イタリア解説EuroSport版「2017ヘルシンキ世界選手権より~羽生結弦SP」

男子シングルは生中継されず、45分のハイライトが放送されたそうです
エレナさんが動画を上げてくれましたので翻訳します

Elena Cさんの動画
ありがとう!Grazie Elena!

 

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)

M:最終グループの最初の滑走者は羽生結弦だった

世界ランキング1位 今季グランプリファイナルの覇者

羽生結弦のグランプリファイナル優勝はもはや習慣になっている

待ち望まれている選手で、ジャーナリストやファンから最も追いかけられている絶対的な選手で、彼の前には渋滞が出来る

もはや母国だけのレジェンドではない

A:僕らが話しているのは圧倒的に規格外の選手

ほとんど神懸かり的なクオリティを持つ選手

M:フィギュアスケートを変革した選手だ

それに彼は彼だけのスポーツをしている

勝つためにプログラムをシンプル化することも出来るのに、彼はそうはしない

そんなことに興味はない

A:問題外だろう

(演技中)

A:基本的に彼はいつも歴史と戦っている

これまで既に彼が何度も塗り替えてきた歴史とね

A:傑作選に入る4ループでプログラムを開始した

M:史上最高のね

A:次はコンビネーション

足を付いて・・・2トゥループを付けた

これは羽生のショートにちょっとした論争を巻き起こした

後で詳しく説明するけれど

これはまるで衣装のように、バックカウンターからの3アクセル

奇跡のような素晴らしさ

正確に実施された全てのスピン

スピンも全て腕の動きまで音楽に合わせて構築されている

プリンスの曲に合わせたこのショートはささやかな傑作だ

最後はコンビネーションスピン

これもいつも通りレベル4だった

(演技後)

途方もない4ループと最高の3アクセルで飾られたプログラムだったけれど、コンビネーションで何が起こったのか

M:議論の範囲を広げてみよう

6つの要素はほぼ完璧だった

ハイライトは勿論、冒頭の4ループと3アクセルだ

判定が難しかったのは4サルコウと本来トリプルのはずが2トゥループになってしまったコンビネーションジャンプだ

通常の速度で見ていると、セカンドジャンプは無効のように見える

でもスロー映像を見ると千の疑念が湧いてくる

A:同感だね

僕達は理解するために何度もこの要素を見返したけれど

ジャッジの判断はどうだったか

4サルコウはカウントされ、2トゥループは無効と判断されてカウントされなかった

つまりどうなったか?4サルコウは有効で全てのジャッジから-3、そして2トゥループは得点に反映されなかった

注意して欲しいけれど、2トゥループはコンビネーションのセカンドジャンプとしては有効だ

違法のジャンプじゃない

4回転と2回転のジャンプのコンビネーションは跳ぶことが出来る

M:問題は何か?

新ルールでは4回転ジャンプにセカンドジャンプを付けないと-4が付いてしまう

このルールはおそらく彼が何度も転倒しながら2位に入った中国杯の影響もあるのかもしれない

A:(笑)6分間練習中に起きたハンヤンとのあの恐ろしい衝突事故の後でね

M:つまり、本来11.80点であるはずの4サルコウ/2トゥループが、羽生の場合は10.5点の4サルコウの単独ジャンプになり、コンビネーションにならなかったから6.5点になってしまった

A:そうだね・・・

細かいことを言うと、Late Startによる減点1もあった

M:でも僕はもう一つの解釈を言いたい

判定が困難なケース、注意深く見ても判断が難しい場合には、通常、選手に有利になる判定が下される

だからこの場合、4サルコウ/2トゥループと判定すべきだった

A:その通り、そしてジャッジの裁量でGOEにマイナスを付けることが出来た

彼は4サルコウを着氷した際、完全にフリーレッグを付いてしまったからね

問題は・・・僕が思うに、体重がフリーレッグである左足に移動してしまったと判断されたんだろう

この場合、コンビネーションジャンプは有効とみなされない

セカンドジャンプはファーストジャンプを着氷したエッジで踏み切らなければならない

M:でもこのような不明確な状況において、こんな重大な判定を下すには相当の責任を負わなければならない

A:確かに、多大な責任だ

M:もう一度言う

明確ではない場合には、選手に不利ではなく、有利に判断されなければならない

A:確かに君の解釈は正しい

最初に見た時は僕も君も同じ意見だった

つまり・・・

M:ライブで見た時、僕は無効だと思った

A:その通り

体重の移動があったように見えた

でも繰り返し見てみると疑念が湧いてくる

彼は滑り続けていて、この動作中、ダイナミクスを維持している

体重が全て左足に移動してしまったか判断するのは困難だ

彼は顔をしかめているね

冷静さを保ってはいるけれど・・・

M:でも落胆していて、得点が信じられないでいるのが分かる

A:減点が何か分からないんだろう

後でLate startによる減点だったと知ることになるだろう

でもLate Startがあった

つまり羽生がプログラムを開始するためにポジションに着いた時、名前がコールされてから30秒以上が経過していた

 

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いつでもどこでもブレずに羽生君の絶対的味方でいてくれる、そして私達ファンの気持ちをオフィシャルな声として代弁してくれるマッシミリアーノさんとアンジェロさんには心からありがとうと言いたい

それにしてもマッシミリアーノさん・・・羽生君が引退したら抜け殻になってしまわないかちょっと心配・・・

 ショートプログラム、ミスがあったけれど圧巻の演技でした!!

特に私はキスクラ寄りのジャッジと反対側の席で、美麗だった4ループと3アクセルが目の前で、4サルコウは遠かったので、その時はそれほど重大なミスのように感じなかったし(とりあえずダブルでもコンボになったと安堵していました)、観客を煽りながらのステップシークエンスは鳥肌モノで、アレーナ全体が落ちてきそうなほどの歓声でした。

どちらかと言うと、得点が表示されてその余りの低さに愕然とし(正直私は102103点ぐらい出ると思っていました)、後に滑った選手達が次々に自己ベストを更新して得点を積み上げていくのを見て、全身から血が引いていく感じでした。

ショートプログラムの後、イタリアのFBフィギュアスケート・コミュニティでは羽生君に対するPCSGOEの評価が他の選手への採点基準と比べてあまりにも厳し過ぎるという怒りと抗議のコメントが殺到していましたが、その中で特に印象的だったのがこのユーザーのコメント

「演技動画を何度も見返しているけれど、壮大な4ループ、言葉にならないほど素晴らしい3アクセル、恐怖さえ覚える圧巻のステップシークエンス!他の選手を下げるつもりは毛頭ないけれど、『カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい』 (聖書の『マタイ福音書』の中にあるイエス・キリストの名言)でしょう???」

深い!!

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