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イタリア解説EuroSport版「ユニバと四大陸から痛快トークを少し」

ユニバーシアード冬季大会の男子フリーから
試合の前半、滑った選手をほとんど解説せず、ひたすらルールについて議論していましたw
面白かった部分をザックリ要約します。

 

☆エレナさんが該当部分を切り取ってまとめてくれました!!!
大変な作業だったと思います!ありがとう!!!
Grazie Elena per video e tuo grande lavoro dell’elaborazione!!!💛

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)(テクニカルスペシャリスト)

M:この大会の前半はそれほど重要ではないので、この時間を利用して、(ユーロに引き続き)僕達の議論を続けたいと思う。
僕達にとってあまり重要じゃないと判断されて(解説が)犠牲になる選手には申し訳ないけれど(笑)

A:(爆笑)

M:今後、フィギュアスケートがどのような方向に進んでいくのか理解するために、向き合うべき論点は何か?
演技構成点で差を付けることが出来なくなったら
つまりほとんど選手が演技構成点で2~3点差の範囲内に集中していたら、勝つにはどうすればいい?
君が答えてよ

A:簡単に言うと、技術的ハードルを上げるしかない。
そして、これをどうやって行うかも説明しなければならない

M:ロシアの少女達について話そう
彼女達が高難度ジャンプに走るこの傾向に苦言を呈しているスケート関係者がいる
でもルッツまでの5種類の3回転ジャンプを問題なく跳べる12歳から14歳の少女が60人いて、演技構成点における差はたかが知れていたら、試合に勝つにはどうする?

A:更に難しいジャンプを入れようとするだろうね

M:君の生徒が練習で4回転ジャンプを降りることができたら、どうする?

A:試合に入れさせようとするだろうね

M:プログラムにクワドを組み込み、練習を積んで仕上げる。
今、僕達はロシアの思春期の少女達を例に挙げたけれど、シニアでも同じことだ。
これはフィギュアスケート全体に共通する傾向だ。

マッテオ・リッツォは昨年から4Tをフリーに入れ、今大会からはショートにも入れるようになった。そしてもしこのジャンプが安定したら、来シーズンはフリーに2本目の4Tを入れようと試みるだろう
つまり、現在の採点システムでは勝つためにはこうするしか方法ない。
採点システムのバランスが悪いという批判が絶えないけれど、批判するだけでなく、この採点システムに信頼性を与えるための具体的な解決策を提案するべきだ。

僕達は2年前からソリューションを提案している。
つまり、最高難度の構成で達成可能な技術点を算出し、演技構成点の満点を同じにするというソリューションだ。

女子の話をしよう
梨花紀平がショートでGOEが全て+5だったと仮定して、技術点で最高54.5点に達することが出来るなら、演技構成点の満点も55点にすればいい。

難しいことだと思う?
そうは思えない。
実に単純な算数だ。
採点システムをひっくり返す必要はない。
つまり1+1が2になるようにすればいいだけだ。

でも誰もこういう発想で採点システムを見直そうとしなければ、このスポーツは立ち行かなくなる。
何故ならクワドを跳ぶ小さな少女達や、滑りは悪いのに複数クワドで試合に勝つ選手への批判は絶えないからだ。

A:何故なら今のルールでは最終的に勝敗を決めるのはクワドだからだ。

M:さっき女子ショートを例に挙げたけれど、今度は男子フリーで僕達の議論を続けよう。
130点近い技術点を獲得できる構成のプログラムを滑る選手がいる。
もし彼らが完璧に滑った場合、技術点が最高130点に達するなら、演技構成点の満点も130点に設定すべきだと僕は主張する。
希望するではない、主張するだ!

だって例えば、全盛期のパトリック・チャンすら羨むような、史上誰も見たことのないような見事なスケーティングスキルで、世界最高峰の劇場に値する表現力で、目が眩むほど美しい芸術的演技をする選手がいたら、彼には演技構成点130点が与えられるべきだ。

A:勿論だ
最高技術点とほぼ同じ点だ。
つまり僕達が求めているのは技術点と演技構成点の均衡だ。
満点が出る出ないに関わらず

M:そうでないと、世界選手権ではクワドを6本跳ぶ選手が勝つようになってしまう。
勿論、クワド6本の演技もある意味で見ごたえがあるから、今日の革新的なフィギュアスケートはこういうものだと受け入れて、スペクタクルを満喫することもできる。
本当にこういう演技がスペクタクルならだけれど
でもこの採点システムには真の一流選手を不利にする危険性があることも理解しなければならない。

例えば絶対的エクセレンスである羽生はいずれにしてもこの採点システムでは不利になる。
何故ならミスが許されないからだ

A:演技構成点の差はたかが知れているからね

M:彼の演技構成点95点に対して、ネイサン・チェンが93点ならその差はわずか2点だ。
でもここで別の問題が浮上する
つまり演技構成点の評価基準だ

フリーでクワドを6本決めたら演技構成点90点が与えられるのは正しいと思う?
技術点で評価されるのは分かる
1本1本のジャンプが評価されるのは分かる
素晴らしいジャンプが決まったら、スケーティングスキルやスピードの高評価に繋がるのかもしれない。

でも自動的にPCS90点に値すると思う?
おそらく、演技構成点の評価基準を見直す時がきていると思う。

A:然るべき差をつけるべきだ

M:4月にルールが改正され、GOEが+/-5に変わったけれど、大した変化ではない
ジャンプの基礎点は下がったけれど、その分をGOEで埋め合わせることが出来るから大した違いはない。
採点システムの真の問題は結局改善されなかった。

A:問題は君が言ったような数字の問題。
つまり2つの得点のウエートが偏っているということ。

そしてもう一つの問題は演技構成点の評価基準だ。
今は少なからず技術点に影響されている。
つまり演技構成点もクワドの本数、種類や難度、出来に左右されてしまう傾向にある。

 

<下位の選手達について>

A:この競技は僕達が世界選手権の最終グループで見慣れたチャンピオン達によって、極限レベルまでハードルが押し上げられたが、これらの選手達にとってはクワド3本+3アクセルとは言わないまでも、3アクセル1本と多くの3回転ジャンプを入れたフリープログラムでさえ滑り切ることが困難だ。ミスを連発し、プログラム終盤は息も絶え絶えだ。

それに彼らはスケーティングスキルも劣っているから、全てがずっと難しくなる。
彼らのスケーティングは最高峰の選手達のように「省エネ」じゃないから、プログラム中盤から酸欠状態になる。
例えばパトリック・チャンは非常に滑らかでスピードのあるスケーティングによって、消耗が少ない。これは時間をかけて獲得していく技術だ。

M:質の高いスケーティングはジャンプも助けてくれる。

A:勿論だ。
力をあまり使わずに高スピードに達することが出来る。

M:スピードと幅だ

A:スピードと幅は比例しているからね
勿論、スピードのない所からジャンプを跳ぶ技術もあるし、スピードがなくても高く跳び上がり、回り切ることもできる。でも現行のルールではこういうジャンプにGOEの最高点は付かない。

M:新ルールでは高いGOEを獲得するには高さと幅が必須になったからね。

A:幅はスピードがなければ出せない
これは物理の法則だ

M:まあ止まった状態からジャンプを跳べる人もいるけどね
トリプルだけれど
事実を言えば、止まった状態からのクワドも見たことがあるけれど・・・こういうのは例外だから触れないでおこう。
この能力はコンビネーションで最初のジャンプの着氷が完璧じゃなかった時に必要不可欠になる。

A:だからこれは第1オプションではないけれど、困難な状況においてコンボを救うことが出来る。

 

<マキシム・コフトゥンの演技後>

M:コフトゥンはサマリンに比べてより「熟成された」選手だ。
サマリンは毎年何かしらジャンプ構成を上げている
コフトゥンは僕達がもう5年ぐらい前から見ている選手だ

A:5年前は最も高難度構成を滑る選手の一人だったけれど、今では状況が変わった。

M:現在では4サルコウと4トゥループでは最高難度の構成ではなくなった。
無論、羽生は4トゥループと4サルコウだけでオリンピックで勝つけれど、彼のは別のスポーツで別物だから

A:羽生と比べるのは難しい
例え誰であっても、羽生と比較するのは困難だ

それに、いずれにしても羽生も構成を上げ続けていた。
怪我でオリンピックでは断念したけれど、4ルッツと4ループを試合で成功させている。
4ループはショートでも何度も成功させていた。
でも僕達が何度も指摘していたようにショートでは4サルコウの構成の方が高得点を獲得していた。

 

四大陸世界選手権男子FSダイジェストより

四大陸選手権の実況解説を全く訳していませんでしたが、というのも試合が深夜~早朝だったので、実況解説付きバージョンはほとんど放送されず・・・
フリーダンスと男子フリーの最終グループだけ解説付きのダイジェストが放送されましたが、全体的にテンション低めであまり褒めていなかったので、イマイチ訳す気が起こらず
グズグズしていたらユロスポプレーヤーのオンデマンドから動画が消されていました・・・aWN5W61(録画し損なった!😭
でも幾つか印象的で面白いコメントもあったので、覚えている範囲でザックリ要約してみます

 

<ジェーソン・ブラウン選手について>

M:豊かなトランジション、身体の使った表現、音楽の捉え方、エッジワークはエクセレンスなレベルだが過小評価されている。
現在、男子のトップ選手達はPCSで90~94点をもらう。
彼もこの得点に値すると思うけれど、実際にはもらえていない。

A:彼のような選手にとって成功率の低い4サルコウを入れるのは正しい戦略とは思えない。
後半の3アクセルもそうだ。
実際、後半の3アクセルの成功率は極めて低く、転倒か回転不足がほとんどだ。
ルール変更でジャンプ要素が1つ少なくなったから、彼のような選手は敢えてクワドを入れる必要がなくなった。
4サルコウを抜き、3アクセル2本は体力のある前半に、出来ればステップや入りに工夫を凝らして跳んだ方がいい。
彼のように質の高いスケーティングスキルとトランジションを持つ選手は、リスクを冒すより、出来るだけ演技をクリーンにまとめることを重視して、GOEとPCSで勝負すべきだ

M:クワドに関して彼の致命的な問題は何か?
ジェーソン・ブラウンは軸が太く、空中でそれほど速く回転することが出来ないということだ

例えば羽生は1秒間に5回転することが出来る

だから彼はこれほど簡単に4回転ジャンプを跳ぶことが出来るのだ。
でもジェーソン・ブラウンのように回転速度がそれほど速くない選手には空中で4回転回り切るのは困難だ。

1秒間に5回転てw
このコメントが1番インパクトが強かった😂

 

一方、ヴィンセント・ジョウ選手には真逆の戦略を推奨しています

M:彼のジャンプの跳び方を見ると、今後エレメンツのクオリティが向上するとは思えない。
つまりGOEやPCSで稼げる選手になれる見込みはあまりないと思う。
彼のような選手はどういう戦略を取るべきか?
クワド6本+3アクセル2本のような限界に近い高難度構成にして、出来る限り全てのジャンプを回り切り、基礎点だけでも持ち帰る

A:出来る限り全てジャンプを回り切り・・・難しいね
というより彼の一番の問題はそこなんだ

M:そうなんだ・・・

相変わらず身も蓋もない😅
でも当たっている・・・
PCSについてはユーロのサマリン以上にボロクソでした・・・

 

5本のジャンプ要素で回転不足判定を受けたジュンファン・チャ選手について

A:ヴィンセント・ジョウの後という滑走順も不運だった・・・
ジョウの演技でコントロールパネルのレビューモードがオンになってしまったから、彼も容赦なくチェックされた。

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☆ユニバでまさかマッテオが優勝するとは!
マッシミリアーノさん達もまさか優勝できるとは夢にも思っていなかったようで、大喜びしていました!(Rai Sportマンマ版が放送されなかったのが残念!)

ダニエル・グラッスルのジュニアワールド銅メダルといい、最近のイタリア男子の進撃は目覚ましい。

アンジェロさんはマッテオのこの演技ならワールドで10位以内に入り、イタリアに2枠持ち帰るのも夢ではないと言っていましたが、ロシア勢は全員自爆癖があり、ヴィンセント・ジョウとジュンファンはコントロールパネル次第で撃沈される可能性があるので、うまく行けばベスト6に入れるのでは

マッテオは3アクセルの時もそうでしたが、新しいジャンプをひとたび試合で安定して入れられるようになると、その後、そのエレメントでミスをすることはほとんどないそうで、非常に冷静でプレッシャーや緊張に強い選手だそうです。
今大会でも、三連を予定していた3Fが単独になっても、落ち着いてその後の3Lzを三連にしてリカバリーしていました。
スケーティングスキルとエレメンツの質が高く、GOEで稼げる選手なので、今回のようにショートとフリーをクリーンに揃えられれば10位以内どころかもっと上位が狙えると思います。

ダニエル君のためにも是非、2枠を持ち帰って欲しい!

舞依ちゃんも優勝おめでとう~!!!
ショートもフリーも天使だった!

Published by Nymphea

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち