著作権と著作隣接権

プロアスリートとして精力的に活動し続ける羽生君ですが、YouTube公式チャンネルに演技動画を公開する場合、使用楽曲の版権問題が難しいとスポーツ報知のインタビューで話していましたので、楽曲を使用する際に問題になる著作権と著作隣接権について考察してみました。

作品の著作権の保護期間は国によって異なりますが、欧米及び殆どの国で作曲者(著作者)の没後70年と定められています。つまり2024年現在、没年が1954年以前の作曲家の作品には著作権は発生しないことになります。

こちらのサイトに著作権の切れた作曲家、および著作権保護期間が有効な作曲家の一覧がまとめられています:

著作権の保護期間がわかる作曲家一覧

プロコフィエフまでは著作権が切れています。一方、「火の鳥」や「春の祭典」のストラヴィンスキーはまだ著作権保護期間中なのですね。

楽曲を使用する場合、著作権だけではなく、著作隣接権を考慮しなければなりません。
著作隣接権とは、実演者(演奏者)やレコード製作者(最初に録音されたレコード、CD、DVDの製作者)が所有する権利で、こちらも法域によって異なりますが、日本では実演時または録音時の翌年から70年と定められていますので、録音されたのが1954年以前なら著作隣接権は発生しないことになります。

例えば、羽生君が過去に使用したプログラム楽曲では、セルゲイ・ラフマニノフ(1943年没)作曲のパガニーニの主題による狂詩曲、アレクサンドル・スクリャービン(1915年没)作曲の練習曲第12番「悲愴」、フレデリック・ショパン(1949年)作曲のバラード第1番、カミーユ・サン=サーンス(1921年没)の序奏とロンド・カプリチオーソは著作権は切れていますが、演奏者による著作隣接権は有効です(悲愴はマキシム、ショパンのバラードはツィマーマン、序奏とロンド・カプリチオーソは清塚信也さん、パガニーニの主題による狂詩曲の演奏者は分かりませんが1954年以前に録音されたものとは考えにくい)

前世紀最高、巨匠、天才と評され、1954年以前に録音された楽曲が入手可能な実演者として私が思いつくのは:

ピアニスト🎹
グレン・グールド(1932‐1982)バッハの作品を新解釈した革新的な演奏によってクラシック界に革命を起こした

ウラディミール・ホロヴィッツ(1903‐1989)史上最も偉大なピアニストの一人とみなされている

サンソン・フランソワ(1924‐1970)フランスを代表するピアニストで特にショパン、ドビュッシー、ラヴェルの演奏で有名

アルトゥール・ルービンシュタイン(1887‐1982)ショパンの演奏では同時代の最も優れたピアニストであるとみなされている

ヴィルヘルム・ケンプ(1895‐1991)個人的に彼のベートーヴェンのピアノソナタは史上最高

ヴァイオリニスト🎻

ヤッシャ・ハイフェッツ(1901‐1987)20世紀を代表するヴァイオリニストであり、「ヴァイオリニストの王」と称された。

指揮者🪄

ヘルベルト・フォン・カラヤン(1909‐1989)20世紀のクラシック音楽界において最も著名な人物のひとりで、その独自の音楽性と自己演出は「魔術師カラヤン」「カラヤン美学」などと謳われ時代の寵児にもなった。

こちらのサイトに著作隣接権の切れた演奏がまとめられています:

Blue Sky Label

こちらは著作隣接権の切れた楽曲をまとめたYouTubeチャンネル

クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

また作曲家自身が演奏している貴重な録音も存在します

ラフマニノフ演奏パガニーニの主題による狂詩曲(1934年録音)

スクリャービン演奏エチュード「悲愴」他

プロになってから、羽生君はゲーム音楽等、これまでにないジャンルの楽曲を使用していて、それはそれで非常に斬新で素晴らしい試みだと思いますし、「いつか終わる夢」、「破壊への使者」、「エストポリス伝記II」など、羽生君のおかげで知り、好きになった楽曲は多々ありますが、時にはまたクラシック曲でも滑って欲しいなあ、と思っています。

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Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu