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イタリア解説EuroSport版「2018ミラノ世界選手権~ハニュートーク」

~彼は台座の上にいて、他の選手は下から見上げるしかない~

深刻な羽生ロスのマッシミリアーノさん、羽生君不在のワールド実況でユヅル愛炸裂が止まらず

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)

<女子FS~第3グループの6分間練習から>

女子は上海五輪までの4年間もロシアの天下が続くだろうという話。

エレナさんが動画を上げてくれました!
Grazie Elena!💛

M:(ロシアの)ジュニアの選手達を見たら、クオリティにおいて他の国の選手達とは次元が全く違う。彼女達は熾烈な国内競争を勝ち抜いて頭角を現した選手達だ。

ロシアの12~13歳の少女達の試合を見ると、2アクセル2本+7トリプルに挑戦する選手が20人はいる。
そしてその内の16人が2アクセル2本+7トリプルを実際に成功させる。

それもクロスオーバーと助走とジャンプしかないプログラムではない
彼女達は非常に繋ぎの豊かなプログラムを滑る

この少女達は誰を見ながら育ったのか?

偉大な選手、羽生だ

練習で誰の真似をしようと試みるのか?

彼のような選手だ

ここにコストルナヤのように3アクセルを練習している選手がいる。でも彼女は長洲のように半時間の助走から跳ぶのではない。

A:難しいステップからリズムに合わせて跳んでいる

M:男子でもほとんど見られないレベルだ

3アクセルを難しい入り方から跳んでいるのは誰か?
羽生、宇野昌磨
でも3人目を挙げろと言われると言葉に詰まってしまう。
いると思う?他に誰も思い当たらない

A:コリヤダはブラケットから跳んでいるけれど、ほとんどコストルナヤより簡単なステップからだ。

M:そして技術的に可能になら、進化はより優れた選手の競争心から生まれる。
より優れた選手とは羽生のことだ

彼は台座の上にいて、他の選手は下から見上げるしかない

この「他の選手」にはコンプリートな選手である宇野昌磨も含まれる

今なら事実を話せる

片足が不自由な羽生は・・・だって実際にそういう状況だったわけだから
ポテンシャル50%のコンディションでオリンピック金メダルを勝ち取った

勝つために思い描いていた構成を封印し、ライバル達を打ち破った
だってオリンピックにおける彼の最終プランは4Tと4Sだった

A:4ルッツと4ループ無しでね

M:もし夏に彼に勧めていたら、一蹴されていたプランだ

ライバル達と比較して、羽生が誰かを理解してもらうためにこんな話をしている

つまり技術的に強いロシアの少女達は彼を見ている
彼女達のフリップの入り方は羽生のフリップの入り方を彷彿させる
彼は4トゥループもこの入り方から跳んでいる

そして3アクセルさえも彼の入り方を真似ようとしている

コストルナヤの3アクセルを見て欲しい
勿論、羽生の入り方とは違うけれど、非常に難しい入り方だ

若干13歳の少女がだ

☆コストルナヤ選手の驚異的な3アクセル

 

<男子FS~田中刑事選手の演技後>

リプレイを見ながらジャンプや演技を詳しく解説するという本来の仕事を完全に放棄し、得点が表示されるまでひたすら羽生君について語り続けるマッシミリアーノさん・・・

M:田中は羽生と同い年だ。
今大会不在の日本人選手だけれど

二度のオリンピック金メダリスト、2度の世界王者
史上最強の選手の一人、いやおそらく史上最強だろう

複雑な話だ。

つまり単なる勝利云々を超えて、「羽生出現」によってフィギュアスケートがどんな風に変化したかを分析しなければならない。そして僕達は羽生出現の余波をまだ見ていない。
これからの4年間、羽生を手本にしている少女達が見せてくれるだろう。

A:間違いなく彼はこの競技に多大な影響を与えた。

M:勘違いしないで欲しいけれど、「羽生を手本にする」というのは4回転ジャンプを跳ぶという意味ではない。ジャンプへのアプローチ、つまり羽生のジャンプへの入り方を手本にしているという意味だ。

彼はジャンプを単なる3回転、または4回転以上のものに昇華した
ジャンプの入りと出に様々なものを追加して

僕が親近感を持っている競技スキージャンプに例えてみよう。
他の選手達が、両手が自由な状態で飛ぶのに対し、シャンパングラスを乗せたお盆を持って200メートルを飛ぶようなものだ
羽生がどんな存在かイメージしてもらうためにこんな例えを出したんだけれど

A:的確な例えだね

M:大袈裟だと思う?

A:そんなことはない。
実際、彼は超高難度のジャンプを過去に前例のない非常に難しい入り方から跳んでいる
僕はいつもこのバックカウンターからの3アクセルについて考えるんだけれど、勿論、これだけではない
そして男子選手達も皆、彼のこのスタイルを真似ようとしている

M:彼が道を切り開いたのは明らかだ

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今大会はどの選手もオリンピック後のメンタル的にも肉体的にも疲労がピークに達した状態で本当に最後までよく頑張ったと思います。個人的に新葉ちゃんの神ボンドに一番感動しましたが、ミスがあっても最後まで崩れなかった知子ちゃん、いきなり代役に指名され、初出場と枠取りのプレッシャーの中、ほぼパーフェクトな演技で世界選手権デビューを果たした友野一希君、万全ではないコンディションにも拘わらず執念で最後まで滑り切り、3枠を死守した宇野昌磨君に心から拍手を送りたい。
日本人選手の皆さん、本当にお疲れ様でした!

でも羽生君の不在は想像以上に重く、大会全体に影響を与えていたような印象を受けました。
昨シーズンからあれほど「ユヅル、ミラノに来て来て」アピールを続けていた大会主催者の失望は相当なものだったのでしょう
マッシミリアーノさん達は実況中にハニューハニューを連呼するし、会場にはなぜか大きなプーさんが幾つも展示されているし、羽生結弦の幻影がチラチラ見えるというか、「We miss You, YUZURU HANYU!!!😭😭😭」感がダダ洩れの大会でした。

EDEAブース前の巨大な羽生君パネル
2018WC_Edea3

プログラムの選手紹介でも真っ先にYuzuru Hanyu
2018WC_book

ミラノの地下鉄構内や高速特急Frecciarossa車内のスクリーンでも頻繁にミラノワールドのプロモーションビデオが流れていましたが、男子は今大会不在の羽生君とハビしか出てこない(女子はカロリーナとメドちゃん)

ミラノ世界選手権プロモーションビデオ

 

ガゼッタ・デッロ・スポルト紙は心待ちにしていた地元開催の世界選手権で女子も男子も自爆大会になったしまったことに相当ガッカリしたのか、かなり辛口
女子の記事では圧巻のフリー演技で金銀だったケイトリンと新葉ちゃんの写真ではなく、カロリーナ、アリーナ、さっとんの転倒シーンの写真を並べて掲載

男子の記事では優勝のネイサンについては6本のクワドを降りた、イヴァン・ライサチェク以来のアメリカ人世界チャンピオン、2位と47.63点差は主要大会(ワールド、GPF、ユーロ、四大陸)における史上最高の点差と紹介するだけに留め、最終グループのその他の選手達については転倒回数と最終順位だけ記載。そして「未だかつて見たことがないほど転倒だらけの試合だった」と

記者はいつものアンドレアさんですが、修辞の限りを尽くして羽生君を褒め称えた平昌男子フリーの感動的な記事「羽生、日本からやってきたスケート靴を履いた芸術」とはテンションも熱量も思い入れも文章のクオリティもあまりにも違い過ぎて同じ筆者が書いたとは思えない・・・
(ちなみに今日のガゼッタのウィンタースポーツ欄で写真入りで一番大きく取り上げられていたのは高梨沙羅ちゃんのW杯史上最多54勝でした)

★明らかに羽生君に入れ込んでいるガゼッタ紙のこれまでの名記事

☆転倒して優勝を逃しても「天使ユヅル・ハニューが落下した」と表現される

今日はエキシが行われます!
素晴らしい演技が見られますように・・・

樋口新葉ちゃんの演技解説は追って翻訳していきたいと思います。

Published by Nymphea

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち