イタリア解説「2014ソチオリンピック~男子フラワーセレモニー」

過去の映像から
ソチオリンピックの男子フラワーセレモニーの解説です

Elena Cさんの動画です
いつも貴重な動画をありがとう!Grazie mille!

 

実況解説
マッシミリアーノ・アンベージ
ダリオ・フレーリ
シルヴィア・フォンターナ

 

ア:事実を言えば上位10人でクリーンなプログラムを滑った選手は誰一人いなかった

羽生は冒頭のサルコウで転倒した。

パトリック・チャンは幾つもの問題があった。

デニス・テンはいいプログラムだったけれど彼も完璧ではなかった。

フェルナンデスはプログラム後半で失速した

町田は4トゥループで転倒し、高橋は回転に問題があった

つまり、今日は誰一人完璧ではなかった。

でもオリンピックだから失敗するのは分かる

そして最終的に羽生結弦は優勝に相応しかったと思う。

 

ダ:これから勝利を堪能してもらおう、特にこの後すぐ表彰台に上がる3人の勝利を堪能してもらおう。

短い休憩(CM)を後、すぐに観てもらおう。

ダ:デニス・テンは小さな傑作を生みだした。だって今日の彼の挽回は素晴らしかった。

パトリック・チャンはずっとこの銀メダルを悔やむことになるだろう。オリンピック銀メダルに変わりはないけれど。

一方、羽生は19歳で初めて出場したオリンピックで金メダルを手に入れた。

マ:そうだね。初出場で金メダル。

過去に前例があるか確認しなければならない。でも男子シングルでは誰も思いつかない。

OK,女子では2010年のキムがいる。でも男子では前例がないんじゃないかな?

ダ:女子では15歳のオリンピック金メダリストもいた。

もう長い間、こんなことは起こっていないけれど。

今、シルヴィアが「ちょっと待って、リプニツカヤがいるでしょう」と言うだろう(笑)

シ:そうよ

準備は万端よ!準備は万端よ!

ダ:どうなるか待とうじゃないか

これは歴史的なことだ

歴史と言えば、ここでも歴史が変わった。

今日は史上初の日本男子の金メダル

ア:その通り

ダ:カナダに金メダルはなかった。カナダにとっては5つ目の銀メダルだけれど、この聖なる金メダルだけはどうしても手に入れることが出来ない。

そしてカザキスタンにとってはフィギュアスケートでの初メダル

シ:今大会は日本にとって史上初の男子金メダル、そしてロシアにとっても史上初の女子金メダルの可能性があるわ。

ダ:君の言う通りだね。ロシアにとってはセンセーショナルなことだろうね

シ:アメリカにとって史上初のアイスダンス金メダル

ダ:史上初づくしのオリンピックになる可能性があるね。

この定義付けは素敵だね。

シ:イタリアの史上初の女子金メダルはどう?(笑)

ダ:僕達にとってはクライマックスだ。史上初を完成させるなら、僕はこの仮説の方がいい。

シ:そうでしょう

ア:イタリアにとってはあらゆる意味で歴史になるね。

それにしてもカナダの呪いは続いているようだね

チャンは呪いを解くつもりだったんだろうけれど、そうは行かなかった。

これからどうするつもりだろう?

またあと4年続けるのかな?

羽生は荒川静香のように母国のレジェンドになるだろう。でもまだ若いから当分現役を続けられる予感がする。おそらく僕達は彼のピークをまだ見ていないんだろう。

シ:才能溢れる若い選手達が揃っているから、次の4年間、男子シングルは・・・

ダ:進化するだろうね、爆発的に。男子シングルはここで見た才能以外にも多くの才能を輩出している。

デニス・テンはオリンピックに出場するのは2度目だけれどまだ二十歳だ。

だからまだまだ将来有望だ

出場選手中、最年少だった中国の選手は将来有望で、ひょっとしたら誰よりも強くなるかもしれない。

ア:言わせてもらうと更に若くてハンヤンより有望な中国の選手がいる。

ボーヤン・ジン。彼のクワドの構成は前例がない。現在、中国には高い資質を持つ選手達がいる。

(デニス・テン登場)

テンと言えばイタリアで数か月間練習して、複数のイタリアの技術コーチに師事した。それで、ユニバーシアードに出場して、その時に・・・

ダ:怪我をしたんだよね。

ア:6分間練習中だった。

再負傷だった。彼にとっては大災難のシーズンだった。

この青年のキャリアの中で素敵なストーリーとは、まさにこのシーズンで起きたことだった。

コンディション的に出遅れた状態でグランプリシリーズからシーズンを開始して、まず足首、それから背中を負傷した。ユニバーシアードで再び怪我。つまり五輪シーズンにフィジカルコンディションの調整とプログラムの完成を何度も中断された。

デニス・テンのシーズンはもはや絶望的だと思われたのに、2014年ソチでオリンピック銅メダルで締めくくった。

ア:相応しい結果だった。

ここで一つ強調したいことがある。

ここ数日間、採点やジャッジについて多くの批判が彼方此方で巻き起こった。

でも今日はテクニカルパネルもジャッジも完璧な仕事をしたと言わなくちゃならない。

何故なら最終結果にはこの2日間、氷上で披露されたことが公正に反映されていた。

シ:間違いないわね。

(パトリック登場)

シ:間違いなく、ここに敗者がいるわね。

銀メダルは敗北ではないけれど、

テンの銅メダルは間違いなく・・・

ダ:勝利だった

シ:そう、勝利だったわ

でもチャンの銀メダルは・・・彼にとっては間違いなく・・・

ダ:世界選手権3連覇している選手は、オリンピックで金メダルを獲れることを期待していただろう。

オリンピックの銀メダルには違いないけれど、彼はもっと上を望んでいただろうから、この時点ではこのメダルをあまり評価できないかもしれない。それに何と言えばいいのか・・・この場合、彼が、自分が達成したことを受け入れられれば評価出来るんだろうけれど、試合に置いていかれてしまった感があった。

この瞬間、彼がこのメダルをどれだけ評価出来るか分からない。

シ:特に彼は羽生がチャンスの扉を開いたにも関わらず・・・

ダ:しかも大チャンスだった。超えるのが不可能な驚異的な演技をした選手に負けたわけではなかった

(羽生君登場)

ダ:彼が並外れたチャンピオンだ。

昨日は完璧だった。

今日は完璧ではなかったけれど、男子でも日本初の金メダルを勝ち取るには十分だった。

シ:彼からはとても謙虚な青年であることが感じられる。これはチャンピオンにとっては素晴しい資質だわ。だって更に向上しようとするでしょうから。

マ:何度も言うようだけれど、オリンピックのフリーでミスがあったのは仕方がない

何故ならプレッシャーが多大だったからだ。

でも彼が披露した技術的難度は途方もなかった。

4サルコウでの転倒は受け入れられる。

3フリップが完璧じゃなくて転倒と判断されてしまったけれど、全体を見たら盛りだくさんだった。

3アクセル、華麗な4トゥループ

完璧ではなかったけれど、タイトルに相応しい

ダ:そしてこれは2日で一つの試合、羽生が昨日成し遂げたことは途方もなかった。

未だかつて見たこともないことをやり遂げた

ショートプログラムで100点を超えたことも、これほど完璧に演じられたショートプログラムも未だかつてなかった。

これは彼のオリンピックの珠玉として歴史に残るだろう。最終的にチャンは今日、これを越えられるだけのことをしなかった。

ア:チャンスはあったのに、掴むことが出来なかった。

3つの大きなミス

でも致命的だったのが3サルコウのミスだった。

3ルッツ-ループ-3サルコウの3連続ジャンプ

ダ:信じられないよ。この2日間、僕達はここで4回転ジャンプがどれだけ重要かを議論していたのに、この大会の勝敗を分けたのはもっと簡単なジャンプだった。

シ:そうね。それに私は金メダルというのは掴み取りに行くものだという気がするの。だから試合では攻めるべきで、決して守りに入るべきではない。

今日のパトリック・チャンは金メダルを逃さないよう守りに入っていたわ。でも攻めて行かなければ金メダルは手に入らない。クリーンな演技を目指すよりも、トリプルに挑戦する姿勢がなければ

ダ:つまり諦めてしまった。

それにこの大会はこれまで彼がキャリアの中で出場したどの大会よりもずっとずっと重要だった。

パトリック・チャンは既にオリンピックを経験しているけれど。あまりベストなコンディションではなかったけれど

ア:しかもあのオリンピックのフィギュアスケートは今とは全く別物だった。

この4年間で全てが変化した。

ダ:文字通り完全に変わった。

ア:ライサチェクは4回転無しで勝利して、批判を浴びた。

現在のフィギュアスケートの難度は当時より断然優れている。

ダ:さあ、フラワーセレモニーだ。より美しく、より重要で壮麗な本物のメダル授与式の前に花束を贈呈する。でもここ、アイスバーグ内で彼らスケーター達に贈られるささやかなプレゼントだ。当然の配慮だろう。特にホームの観客達にとっては。ロシアの選手はいないけれど。でもロシアの選手は試合に出場しなかったから。

プルチェンコの件は、2014年ソチオリンピックのもう一つのセンセーショナルな出来事として記憶されることになるだろう。

シ:プルシェンコはこの大会での優勝は無理だったわ。

ダ:団体戦で見たプルシェンコなら、今大会でもメダル争いに加わることが出来た。

ア:そうだね、銅メダル争いに

シ:そうね、銅メダルね

ダ:勿論、僕達は銅メダルの話をしている。何度も言うように上位2人と他の選手達はかけ離れていた。

ア:プルシェンコの自己ベストは261.23。銅メダルには足りたけれど、この点数では優勝者には20点、2位の選手には約15点も及ばない。でも銅メダルには手が届いた。でもノーミスが条件だった。勿論、卓上の仮説に過ぎないけれど

ダ:そうだね。団体戦での演技は、彼に出来る最高の演技だったんだと思う。フィギュアスケートのプルシェンコというだけで分かってもらえる彼の限りない才能とカリスマ性を持ってしてもね。

ア:高橋かフェルナンデスに表彰台に上がって欲しかったと思う者がいるかもしれない。

でもテンは今年、いやこの12か月間、ほぼコンプリートな選手であることを示した。

ダ:テンは昨シーズンを世界選手権第2位という輝かしい結果で締めくくり、優勝に相応しかったという者さえいた。だから今シーズンのデニス・テンは優勝候補の一人だった。

ア:2002年のソルトレークシティー五輪のファイナルを返してとコメントする者がいるけれど、確かにあれは男子では最高峰の大会だった。ヤグディン、プルシェンコ、ゲーブル

でもそれ以降、2010年まで進化しなかった。

そしてこの4年間で長い間フィギュアスケートに欠けていた高難度が戻ってきた。

ダ:その通り

何故なら4回転ジャンプの得点を上げることが決定され、スケーター達はリスクを冒すようになった。

リスクを冒しても回り切った4回転ジャンプに3回転ジャンプより高い褒賞を与えることで、高難度ジャンプへの挑戦を奨励した。

スポーツは進化する。時にはその進化が停滞することもあるけれど、この後に続く選手達も技術だけでなく芸術的にもハイレベルだから、今後数年間、僕達を楽しませてくれると思うよ。

シ:今後4年間は・・・全ての国・・・まあ、全ての国じゃないにしても多くの国が才能ある選手を抱えていて、彼らは既にコンプリートなスケーター達だわ。つまり技術だけでなく芸術的な資質もある。だって羽生にしてもデニス・テンにしても若干二十歳でこれほど完成され、成熟しているのは本当に驚異的だわ。

ダ:これがオリンピックのメダリスト達だ。

この大会の主役達を再び見よう

2014年ソチ男子シングルの銅メダリスト、銀メダリスト、そして金メダリスト

フィギュアスケートはまだ終わりではない。

女子の試合が残っている

(解説者の挨拶は省略)

 

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世の中は西川CMで盛り上がっていますが、空気を読まずにソチ五輪。
解説者全員がソチ後の男子シングルの爆発的進化を予言していて興味深いですね。
パトリックは守りに入ったために金メダルを逃したというシルヴィアさんの考察も面白いです。

でもセレモニーだからそんなに訳すところはないだろうしオータムクラシック前のウォームアップに!と軽い気持ちで訳し始めたら、結構長いし、内容濃いしでBIgBbって感じでした・・・

さすがイタリア解説陣!

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