瞬く間に英訳され、更にその翌日には他の言語に転訳されているのには驚愕しました。

あまりにも若くしてあらゆる成功と栄光を手にしてしまったから(彼の才能と血のにじむような努力によって築かれた成功だけれど)、時にはそれが面白くないごく一握りの狭量な人達の心ない言葉が耳に入ってしまうこともあるのかもしれない。
でもその数百万倍の人があなたを心から愛し、応援していることを知っていて欲しい

クワドをショートに2本(しかも1本はコンボで後半)、フリー4本の構成のどこが安全策なのか?
しかも全てのジャンプ要素の前後に難しい入りと出を散りばめ、完全に振付の一部として跳んでいる。こんなことに挑戦しているのは彼だけです。

イタリアの解説番組ではフィギュアスケートに詳しくないコメンテーターでさえ、「どうして羽生はわざわざリスクを冒してジャンプの前にここまで難しい要素を入れるの?」と驚愕していました。

他の選手にはこんな離れ業は出来ないから、彼に勝つために基礎点の高いジャンプを何本も入れ、質より量で勝負するしかなかった。
でも平昌後のルール改正を見れば、ISUが基礎点上等の「質より量」傾向を牽制したかったのは明らかです。

 

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