イタリア解説EuroSport版「2017四大陸世界選手権より~樋口新葉FS」

女子フリーから
樋口新葉選手の演技の解説から印象的な部分を抜粋して訳しました

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実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)

(翻訳は抜粋・一部要約です)

(6分間練習)

M:樋口は途方もないポテンシャルがあり、傑出したスケーティングの質を持っているけれど今のところ安定した結果を出せていない

そしてしばしば議論の余地のある戦略によって足を引っ張られている

A:このことについては僕達も何度も議論してきた

幾つかの要因が組み合わさって今のところまだ覚醒していないし、最終的にこの少女のポテンシャルを考えれば期待外れな結果しか得られていない

勿論、安定感という点に関しては、実際に演技する彼女次第のところがあるけれど、戦略や選択肢という点においても彼女は助けられていないし、彼女が本領を発揮できる状況にも恵まれていない

M:その通りだ

手元にダイヤモンドの原石があるのに、そのままにしておく手はないだろう

A:スケーティングの質だけじゃなく、個々のエレメンツに関しても、綺麗に実施された時のクオリティは驚異的だ

M:僕はこのエピソードを紹介したい

何シーズンか前に遡らなければならないけれど、樋口はジュニア世界選手権でメドヴェデワと対戦した

勝ったのはメドヴェデワだったけれど、樋口のスピードは皆に衝撃を与えた

皆が日本の選手がスケーティングの質と滑らかさにおいてロシアの選手より優れていると強調した

その時2位になったのが、その後転落したサハノヴィッチだった

このことは樋口の価値を物語っている

翻訳すると彼女を別の場所に移すべきだ

今の場所に居たらずっと苦労する

日本スケート連盟ならこういう選択肢について、正しい判断を下すことが出来るだろう

どうしたらショートのソロジャンプをフリップに出来るんだ?

何の意味がある?

何てリスクだ?

なぜだ?

A:今回は運よく!だったけれど

M:なんでわざわざリスクを冒すんだ

厳しいジャッジだったらeがついて基礎点を失うことになる

ループなら彼女が軽々跳んで+2が付くジャンプだ

ループの前にステップを入れるのに問題があるとは思えない。

ループで行けばいいだろう

ループとフリップの基礎点の差はたった0.20だ

多くの選手が試合でループを選んで結果を出している

A:ロシアの選手は多くがショートにループを入れている

M:メドヴェデワ。

A:ラジオノワもだ

M:メドヴェデワの方が得点の損失は大きいよ

彼女はルッツの代わりにループだから

A:彼女はルッツのエッジが苦手だからね。

でもエラーを取られることはほとんどない

M:それにテクニカルコントローラーはエッジの問題があることが分かっている選手をより注意してチェックする。

樋口のフリップは既にマークされていているからジャッジはより注意してリプレイを見る。

!で済むこともあるけれど、eが付いても文句は言えない

 

(演技前)

M:彼女がクリーンにフリーを滑り切ったら現時点で130点以上の得点を出すことが出来る。

忘れないでもらいたいけれど非常に若い選手、2001年生まれで16歳になったばかりだ

A:多くの才能を輩出している日本のスケート界においても最も純度の高い才能の一つ

(演技後)

A:ジャンプが3本抜けてTES58点を持ち帰る

M:このことはこの少女のポテンシャルを示している

彼女のポテンシャルを特に顕著に表しているのが2本の3ルッツ/3トゥループのコンビネーションだ

1本は後半だった

ジャンプでミスしたのは体調の問題のせいだと思うけれど、いずれにしてもこの選手がシニアで与えるべきインパクトはこんなものじゃなかったはずだ

A:方向性を変えるべきなのは明らかだし、日本スケート連盟は選択肢を考えるべきだ。

でもどこに彼女の送り先を特定するのは簡単ではない

M:彼女はしばしばトロントでブライアン・オーサーの夏期コースに参加している

A:でもあのコースには大勢の選手が参加するから・・・

M:でも彼女は家を離れたくないみたいだから、移転は結局実現しなかった

別に日本に優れた学校がないという意味ではないけれど

A:勿論だ、だって彼らが育てたわけだから

M:でも選手の資質を磨いて開花させるための正しい判断を行うべきだ

勿論、オーサーの元に行った選手が必ずしも自動的にトップ選手になるとは限らない。

でも数字が明確に結果を示している

羽生とフェルナンデスだけじゃない

キム・ヨナも同じカテゴリーに分類される選手だ

それにオーサーに習い始めてから転機が訪れた選手は他にもいる

デールマンとか

それにクリケットクラブにはオーサーだけじゃなく、他にも大勢のスタッフがいる

勿論、日本にも優れた学校はあるけれど

でも僕は例えば樋口が京都に移住するというソリューションは正直お勧めできない

A:そうだね。

それに国内での移動は派閥という点から更に問題が多くなる

(キスクラ)

M:涙する彼女を見るのは辛い

彼女は本当にオリンピックで金メダルが獲れるポテンシャルを持つ選手だ

だからただの選手ではない

大勢いる選手の一人ではないんだ

天性の才能に恵まれているのに、適切なテクニカルスタッフによってサポートされていない

これは何もアンベージとドルフィーニだけの意見じゃない。

フィギュアスケートの関係者達が皆認めていることなんだ

樋口をここまで育てたコーチはよくやったと思う

でもここから更に先に進むためには新天地に行くべきだ

浅田もそうだった

得点についてはノーコメントだ

おそらく現時点では首位に立つだろうけれど、樋口が172点なんて正直僕は泣きたいよ

浅田も日本で一二を争う名門、山田門下にいたけれど、このままではダメだと判断して山田門下を離れ、海外のコーチについた

荒川も日本を出てから転機が訪れた

別に日本に優れた学校がないという訳ではない

日本にも優れた選手達を輩出している超一流の学校はある

でも彼女のような才能については、最善の進路を考慮してやるべきだ

勿論、ここからコンディションを上げていって、世界選手権で優勝出来れば僕達は満足だけど

だって彼女は有力な選手なのだから

 

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新葉ちゃん、ショートから明らかに本調子じゃなくて見ていて辛かったのですが、解説があまりにも熱かったので訳しました。

海外の解説者に将来をここまで本気で心配される新葉ちゃんの凄まじい才能
マッシミリアーノさんの方が日本スケ連の人より新葉ちゃんのことを
よっぽど親身になって心配してくれてそう

今大会は怪我明けで調整不足で、しかもおそらく体型の変化とかもあって今一番苦しい時期なのかもしれませんが、私もポテンシャルでは女子で一番だと思っているので何とか乗り越えて欲しい

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