イタリア解説EuroSport版「2017ヘルシンキ世界選手権男子フリー~6分間練習+その他の選手」

男子フリーの実況解説から
6分間練習とその他の選手の印象的だった部分を抜粋・要約します

2017WC_FSmen2

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)

6分間練習>

A:この最終グループの選手達は全員が他の時代ならおそらく王者として長きに渡って君臨したであろうチャンピオン達ばかりだ。
そんな選手達が同じ時代に集結し、競い合っている
この試合は白熱した感動的な大会になるだろう

僕達は既に歴史に残る伝説の大会となった前シーズンのグランプリファイナルでその序章を見たけれど、今大会はそれを上回るかもしれない。

M:合計24本の4回転ジャンプが予定されている
一人当たりの平均4本、当然5本跳ぶ者もいれば、4本跳ぶ者もいる
でもどの選手もそれぞれライバルに勝つための武器を持っている

今シーズンのフリー最高得点を出しているのは羽生結弦だ
羽生、ネイサン・チェン、フェルナンデスは既にフリーで200点を超える得点を出している

A:史上、トータルで300点を超えたことがあるのは、フェルナンデス、羽生、ネイサン・チェン
優勝するのに300点で足りるかどうか見てみよう
羽生は206点を出せば300点を超えるけれど、それほど大幅には超えない
フェルナンデスは先シーズン、300点を大きく超える得点を出しているし、ショートでの大差がある

勝負の行方は全く分からない
ショート5位6位の羽生とネイサン・チェンが大挽回する可能性もある

M:ボストンとはシナリオが逆になった。
ボストンではフェルナンデスが羽生に対して約12点挽回しなければならなかった
今回は羽生が11点弱を挽回しなければならない

ちなみに、羽生、ネイサン・チェン、ジン、宇野のプログラムはフェルナンデスのプログラムより基礎点が高い

フェルナンデスは羽生以外の選手に対して演技構成点でアドバンテージがある
同じようにパトリック・チャンも演技構成点に強いが、技術点のギャップをカバーしなければならない

A:本当にあらゆる嗜好に合うプログラムが見られるし、それぞれの選手が自分の武器を駆使して戦う
実施のクオリティを重視して、GOEと演技構成点で稼ぐというフェルナンデスの選択肢は正しいと思う。
実際、この構成で羽生以外の選手が誰一人近づいたこともない高得点を既に獲得している
だから彼の戦略は正しいと思う

勿論、他の選手達が予定された全てのジャンプを降りれば技術点では彼を上回るかもしれないけれど、それでもそれほど大きな差は付かないと思う。フェルナンデスはこの構成で高い技術点を記録している

M:フェルナンデスは今シーズン、TES105.63を獲得している
今シーズン最高TESはネイサン・チェンで115.48
今シーズン最高PCSはフェルナンデスで95.70
羽生はTES、PCS共に今シーズン第2位で、フリーのシーズン最高得点206.67点を獲得している

<ネイサン・チェン選手>

M:彼も競技のハードルを一気に引き上げた史上稀な選手

A:4ルッツで転倒・・・
羽生のあの演技の後に滑るのは難しい
でもネイサンはガッツを見せなければならない

A:4フリップ(2本目)
驚異的だ!演技中に構成と変えてもう1本4フリップを入れた!
なんという意志、何と言う勇気!

A:持てる武器を全て投入した演技
僕は4回転ジャンプ6本のフリープログラムは見たことがない

M:自分自身に挑戦した
何よりも滑りながら構成を変更した。
普通、跳んだジャンプの数が分からなくなってしまうものだが
彼の頭脳は冴えていた
頭の強い選手だ

A:2度転倒があってのTES110は恐ろしい得点だ
本番中のプログラムの運営能力は並外れているし、ネイサン・チェンがつぎ込んだ勇気に敬意を表したい
彼は羽生を超えられる数字は持っていないけれど、このプログラムで順位を上げることは出来るかもしれない。彼が到達した技術点は平凡な点ではない

<ボーヤン・ジン選手>

M:この競技を変えた男
ネイサン・チェンの前に彼がクワド4本を跳び、今では5本になった

A:羽生がこの競技の進化を導いたとすれば、このジンが方向性を示した
そして、おそらく羽生を刺激して限界を越えさせた

A:彼の競技人生最高のプログラムだ
120点近い技術点が出る
メンタルの強さを示した
何と言うガッツだ
おそらくネイサン・チェンの猛攻撃をかわすだろう

M:彼の技術構成は恐るべきものだ
今まで全てのジャンプを揃えることが出来なかったけれど、今日はやり遂げた

おそらく彼も名門300点クラブに入会だろう
だってこの演技に演技構成点80点以下はあり得ないだろう

M:ここまでで何種類の4回転を見た?
ルッツ、ループ、サルコウ、トゥループ、フリップ
アクセル以外の全種類だ

ちなみに、羽生は練習では4アクセルを回り切って着氷している
あまり言っちゃダメなんだけど(笑)

A:この4ルッツは高さ、流れ共に素晴らしい
最低でも+2に値する
現時点では4ループをレパートリーから外したけれど、正しい選択だと思う
幾つかの着氷は羽生に比べてクオリティが劣るけれど、全てのジャンプを完璧に決めた

M:いずれにしても幾つのパッセージは先シーズンに比べて洗練された
まだ学芸会のようなところがあるけれど、この部分でも成長しようという意図は見られる

<パトリック・チャン選手>

M:彼はスケーティングスキル、クリーンなエッジ、スケーティングの滑らかさという点においてこの競技のエクセレンスだ

A:細かいミスはあったけれど、彼に多大な称賛の念を表したい。世界選手権3連覇を達成した選手が、再び競技に戻ってきて、多種類の4回転を何本を跳ぶ恐ろしい選手達と戦うために、彼の年齢で新しい4回転ジャンプをマスターしてレパートリーに組み込むことは並大抵のことではない

今日の4サルコウは素晴らしかった

M:彼も技術点は100点
僕は95点以下の演技構成点は見たくない
こういうタイプの演技は評価されるべきだ

A:おそらく幾つかのジャンプで回転不足があったのだろう
技術点が下がったから200点は超えないだろうけれど、200点近い得点が出ると思う

M:彼は演技構成点の各項目について優れているから、高い演技構成点が出るだろう
ここではパトリック・チャンとジン・ボーヤンの差がはっきり分かる
ジン・ボーヤンがノーミスのプログラムを滑ったら、パトリックにとって、中国の選手が4回転ジャンプで稼ぐ点を演技構成点だけで補うのは困難だ

A:演技構成点でジンより10点以上高い点をもらえたとしても、技術点で15~20点の差があったら、パトリックにとって戦いは困難になる
おそらくそれほど大きな差ではないと思うけれど、中国の選手に及ばないだろう

193.03点

技術点が100点を行かなかったのは残念だ。
彼の勇気と、持てる力を全て出し尽くしたことを考えると、僕は100点を超える技術点が見たかった

M:300点は超えなかったけれど、彼のパーソナルベストに僅か0.11点届かない得点だった

<宇野昌磨選手>

A:超高難度のプログラムを滑るもう一人の選手
彼も積年のライバル、ジン・ボーヤンのおかげで爆発的に進化した一人だ

A:4ループ(笑)
宇野は猫だ
完全に軸がずれていたけれど、巧みに踏みとどまった

A:宇野昌磨はジン・ボーヤンの恐ろしい演技に対して答えを返して見せた
これは史上最高の大会になる
彼もフリーで200点、合計で300点を大幅に超えるだろう

M:一つ一つのエレメントと格闘するという点において彼は戦士だ
各エレメントに羽生のクオリティはないけれど、何が何でもコケないで踏みとどまる
日本のレジェンド、織田を彷彿させる膝技で

A:技術点120点は恐ろしい点数
演技構成点でも90点近い得点が出るだろう

M:今シーズン、彼は演技構成点で既に90点台を出している
91.36点に達した
勿論、羽生を抜くのは困難だろうけれど
ショートで羽生を6点リードしているけれど、技術点で既に6点差があるから
宇野に羽生と同じぐらいの演技構成点が出るとは思えない

A:僕もそう思う。
並外れた演技だったけれど、羽生の演技より劣っていたし

M:でも世界選手権の表彰台に相応しい演技だ

A:当然だ
残るはフェルナンデスだけ
ジン・ボーヤンは上回るだろう
技術点で既に彼を超えているし、間違いなくジン・ボーヤンより高い演技構成点に値する
91~92点は出るだろう

<ハビエル・フェルナンデス選手>

M:フェルナンデスは自分を超えなければならない
勝てる可能性はあるけれど、ミスは何も許されない

A:212点は彼の手が届く得点だけれど

M:何もミスは許されない

A:4サルコウで転倒・・・
彼にとって鍵となる瞬間だった
おそらく「さようなら、世界タイトル」と言った瞬間だろう

A:最後のスピン
技術点は98点には達するだろうけれど、不十分だ
つまり、昨年とはシナリオが逆になった

羽生結弦の大逆転

M:驚異的だ
同じシナリオが立場が逆転して再現された

A:2人のリンクメイト

M:でもフェルナンデスはこの大会で2位に入るにも、自己ベストを大幅に上回る必要があった
彼の自己ベストは314.93だ
だから宇野昌磨に対して4点、羽生結弦に対して7点足りない
彼にはそのことが分かっていた

A:でも彼のフリーの自己ベスト、つまり昨年のフリーなら優勝が可能だった
何故ならヘルシンキで滑ったようなショートをフェルナンデスはこれまで1度も滑ったことがなかったからだ
大きなリードがあったけれど、ミスは許されなかった
おそらく最後の3ループ程度の小さなミスぐらいなら許されたかもしれないけれど
残りは全て完璧に滑る必要があったが、彼には出来なかった

でも彼は戦ったし、彼を批判することは出来ない
非常に難しいプログラムだし、いずれにしても190点を超えるだろう
僕はこの2人の選手の最高レベルでのガチンコ対決が見てみたかったから残念だ

M:この大会は来シーズンの平昌オリンピックの前菜だ
このユーロスポーツチャンネルで独占放送する

A:来シーズンのオリンピックでは4回転ジャンプが乱射され、最後の血の一滴まで出し尽くす死闘が繰り広げられるだろう

今大会で羽生は恐るべき実力を証明してみせたけれど、演技中に構成を変更し、2度転倒しながらTES110点を獲得したネイサン・チェンの超絶技術も侮れない。
多くの選手がこのプログラムに考えさせられることになるだろう

M:羽生が4ルッツと4アクセルを練習しているのは偶然ではない
4ルッツは既に高い確率だ

A:192.14は表彰台に届かない恐れがある

M:合計301.19で僅かにジン・ボーヤンに及ばなかった
つまり4人の選手が300点越え

 

 

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マッシミリアーノさん・・・第一滑走の羽生君でこんなにボロボロ泣いちゃってまだ5人残っているのに大丈夫なのかな・・・と思ったけれど、その後はわりと冷静に実況していました(でも他の選手の実況をしながら「 We want 100 in PCS!」とかツイートしてたんだと思うとちょっと笑ってしまった)

そして実況中にサラッと爆弾発言・・・

ちなみに、羽生は練習では4アクセルを回り切って着氷している

shock2・・・そうなの???実際に見たの???
フォーラムの人はユヅをストーキング偵察するために清掃員か製氷係に変装してクリケットに潜入しているんじゃないかと・・・:stralol:

そしてアンジェロさんの予言が・・・

A:来シーズンのオリンピックでは4回転ジャンプが乱射され、最後の血の一滴まで出し尽くす死闘が繰り広げられるだろう

その辺の漫画よりよっぽどドラマチックな展開
少年漫画なら、さしずめ「地球編」、「宇宙編」が終わって、最終章「天界編」が始まるとかそんな感じ

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