羽生結弦選手のショートプログラムの解説書き起こしです。
☆Elena Cさんが動画を上げて下さいました
いつもありがとう!Grazie mille!
実況:マッシミリアーノ・アンベージ
解説:アンジェロ・ドルフィーニ
(演技前)
マ:さあ、羽生結弦に集中しよう
信頼するジェフリー・バトルに振付けしてもらったプログラム
羽生は2度世界王者になった史上初の日本男子選手になろうとしている
ア:間違いなくその可能性はある
シーズンを見る限り彼は優勝候補の筆頭だ
驚異的でSFチックな演技を何度も披露した
マ:歴代最高得点を2度更新し、グランプリファイナルでは110点の壁を越えた。
でも注意が必要だ。ここ数日のランスルーでは予定されているジャンプ要素が中々全部入らなかった。
(演技中)
ア:4サルコウ、途方もない
いとも自然に決めた
ア:4トゥループ、クワドの着氷で僅かにバランスを崩したけれど3トゥループ
ア:ここから最後のジャンプに入る準備をする
バックカウンターから3アクセル
これも非の打ちどころがない
まさに彼のトレードマーク
ア:演技が終わる前からもう拍手喝采
最後のエレメント、コンビネーションスピン
いつも通り超高難度でハイクオリティの
(演技終了)
マ:言葉がないよ・・・(笑)
(演技が)自ずと全てを語っている
またしても恐るべき演技
最後のエレメント、スピンの得点が(TESカウンターに)加算されるのを待とう
だってこれは62点を大幅に越えるだろう
ア:62点はまさしくティタン(巨神)の得点だ
マ:62.42点
もしこの得点のままなら全てのエレメンツでレベル4を獲得したことになる
だからステップシークエンスもね
ア:たぶん今シーズン初めてかな?
マ:今シーズンは中々(ステップで)レベル4を獲得出来なかった
偉大な演技において仕上げのケーキの上のサクランボが足りなかった感じかな
(TES)62.58は大会を殺す(勝負を決めてしまう)得点だね
だってもう一つの得点は満点の50点に限りなく近い点が出るだろうからね
ア:特にこのショートは
というか全般的にショートプログラムでは、僕達が何度も強調してきたように、その内容の豊富さにおいて誰も羽生に追いつくことは出来ない。
そうこうしている間に技術点が下がったよ
もしや・・・(笑)
これまでいつも取りこぼしていたステップシークエンスのレベルじゃない?(笑)
マ:えっと~ステップの基礎点とGOEの点差が1.60だから
ア:それで計算が合うね
そんな細かい点は別にして、いずれにしても技術点は60点以上、モンスターレベルの演技
魅惑的な4サルコウ
非常に複雑なステップから跳んでいる
マ:トリプルアクセルについても話そうよ
ア:トリプルアクセルは+3が規定だろう
マ:我々は彼が感情を爆発させるのを見た
何故か?
さっきも説明したけれど、ランスルーでは問題があって、ジャンプに何らかのミスがあった。
しかもデニス・テンとまた接触しそうになって、羽生結弦にしては珍しいことだけれど、乱暴な言葉も跳び出した。このことは、試合前、彼が非常にナーバスになっていたことを物語っている。
それでも彼は模範的な演技を滑り切った。
当然のことながら、彼のこの演技は銀の盆で捧げられた(楽勝だったと言う意味)。
それに彼の主要なライバル達は皆多かれ少なかれ何らかのミスを犯したからね。
ア:この着氷を見よう。4トゥループの着氷で重心がやや後ろ寄りだけれど、僕達が目にしているのは規格外の修正能力、極上の調整能力を持つ選手だから
マ:これを誰から学んだか知ってる?織田だよ
ア:(笑)確かに!そうだね
織田はどんな着氷でも3トゥループを付けることが出来た
マ:困難な着氷でも膝を深く屈曲してこらえることが出来る
織田は『オダル』でも有名だった。
ア:(爆笑)コンビネーションジャンプを計算出来る算盤をプレゼントすべきだね(笑)
でも当時のルールでは選手にとって今より(跳び過ぎの)把握が難しかった。
織田は特にこの種のミスが多かったケースだけれど、例えばフェルナンデスも同じ間違いをしている。
マ:今シーズンのショートプログラムではこの『オダル』を何度か目撃した。
羽生とパトリック・チャンだ(笑)
ア:その通り!(笑)
マ:チャンは「僕はこのルールをよく知らなかった」と晴れやかにコメントしていた(爆笑)
ア:クワドがトリプルになってしまった場合、コンビネーションがトリプル/トリプルだとショートの場合、このリスクがある
マ:偉大な指導者、ブライアン・オーサーへの彼からのスタンディングオーベーション
得点を待とう。たぶん歴代最高得点だろう
ア:(記録に)届かないけれど、たった0.40点差だよ
マ:演技構成点はまたしても49点越え
ちなみに各項目10点の満点は50点
恐ろしい
ア:各項目の平均が9.50を大幅に上回っているってことだね。大幅にね
マ:何よりも2位と12点差
ア:実質的に勝負はついたようなものだね。
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☆織田君の『オダる』がイタリア解説にまでネタにされてる・・・と思って見ていたら、その直後にコフトゥン選手がまるでお手本のように見事な『オダる』を・・・
コフトゥン選手って羽生君の後とか最終滑走とか、いつも滑走順に恵まれませんね・・・