イタリア解説EuroSport「2018ロステレコム杯~正しいジャンプ技術」

先シーズンのロステレコム杯男子フリーから
マッシミリアーノさんとアンジェロさんがジャンプ技術のクオリティの劣化について議論しています。その部分を切り取った動画をエレナさんが投稿してくれましたので訳したいと思います。

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(ウィンタースポーツ専門ジャーナリスト)(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(テクニカルスペシャリスト、元ナショナルチャンピオン)(A)

Elena Cさんの動画です。いつもありがとう!
Grazie Elena!♥

M:先ほど女子選手で議論していたことだけれど、彼にも当てはまる。
彼は正しい技術で跳んでいる。
つまりプレローテーションやフルブレードで支えながら踏み切るというズルをせずにトゥジャンプを跳んでいる。だから4回転するのはより難しくなる。
より難しいということは、つまり怪我をするリスクもより高くなる。

A:そう、その通りだ

M:回転が少し足りないと怪我を招くことがある

A:怪我をするのは何時か?
多くの場合、回転が少し足りないジャンプで起こる。
なぜなら、十分な高さに跳び上がれず、回転し切れないで着氷する場合、しばしばトゥではなく、エッジで着氷するからだ。
そうすると何が起こるのか?
スケート靴は止るけれど、身体は回り続ける。

M:足首を捻ってしまう。羽生に起こったことだ。

A:足首や膝を捻ってしまう。
つまり捻挫のような怪我はこのような状況で起こりやすい。

M:問題はこのジャンプをどんな風に跳ぶかだ

A:特に今現在、それが問われる

M:ジャンプ要素の技術的クオリティが失われつつある
全選手に当てはまることではないけれど

A:違うね

M:でも80%ぐらいの選手に当てはまることだ
今、現在、小さな子供達にインプットされるジャンプ技術は10年前とは違う

A:如何に早く回転数を増やすかという競争が激しいから、その弊害として正しい技術を学習するための時間は俄然少なくなる。

何度も言うけれど、全員が全員という訳ではない。

でも現在、フィギュアスケートが向かっている方向性もこのような選択に拍車をかけている。
何よりもまず回転することを優先し、3回転、ゆくゆくは4回転を跳ぶことを想定して回転にはずみをつけやすい跳び方を探そうとする。

M:そうすると自然にこんな疑問が湧いてくる
ルールはこれを許すのか?
幾つかのことは許されている。つまり減点の対象にならない。
それ以外の幾つかは許されていないはずなのに、減点されていない。

A:ルールの内容、そしてそれがどのように適用されるかは選手が試合で披露する内容に影響を与える。

M:現行のルールではフルブレードで踏み切ったトゥジャンプは減点対象になる。
つまりフルブレードの度合いに応じてGOEでマイナス1~2が付かなければならない。
でもいわゆる「プレロテ」ジャンプは現行のルールでは減点対象にならない。

A:1つの例外を除いてね

M:でも初歩的なミスでほとんどお目にかかれない代物だ

A:トゥ・アクセルだね

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☆マッシミリアーノさん達はちゃんとトゥを突く正しい技術でトゥジャンプを跳ぶ選手として、いつも羽生君、ボーヤン、ネイサン、コリヤダの名前を挙げています(勿論、他にもいると思いますが)

完全に空中で4回転または3回転を回っている訳ですから当然、より難度が高くなり、マッシミリアーノさん達の言う通り、より高く跳び上がる必要がありますので怪我のリスクも高まります。
プレロテジャンプを減点対象にしないとしても、せめてGOEで差をつけて欲しいです。

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