イタリア解説EuroSport版「2013エリックボンパール杯ダイジェスト~羽生結弦FS」

再び2013年エリックボンパール杯の映像から
大会翌日に上位選手の演技を分析・解説するダイジェストより羽生結弦選手のフリーの演技です。
イーグル→カウンターからの3A-2Tに0をつけたジャッジに言及しています。
暗にクビにすべきだとw

印象的な部分を抜粋します

エレナさんの動画です。いつもありがとう!
Grazie Elena💛!

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)

 

A: 僕達がシーズン序盤から強調しているように、彼は非常に野心的なプログラムを披露している。
ベストな出来ではなかったけれど、彼のコンディションがどれだけ上がってきているか、このプログラムがどれほど洗練されてきたかを観察して欲しい。
シーズン最初の大会と比べると断然進化しており、スピードも上がった。

M:いずれにしてもクワド2本、トリプル8本の構成だ

A:最初の4サルコウは上手く行かずシングルになってしまった
4トゥループは回り切ったけれど転倒した。
だから本来なら30点近く稼げるはずの冒頭では僅かな点しか持ち帰れなかった。
しかしその後の3フリップから彼は全くミスをしなかった。

A:とりわけこのクオリティが素晴らしかった
3アクセル/3トゥループ

M:でも次の方がもっと良かった(笑)

A:次のジャンプの難しい入り方を見てもらおう
さあ見て下さい

M:注意して欲しいけれど、入りはイーグルではない(笑)

A:イーグル、そしてカウンターを入れて3アクセル
衝撃的だ(笑)
両手を上げた2トゥループを付けてね

M:どうやったらこれに+3以外の点を出せるんだ

みんな+3を出した?
チェックしてみよう?

A:3ループも良かった

M:0を付けたジャッジが1人いる

A:(苦笑)・・・そうだね・・・
そのジャッジの釈明を是非訊いてみたいね

M:いや、(釈明するのは)やめた方がいいだろう
免職に発展するかもしれない

A:(爆笑)

3ルッツ/ループ/3サルコウ
このコンビネーションは今や基礎点の高いプログラム構成では必要不可欠な要素になった。

最後のルッツも素晴らしかった。
彼のルッツは飛距離が非常に長い

 

A:いずれにしても非常に説得力のある演技だった。
得点に関しても90点近い技術点だった

(プロトコルで3A-2Tを)見直しているけれど、ジャッジ1人が0点、他のジャッジは全員+2を付けている。でも僕はあの3アクセルには+2でも間違いだと思う(笑)

M:君の意見に賛成だ
前のスケートカナダと比べて違いが顕著だったのは、羽生のスタミナだ。
後半の全ての3ジャンプが綺麗に決まり、しかも軽々と跳んでいた。

このプログラムの物語を生きていること、それが可能なコンディションであることを披露し、トランジションのパッセージも追加した。つまりベストなコンディションに達しつつある。

クワドだけが足りなかった

A:その通り。これで大量の得点を失った。パトリックとはタイプが異なるけれど、これもTES100点に達するプログラム、それが事実だ
だって今回(クワドのミスで)15点近く失っている
A:このプログラムは飛躍的に進化したと僕は思う。
君の言うように、トランジションが豊かになり、より説得力があり、より複雑で、より伸びやかで、最後の最後までよりスピードのあるスケーティング
演技構成点は(スケカナに比べて)上がったけれど、僕は正直もっと高いと思った。

(3A-2Tのスロー映像)

A:これが3アクセルだ
どうやったらこんなことが出来るのが、正直僕には分からない

M:前例のないタイプだ

A:ないね、絶対に

それにひとつ言わせてもらうけれど、パトリックの3アクセルを見てみると、確かに素晴らしい出来だったけれど、難しい要素から跳んでいないし、コンビネーションでもないのに+3を幾つか獲得している。
これはまさに理解不可能な評価だと僕は思う。

M:女子ではイーグルからの2アクセルをよく見るけれど、イーグル→カウンターからは見たことがない。それにトリプルじゃなくてダブルだし

A:イーグルからの3アクセルは何度か見たことがある
ガチンスキーとか
でもイーグル→カウンターからの方が議論の余地なく断然難しいし、おそらく存在し得る最も難しい入り方で、単独ジャンプでもこのような3アクセルには+3を与えるべきだ。

☆本ブログに掲載されている翻訳のあらゆる形式での複製(読み上げによる音声での再現、テキスト動画、印刷物などが含まれますがこれに限定されません)、全文の無断転載、濫用、Youtube等の他のメディアでの使用は固くお断り致します。翻訳の一部を転載または引用する場合には、必ず出典を明記し、当ブログの掲載ページのリンクを貼って頂きますようお願い致します。

**********************************

☆今、羽生結弦展で購入した「夢を生きる」を読んでいるのですが、カウンターからの3アクセル、最初に入れ始めた2011-2012年シーズンのGOEは+1とか+2だったんですね。
マッシミリアーノさん達はこの頃からのこの驚異的な入りの3アクセルについて試合の度に言及していて+3のジャンプだと言っていました。
イーグルサンドの3Aはすぐに+3満点が付いたのに、カウンターからの3アクセルに+3を付けないジャッジがいることについて、アンジェロさんはスケート経験のない元スケーターではないジャッジもいるし、カウンターからアクセルを跳ぶことがどれほど難しいか理解出来ていないんじゃないか、というか羽生君がやっていることがあまりにも異次元過ぎてジャッジの知識が付いていけていないのではと(しかも彼がやるとものすごく簡単そうに見える)

3アクセルの基礎点は8.5から8点に下がりましたが、GOE+5(実質加点+4)が付くと12点になるわけで、ルール改正前の満点11.5より点高い。

クワドの繰り返しが1種類に制限されましたが、後半にクワド並みの高得点を稼げる3アクセル2本を入れられる羽生君にはむしろ有利になるのでは(後半でGOE満点なら3アクセルだけで13.2点)。
でも後半ボーナスが最後の3要素だけになってしまったので、終盤怒涛の3連続コンボとかになるのでしょうか・・・ものすごく心臓に悪そう(エテリ組のジュニア達は当たり前のようにショート最後のジャンプを3Lz/3Tとか3Lz/3Loとかにしています・・・)

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu