男子ショートの放送から羽生選手の演技とそれ以外の羽生君成分です。
実況:マッシミリアーノ・アンベージ
解説:アンジェロ・ドルフィーニ
<ジェーソン・ブラウン選手の演技後、ウォームアップ中の羽生選手の映像>
マ:ウォームアップに集中している羽生結弦
このワールドで皆が最も待ち望んでいる選手だ。彼については後でゆっくり話すけれど
彼はまさにディーヴォ(男神と言う意味。スーパースターと言う意味もある)だね。彼自身はアンチディーヴォ(スターとかそういう考えに反対)のようなけれどね
ア:(笑)そうだね、強い個性、才能・・・
マ:過剰なまでの才能・・・
ア:その通り、だから嫌でも皆のシンボル的存在になってしまう(笑)。彼はフィギュアスケート界のカリスマだ。
<羽生選手の演技前>
マ:さあ、次はこの大会、(コンディションが)最も謎に包まれている選手の登場です。
羽生結弦、彼についての説明はいらないでしょう。出場しなかった四大陸以外の全大会の現タイトル保持者。
2014年の全日本を制覇した後、手術を受け、1月末にねん挫、このためブライアン・オーサーと一緒に練習することが全く出来ず、このワールドでコーチに再会した。
ア:ここ上海でね。まさにこの理由からシーズン序盤にプランしていた後半4回転という構成で滑ることは出来なかった。
マ:来年挑戦するだろう。
<演技後>
マ:興味深いね。冒頭の4Tのミスからすぐに立て直し、最後の30秒では解き放たれたように弾けて、おそらく表現において今までで最高の羽生を見ることが出来た。
リンクにはあらゆるものが投げ込まれてるね、いつものことだけれど(アンジェロさん大笑い)。
彼はフィギュアスケート界最大なスーパースターだ。どこへ行ってもまるで既に勝利を収めた伝説の男のように歓迎される。
ア:ぬいぐるみ、花・・・あらゆる種類のプレゼントで氷が覆い尽くされている。驚異的だね。
コフトゥンの演技の前に片づけるのにどれだけ時間がかかるだろう??(笑)
4Tは残念だったね。入りは悪くなかったけれど、彼が万全なコンディションじゃないのは明白だ。
いずれにしても技術的に非常にハイレベルなプログラムだ。後半に質の高い3A。満足の行く出来だった。いい演技だった。
勿論、ベストの羽生じゃないけれど、ベストからそれほど遠くもない。
マ:さあ(笑)、おそらく彼は80%のコンディションなんだろう。でもそれでも(勝つには)十分なんだろうけどね。
技術点についてだけれど、4Tでミスがあったにも関わらずフェルナンデスとほぼ同じか、あるいは彼の上を行くだろう。
なぜ羽生が上を行くのか、それはGOEで多くの加点を稼ぐからだ。
(スロー映像を見ながら)
(4T)ここはよく転倒しなかった。織田スタイルの膝バネで持ちこたえた(笑)
ア:限りになく転倒に近いステップアウトだったけれど、ジャッジはどう判断するだろう
(トリプルアクセル)これは素晴らしいジャンプ。完璧な離氷、完璧な着氷、すぐにイーグルに入っている
マ:ハハハ、僕は入りのステップの難しさについて語りたいんだけれど(笑)
ア:こんな離れ業が出来るのは彼だけだ
マ:ちなみにトリプルアクセルの前のステップは必須要素じゃない(笑)、彼がやる。
ア:そう、彼はやる。何故ならGOEが稼げるから。
それに今回は、これまでしばしば問題のあった3Lz-3Tも決めた
マ:特に今シーズンね
ア:特にルッツ
マ:彼の弱点だった。実際、コンビネーションの後、解き放たれたように弾けた。表情も明らかにリラックスし、氷上の動きも柔らかくなり、素晴らしい表現と演技が爆発した。
ア:彼はここまで最悪の状態だった日本チームを救ったね。
マ:そうだね、日本人で一番上位の選手が小塚で19位に終わる可能性がある
ア:日出る国のチームにしては異常な事態だよね。勿論、町田の引退と(ジュニアワールドの出場を優先した)宇野の選択によってより戦力のあるメンバーで来れなかったというのもあるけれど
マ:コンポーネンツでフェルナンデスを上回ると思う?
ア:おそらく。通常彼のほうが高いPCSを稼ぐ。ハビは44.11と言う高得点を出した。
マ:ユヅルの今季最高PCSは44.42。大惨事があったまさにここ、上海で得た得点だ。
ア:ハンヤンとの衝突事故があった。でもフリー直前のことだけどね。まあ、ショートもいい出来ではなかったけれどね。
マ:95.20点。技術点1位、コンポーネンツも全ての項目で最高点を獲得した。足し算してみて下さい。
いずれにしても彼が1位だ。
羽生は『今』に応える。
<この日のツボ>
(第4グループの6分間練習)
マ:ここまでは途方のない試合になった。現時点の技術点トップはエリザヴェータ・トゥクタミシェワ(笑)
ア:彼女はこの試合に出場出来たね。
マ:余裕でフリーに進めたと思うよ。
☆ リーザのTESは、ジェーソン・ブラウンとほぼ一緒・・・改めて凄いですね!