世界国別対抗戦が始まりました
マッシミリアーノさんが実況してくれていました!
解説
マッシミリアーノ・アンべージ(M)伊ユロスポ解説者、ジャーナリスト
ラファエラ・カッツァニーガ(R)振付師
M:羽生結弦
世界選手権で起きたようにショートプログラム首位を目指す。
曲はロビー・ウィリアムスのヒット曲「Let me Entertain You」
彼の戦歴を改めて紹介するのは無意味だろう。
フィギュアスケート史上最も勝利した選手の一人だ。
R:偉人・・・彼はフィギュアスケートの偉人
M:4サルコウ・・・素晴らしい
R:何て簡単なの
M:4トゥループ、手を上げて3トゥループ
エフォートレス
M:バックカウンターからの3アクセル
前のめりになった
R:スペクタクルだわ!(爆笑)
M:非常にハイレベルなパフォーマンス
4回転ジャンプは途方もなかった
よりによって3アクセルでミスをしたから彼は激怒しているだろう
これは彼にとってシニア52回目の国際大会だけれど、内50回の試合で3アクセルでプラスのGOEを獲得した。
今日はどうなるか?
TES速報値ではマイナスだった。
唯一のミスだった
R:でも皆さん・・・
マッシミリアーノ、ここには全てが揃っているわ。
技術、PCS、それから・・・全てがある
それにあの眼差し
2分50秒間の眼差し!
眼差しでジャッジ達を捕獲していたわ
全てが簡単
彼は簡単そうにやってのけてしまう
M:このプログラムは実質彼が振付したんだ。
彼と共に生まれた、彼が創作したプログラムだ。
あらゆる動作、あらゆる眼差し、あらゆる呼吸まで
R:彼ほどのレベルになると振付も自分でやってしまうのよ。
おそらく彼は自分が感じるままにやっているのよ。彼のプログラムの素晴らしさはまさにそこにあるのわ。誰にも強要されずに、彼が自分が一番いいと思うものを選択している。まさに傑作。ブラーヴォ!
M:疑う余地はない。でも僕達は彼を知っていて、彼が「完璧」を追求していることを理解しているから・・・
彼はショートプログラムでの3アクセルのミスは許せないだろう、絶対に。
だからこの点に関してはきっと悔しいだろうね。
今日の4サルコウ、4トゥループ/3トゥループは完璧だった
あまりにも簡単に実施された
何の力みもなく
「エフォートレス」のコンセプトだ
力みが全くない
R:その通り
M:全てのスピン、ステップシークエンスも非の打ちどころがなかった。世界選手権でレベル3だったけれど、今日は議論の余地がない、文句なしのレベル4だ
非常にハイレベルだった6つのエレメント
あの3アクセルは・・・
3アクセルと言えば羽生結弦だからね
R:勿論よ
M:105点を超えるだろう。考えてもみてよ、彼はこれまでに105点を14回超えている。
14本のショートプログラムで105点越え
R:普通の選手ならあの3アクセルで手を付いていたわね。
でも彼は(爆笑)
M:身体感覚だ
R:まさにその通り
彼は滑る時、自分の身体の声を聴いている。
自分の身体に耳を傾け、自分の身体が何処にあるのか把握している
M:そして最初の1秒から最後の1秒まで詰め込まれたトランジションの数についても話さなければならない
R:そうよ
あなたの意見ではこのプログラムは体力を消耗すると思う?
勿論、体力を消耗するわ
M:途方もなく体力を消耗する
R:それなのに彼は最後の最後までフレッシュ・・・まるで・・・
M:でも注意して欲しい。
そこが論点なんだ。
彼はこのようなプログラムを滑り、特定の得点を得る。
端から端まで助走するプログラムはいくら4回転ジャンプが成功しても演技構成点で彼と同じ評価を貰うべきではない。
R:そうなのよ!
M:そこが核心なのだ
R:まさに私が言い続けていることよ
エレメントとエレメントを繋ぐトランジションを無視することは出来ないわ。その選手が自分の能力に応じて実施するエレメント(3回転または4回転ジャンプ)の難度に関係なく評価されなければならない。
M:あの3アクセルが惜しかった。
これは110点に達するべきプログラムだったけれど、3アクセルでの失点が響いて110点には届かない。通常GOE+4を稼げるエレメントだから重い失点だった。
107.12点
世界選手権より点が出たけれど、3アクセルで失った4.5点ほどのGOEが足りなかった。
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☆国別対抗戦はイタリアでは通常実況されないので、解説無しバージョンかと思っていたら、まさかマッシミリアーノさんの実況入りとは!!!
もしかしたら、マッシミリアーノさんが交渉してくれて実現したのかもしれませんね!
さて、今回で3度目になる「Let me Entertain You」ですが・・・
カッコよさが更にアップしていました!
4サルコウとコンビネーションの軽やかさ!
羽生結弦のジャンプは世界一美しい、という事実を改めて見せつけるクオリティでした!
そして初披露から(過小評価でも)常に100点越えという安定感抜群のプログラム。
3アクセルで珍しいミスですが(ミスと言っても転倒でもステップアウトでもオーバーターンでもありませんが)、羽生君があまりにも4Aばかりに夢中になっているものだから、3Aが拗ねちゃったのかな~と😅
しかし、ストックホルムから帰国して合計17日自主隔離し、おそらく練習時間はかなり制限されていたと思うのに、ジャンプもスケーティングも凄まじいクオリティでした。
選曲について、振付師のラファエラさんが興味深いことを言っていました。
彼女自身はこういう傾向に同感出来ないと断った上で、ネイサンのショートプログラムは「ずるい」選曲、いわゆる大消費市場向けのプログラムでジャッジに伝わりやすく、点が出やすい。一方、非常に洗練されているユヅルのプログラムは高尚過ぎてジャッジ達には分かりにくいのかも、と
そう言えば主観に左右されない(されるべきではない)SS, TR, COの評価は羽生君が上、主観の占める割合が高いPEとINはネイサンが上でした。
明日はフリーです
3A様、機嫌を直して戻って来てね!