取り留めのないことを徒然と・・・

7月末に帰国し、ほぼ1ヵ月の日本滞在の後、先日イタリアに戻ってきました。

今年のヨーロッパは、スペインで山火事が発生するほど異常な暑さで、出発前は連日40度近い酷暑でしたが、もうすっかり秋の気配で、日差しはまだ強いものの、湿度のない爽やかな空気が心地よいです。

経由地のヘルシンキは何と4℃でした!外気に触れたのはエアポートバスを降りて、飛行機のタラップを上るまでの一瞬でしたが、半袖に薄手のパーカー、素足にサンダルという軽装でしたから、もの凄く寒かったです!🥶
この地で見た完璧なホープ&レガシーを追想しながら、飛行機の小窓から遠ざかるフィンランドの海を眺めました。

今年のお正月はオミクロン株のせいで、日本などは海外在住の日本人は帰ってくるな的な空気でしたから帰国を諦めましたが、この夏は何としても帰りたいと思っていました。実は私も6月末にコロナに感染しています。合気道をやっていて、お稽古で人と触れ合うので、念のために検査をして陽性が判明しましたが、そうでなければちょっと風邪気味かな?で済ませる程度の症状でした。7日後にはもう陰性で、医者も薬も必要ありませんでした。近日会うことになっていた人達には知らせましたが、今頃では私の周りでも感染したことがない人の方が少ないぐらいですから、「コロナに罹っちゃった」と報告しても、「あら、大丈夫?私も先月罹ったけど、Brufen(鎮静剤)を飲んで、安静にしていたらじきに治るわよ」という反応で、一時期のような深刻な空気はありません。
イタリアはすっかり「ワクチンさえ打っていればコロナはただの風邪」という風潮で、ほぼコロナ前の生活に元ったと言えます。

昨年帰国した時は、空港到着後、書類だのアプリだのをチェックする「関所」が何箇所もあり、PCR検査の陰性結果が出て、無事入国出来るまでに2時間ほどかかりましたが、今回はMy SOSというアプリでワクチン証明や陰性証明等の必要書類をアップロードし、事前に入国前審査を済ませておけば、スマホで審査済み画面を提示するだけで拍子抜けするほど早く簡単に入国出来ました。

実家に着いて落ち着いたら、まず雪肌精の化粧水を買いました!使い初めて1か月が経ちますが、何だかすごく美肌になった、気がします🤣

その後は、羽生君の公式チャンネル開設があり、SharePracticeがあり、狂喜乱舞する各メディアのアウトプットは凄まじく、怒涛のような情報量で未だに全部追い切れていません。通常なら砂漠のこの時期に何て嬉しい恵みの洪水でしょう!

しかし、スポーツ新聞が男性アスリートの写真特集を組んだり、ポスターのような美写真を紙面全体にドカンと掲載したりするのは、羽生君が初めてではないですか?
各社のエースカメラマンが美しいショットを競い合うように公開し、ちょっとした芸術写真コンテストのようでした。オリンピックでも世界選手権でもなく、いわゆるオフシーズンだというのに。

インタビュー全文書き起こしも羽生君によって生まれ、定着した手法です。これほど雄弁で、一言も聞き漏らしてなるものかと思わせるフィギュアスケーターは彼以前はいませんでした。
頭の回転が速く、ビックリ箱のように何が出てくるか分からない羽生結弦は取材する側からしたら、非常に刺激的で面白い取材対象です。各局のインタビュアーは、他社が聞き出せなかった特別な一言を聞き出そうと、知恵を絞って質問を考えるのでしょう。

先日、テレ東がインタビューの「ほぼ」ノーカット動画を公開しましたが、以前、確かフジテレビだったか、ノーカット完全版であることを証明するために、タイムコードを表示してインタビューを放送したことがありました。こういうのも、羽生君によって誕生したいわゆる「羽生需要」だと思います。羽生結弦は競技だけでなく、スポーツ選手の報道の在り方も変革したアスリートなのです。

そして、こうして作成されたコンテンツは、飛ぶように売れるのですから、メディアは笑いが止まらないでしょう。思えば、羽生人気によって、グランプリシリーズは勿論、それまで一般の視聴者には馴染みのなかったチャレンジャーシリーズのオータムクラシックまで大々的に報道されるようになりました(私自身、羽生君を知るまでは、グランプリはNHK杯しか認知しておらず、全部で6大会あって優秀者がファイナルに進める、という仕組みも知りませんでした。勿論、チャレンジャーシリーズは全く知りませんでした)。一人のスター選手によって競技自体にも注目が集まり、メディアに大々的に取り上げられることによって、そのスポーツがお茶の間に浸透し、知名度と人気がますます上がるという好循環の典型です。

しかし、その逆も然り。その典型だと思うのが、近年におけるイタリアのサッカーです。
イタリアと言えば、昔からサッカー以外スポーツじゃないサッカー大国です。2006年のドイツW杯で優勝した頃は、イタリアサッカー史上、何度目が分からない黄金時代でした。しかし、当時のスター選手が次々に引退した後、国内のサッカー人気は低迷し、未だに回復出来ずにいます。最近ではユヴェントスやACミランなどの名門クラブもUEFAチャンピオンズリーグで全く優勝出来なくなり、国民のセリエAに対する関心は薄れ、資金繰りの悪化によってスター選手や有力選手を獲得出来ず、結果ますます勝てなくなり、ファン離れとスポンサー離れが加速する、という悪循環に陥っています。

イタリアのナショナルチームと言えば、昨年のUEFAユーロで優勝し、ロックダウンの辛い時期を乗り越えた後の勝利だっただけに、イタリア中が歓喜・感動しました。
この勝利がセリエA人気回復の起爆剤になることが期待されましたが、一時的に盛り上がっただけ。今年開催のFIFAワールドカップは予選落ち、予選敗退が決まった試合後の選手達の態度の悪さも非難の的となり、ユーロ優勝によるお祭は完全に終了し、新規ファンの獲得や人気回復には繋がりませんでした。

黄金期だった頃との決定的な違いはスター選手の不在です。ドイツW杯の頃のイタリアチームには、デル・ピエロ、インザーギ、ネスタ、カンナヴァーロ、トッティなど、容姿と実力を兼ね備えたスター選手が揃っていました。W杯開催中、日本のどこかのメディアが、W杯イケメン特集なるものを組んでいましたが、Cロナウド、カカ、サンタ・クルス・・・と個人名が並ぶ中、「イタリアチーム」とイタリアの選手だけはチームで取り上げられていました。そして、その説明が「イタリアチームは誰を取っても、とにかくイケメン、国歌斉唱は壮観」というような内容で思わず笑ってしまったのを覚えています。
しかも、イケメンなだけでなく、プレーも華麗で華があり、各選手には純粋なサッカーファンに加え、熱烈な女性ファンが多数付いていました。
一方、現在のイタリアチームは非常に地味、そして個の印象が薄い。ドイツW杯の頃に比べると、女性ファンは激減しています。コアなサッカーファンからしたら、イケメン選手にキャーキャー騒ぐ女性ファンはミーハーで邪道なのかもしれませんが、クラブにとってはチームの人気を支える貴重なファン層なのです。

そして、羽生君の場合、演技を見て、「美しい!」「カッコいい!」が入り口でも、彼に興味を持ち、詳しく調べるにつれて、如何なる逆境にも屈せず闘い続ける不屈の精神、被災地への貢献、スケートへの献身、謙虚な姿勢といった彼の人間性や生き方にも魅了され、気が付けば沼底、というというパターンが圧倒的に多いのです。北京五輪の後に爆増しているという南米のBaby Fanyuがまさにそれです。

羽生君は華麗にプロアスリートに転身し、まさに順風満帆という感じですが、羽生結弦という大スターと巨大なファンダムを失ったスケート競技界は、今後どうなるのだろうかと考えた時、イタリアサッカーのかつての黄金期と、現在の凋落ぶりが頭を過りました。
メジャースポーツでイタリアでは国技のようなサッカーでさえ、スター選手がいなければ衰退するのだから、元々マイナースポーツだったフィギュアスケートでは状況はもっと深刻でしょう。まあ、もうどうでもいいことですが・・・

脱線が長くなりましたが、日本の話に戻すと、今回は幸運にも仕事で仙台に行く機会に恵まれました。

ちょうど仙台育英が優勝した直後でしたので、仙台駅には祝福の横断幕が!

東北の高校が優勝したのは、甲子園史上初の快挙なんですね。
初の白河の関越えとか。本当におめでとうございます!

日帰りだったので、色々見て回る時間はあまりありませんでしたが、ここだけは外せませんでした!

この日、仙台は朝から大雨の悪天候で、仕事を終えて仙台駅に戻ってきた時は、まだどんより曇り空でしたが、地下鉄の国際センター駅に着いて地上に上がったら、太陽が出ていました!

雨上がりの陽光を浴びて光り輝くモニュメント

羽生君が歓迎してくれている!😍と思うことにしました。😌

そして帰国中の一番のプレゼントは、イタリアに戻る前に、本当にギリギリで24時間テレビのロンドカプリツィオーゾを実家のテレビで見られたことです。
あの夢のように美しい演技をテレビの大画面で鑑賞出来たのは感動でした。
照明も幻想的で、ゴッホの名画「ローヌ川の星月夜」を引き合いに出している人がいました。

羽生君を名画と並べたくなる気持ちは分かります!

私もかつて並べたことが

こんなのも

画像を見つけられませんでしたが、前に海外ファンが作ったボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」のヴィーナスを羽生君に差し替えたコラを見たことがあります。注)服はちゃんと着てました。

ここに混じって違和感がないって凄いですよね。

日本滞在中の雑感を少し書くつもりが、サッカーの話にまで脱線したせいで、収拾のつかない内容になってしまいました。取り留めのないおしゃべりはこのくらいにして、日本で購入したNumberなどの雑誌をじっくり読みたいと思います・・・

Published by Nymphea

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち