過去の映像から
再びソチで開催された2012年グランプリファイナルの今回はフリーの実況解説です
☆エレナさんの動画です。いつもありがとう!
Grazie Elena!💛
実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)
M:羽生結弦がリンクメイトのハビエル・フェルナンデスを上回れるか見よう
このような才能ある選手を2人同時に指導出来るブライアン・オーサーは驚異的だし、とりわけこの2人にとってはとても刺激的なことだ
A:2人にとってもそうだし、幸運にも彼らと同じリンクで練習出来る選手達にとってもすごく刺激的なことだ
羽生は自分を超えなければならない(自己ベストが必要だ)
A:スペクタクルな4トゥループ
サルコウはダブルになってしまった
4回転の予定だったが
A:3フリップ
A:3アクセル/3トゥループ
A:2本目の3アクセルは2トゥループとのコンボ
A:3ループ
A:3ルッツ/2トゥループ/2トゥループ
A:2本目の3ルッツ
A:羽生は日本では転倒してしまったコンビネーションスピンもリベンジした
A:最後のスピンも完璧
もう一つの圧巻演技
羽生の演技も圧巻だった
M:プログラム後半に3アクセルのコンビネーションを2本入れた選手が何人いる?
しかも1本は3トゥループを付けて
これはまさにフィギュアスケートの新たなフロンティアだ
それにしても驚異的なのは、女子シングルが年々退化しているのに対して、男子シングルは飛躍的に進化していることだ。
A:これは恐るべきことだ
現行の採点システムが導入された現在のフィギュアスケートでは本当に全てが評価の対象になる。これは明らかだ。
根本的に変わろうとしていて、より多くのミスが見られるようになったけれど、驚異的な集中力と注意力と身体作りが求められるようになった。
以前は皆スピンやステップのところで休んでいた
なぜなら今日見られるような技術的に難しいステップは必要なかったし、スピンにしても繋ぎのような感覚である程度リラックスして実施していた。
今はスピンでは難しいポジションが求められる。
それに正直に言って、フリーでこんな羽生は初めて見た。
最初から最後までこれほどスピードがあり、これほど完璧なフィジカルコンディションの羽生を見たのは初めてだ。
4回転が2回転になってしまったサルコウの大きなミスに関係なく、非の打ちどころのないコンディションだった。
しかも3ルッツ2本、3アクセル2本だ
トリプルジャンプに関してはフェルナンデスでさえ彼とは全く勝負にならない。
4回転ジャンプだってそうだ。
それに彼の3アクセルのクオリティと言ったら!
プログラム後半に3トゥループとのコンボにして息を切らしながら、何とか3アクセルを降りるわけではない
2本とも飛距離が10メートルはありそうな3アクセルだった(笑)
M:しかも非常に難しいトランジションから跳んでいる
A:特に今僕達が(リプレイを)見ている2トゥループを付けた2本目
本当に驚異的だ
M:アンジェロ、今大会の対決の図式はこうだ。
一方は演技構成点ではおそらく過小評価されているけれど、技術的に現在頂点にある羽生とハビエル・フェルナンデス、対するのは間違いなく彼らほど高難度のプログラムではないけれど演技構成点で大きなアドバンテージがある高橋とチャンだ。
A:そうだね。彼らは演技構成点で上回っている
どれだけ彼らを上回るか見なければならない。
僕は羽生の演技構成点も高得点を期待している。
なぜなら今日は滑りも本当に良かったからだ。
最初から最後までスピードがあった。
確かにチャンのプログラムに比べるとトランジションや振付要素が少し乏しいかもしれない。
高橋とはそれほど大差があるように僕には見えない。
僕達が前に議論したことだけれど
M:今シーズンの高橋のプログラムはトランジションがそれほど豊かじゃないからね
A:その通り
(得点発表)
A:マンマミーア・・・マンマミーア
M:177.12点
トータルは?
自己ベストだね
フェルナンデスのフリーに近い得点だ
A:それに彼にはショートのリードがあるからトップに立つだろう
M:自己ベストを大幅に更新した
A:羽生もファンタスティコだった
何て試合だ!
☆本ブログに掲載されている内容のあらゆる形式での複製(読み上げによる音声での再現、テキスト動画、印刷物などが含まれますがこれに限定されません)、全文の無断転載、濫用、Youtube等の他のメディアでの使用は固くお断り致します。翻訳の一部を引用する場合には、必ず出典を明記し、当ブログの掲載ページのリンクを貼って頂きますようお願い致します。
***********************************
☆ソチで開催されたこのファイナル、確かベストコンディションどころか原因不明の体調不良に襲われて最悪のコンディションだったような。
エキシの練習中、顔面蒼白で練習を途中で切り上げたのをよく覚えています。
それでもダブルになったサルコウ以外、最後の3ルッツまでジャンプのクオリティは全て素晴らしかったし、振付やパフォーマンスと言う点でもこのシーズン最高のフリーだったのではないかと思います(感動という点では断然ロンドンワールドのフリー)。
日本では4回転ジャンプの数や種類ばかりがクローズアップされがちですが、当時の演技を見返し、お二人の解説を聞いていると彼がジャンプ以外の部分でもこの数年間でどれほど進化したかがよく分かります。そして演技構成点が決して「=表現力」ではなく、まして「色気」を評価するものではないということも(勿論、羽生君にはどちらも余りあるほど備わっているけれど)
羽生君の3アクセルの話題になると、アンジェロさんが止まらなくなるのが微笑ましい。