ユヅリーテ達の雑談の中から、面白かった会話をご紹介します。
イタリア羽生結弦フォーラムより
<スピッチーネ姉妹の計画>
「しばらく不在にしていてごめんなさい。でも私と妹は2018年オリンピックの男子シングルの試合を公費で観戦出来る極めて巧妙なプランを画策していて、今までかかったの。
カーリングのイタリアチームとして出場資格を得ればいいのよ!完璧なアイデアだと思わない?
年齢を問わずに競技出来るし、選手達のエリアに自由に出入り出来る(つまり誰も私達のささやかなユヅ・ストーキングを邪魔することは出来ない!)。そして選手専用の座席で試合を観戦出来る(当然だけれど、万が一、私達の試合が同じ日に重なったら、全員病気だと言うのよ)。
後はクリニックのチームを結成するだけよ。イタリアの僅かなライバル達を片付ければ、晴れてオリンピック出場だわ!つまり決まったも同然よ!!
親愛なる入院患者の皆さん、申し込み受付は明日からよ。でも当然定員があるから、急いでね!
追伸: 申し込みの際には1回分の追加ステッポセクエンツィーナを支給!」
「スピッチーネ、ファンタスティコなアイデアだわ!!すぐに申し込むわよ!!!」
「私も喜んでチームに入るわ。練習は何時から始まるの?」
「私は運動神経についてはゼロだけれど、カーリングチームには広報スタッフとか荷物持ちとか、選手のために魔法瓶やハンカチや靴下を用意する世話役マネージャーが必要でしょう?
この役目は私が引き受けたわ!これで2018年オリンピックのチケットは確保出来たわね!」
「パット、あなたの言う通りね。でも彼女達をあまり甘やかせたらだめよ。みんな怠けるから。じゃあ、お言葉に甘えて新しい仕事を依頼するわね。まだユニフォームがないのよ。私は上質のフランネルがいいと思うだけど」
「スピッチーネ、あなたとあなたの妹の悪魔的な頭脳からはいつも天才的なアイデアが生み出されるわね!!!
勿論すぐ申し込むわよ(それに試合が重なってしまった場合には、私の存在が必要不可欠になるんだから)!
何よりもパットの負担を軽くするために道具は私が持って行くわね。
ストーン
ブラシ
自主敗退したい場合にはこのストーン
☆イタリアではフクロウは不吉な動物とされ、誰かの不幸や失敗を願う時、Gufare(ホーホーと鳴く)と言うので
こんな風にオーガナイズすべきだと思うの:
- もしカーリングとフィギュアスケートの試合の日程が重なっている場合には、1回戦で敗退するように仕向ける。そうすれば後は自由に好きな所に行けるわ。
- もしカーリングとフィギュアスケートの試合の日程が離れていたら、この際、金メダルを目指して頑張りましょう!
だってほら、オリンピックチャンピオン同士にはある種のフィーリングが生まれるでしょう・・・もしかしたらバンケで一緒になるかもしれないし。
そうなったら私達がどうやってこれほど上手に氷上を掃けるようになったか質問攻めさせれば、ここから永遠の友情が生まれるかもしれない!!!
準備は出来たわ。さあ、練習を開始しましょう!!!! 」
「プルーメ、あなたは天才だわ!これで金メダルとマウロット(コフトゥン選手のあだ名)とのツーショット写真はあなたのものよ」
「プルーメ、どうやらやる気満々のようね!セルフ・フクロウはいいアイデアだと思うわ。確かにあなたの存在は必要不可欠だし、既に完璧な戦略を考案したようね!!!
ユヅはカーリングの五輪女王達の魅力に抗えないはずよ!!!」
<ユヅのクワド>
「4回転ジャンプについてだけれど、日本のメディアが揃いも揃って4回転ジャンプの話題にばかり固執して、(一部のごく僅かな例外は別として)ユヅの傑出したスケーティングスキルに触れるジャーナリストがほとんどいないのは不満だわ。
私は2015年GPFのフリーで4トゥループの前のトランジションに開いた口が塞がらなくなったのを今でもよく覚えているわ。
あのスクワットイーグル、しかもジャンプの出で更に加速していた。
これと、例えばショパンの冒頭、たった一押しとクロスオーバー1回でリンクの半分まで進む能力は、彼のスケーティングスキルが如何に驚異的かを物語っているわ。
本当に・・・恐るべき能力よ」
「全文同意!彼の能力は単なる4回転ジャンプの遥か上にあって、彼のプログラムはジャンプだけでなく、1つ1つのディテールまで評価されるべき高価な宝石なのよ」
「全くその通りね。ユヅはクワドだけじゃない。彼がクワドを跳ぶまでに何をしているか、各ジャンプの前後に複雑なパッセージが盛り込まれ、思いがけないところで不意にジャンプを跳ぶ。全てがプログラムに素晴らしい効果を与えている。
彼は完璧に音楽と同調している、それどころか彼自身が音楽なのよ。彼の身体が全てのフレーズを際立たせ、身体のあらゆる動きが絶妙なタイミングで実施され、時として彼がスケート靴を履いていることを忘れてしまう・・・まるでバレエダンサーのよう」
「ブルー、あなたの意見に大賛成よ。ユヅの素晴しさは一見簡単そうに跳んでしまう彼の4回転ジャンプだけではなく、リンクがまるで彼の自然生息地のように見えることよ。
彼は滑るのではない、思い通りのあらゆることをしているのよ。表現し、楽しみ、観客と戯れ、物語る。でも滑っているのではない。だって全てがあまりにも自然で彼には考える必要すらないように見えるのだもの。
これこそがユヅとその他全てのスケーター達の差なのよ。そしてこれが私達が『スケーティングスキル』と呼んでいるものなのよ」
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☆カーリングで五輪出場を目指すって、凄いアイデアですね。イタリアのカーリング人口はどれぐらいなんでしょうか・・・
このスピッチーネさんはスケートの先生で、春に彼女が働くスケートクラブで発表会があった時に、教え子の12歳の少女が「曲はSEIMEIにしたい」と主張し、幾らなんでも難しいから止めなさいと断念させるのが大変だったとか。
ちなみに振付けはスピッチーネさんの担当だったそうで、本当にSEIMEIになったらどうしようと思ったそうです。
で、SEIMEIを諦めるよう何とか説得し、最終的にアダムスファミリーになったそうです。
それにしてもイタリアの12歳のスケート少女に西洋人には馴染のない純和風音楽『SEIMEI』を滑りたいと言わせるとは!
それほどインパクトの強い魅力的なプログラムだったんですね。