イタリア解説EuroSport版「2017ロステレコム杯~羽生結弦SP」

ショートプログラムの実況解説です

2017CoR_SP2

Elena Cさんの動画です。いつもありがとう!
Grazie Elena!💛

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)

M:羽生結弦に会場が地鳴りしている

彼は2011年にモスクワのまさにこのアリーナでグランプリ大会初優勝を飾った。
第6戦だった
彼はグランプリ第6戦とファイナルでしか優勝したことがない

合計8勝

A:4勝+4勝だね

M:今シーズンはショートプログラムで世界最高得点を更新して既に彼の価値を見せつけた

今日は世界最高得点のプログダムより更に難度の高いプログラムを披露する

(演技開始)

A:何が起こるか見てみよう!(笑)

僕は興味津々だ

フレデリック・ショパンの旋律に乗せたこのショートプログラムはよく知っている

過去にユヅルが披露したプログラムだ
2シーズン前だった

A:4ループ!何とか踏ん張ったけれど完璧じゃなかった
踏切があまりよくなかった
見直さなくちゃならない

M:GOE-1だろう

A:ここでは振付要素は前にちゃんとあった

A:見て欲しい、ここでは複数のパッセージを挟んでバックカウンター、3アクセル

壮大だ!

M:当然、ジャッジ全員から+3だ

A:そうではない印象を与えるけどね(あまりにも簡単そうに見える)

注意して欲しい。まだ非常に重要なジャンプ要素が1つ残っている

この難しい入り方から4トゥループ。3トゥループで転倒!

彼は3トゥループで転倒するのを見るのは珍しいことだね

M:3トゥループで手を上げるのをやめて少し簡単にした

(演技終了)

 

A:羽生にとって難しいプログダム
僕達は過去にもっといい演技も、もっと悪い演技も見たことがある

M:コンビネーションのミスが痛いね

特に得点という意味で
4回転ジャンプを含むジャンプだからGOE-4に減点1で5点失うことになる。

A:予期しない転倒だった

4トゥループは良かったし

M:TESが大幅に下がった

A:4ループの回転だね

M:4ループの回転を見直さなくちゃならない

A:僕達もちょっと疑ったけどね
踏切があまり良くなかった

M:公式練習ではランスル―以外、4ループとコンビネーションジャンプの安定感は際立っていた
勿論、試合は別物だけど

技術点が50点を下回った

A:きっとGOEのマイナスも大きくなったんだろう

M:ということは96~98点ぐらいと予想出来るね
つまり僅差だけれど100.54のネイサン・チェンに及ばない

A:予想はそうなるね
転倒もあったし

スロー映像を見てみよう

僕は正直4ループを見てみたい

少し足りないかなとは思ったけれど
それにしても一体どうやって堪えたのか
これでかなりのエネルギーを消耗した

マッシミリアーノ、僕は君もよく知っている僕の考えを推し続けるよ(笑)

M:一生、サルコウ

A:そう、一生ね(笑)

自動的に+3のサルコウで行け

これで110点を持ち帰る

今日は98点だ

(4Loのリプレイを見て)

A:おお・・・

M:ループは回転不足を見分けるのは難しいジャンプだ

コントロールパネルによってURがDGと判定されることがある

でもこれはURだ

A:そうだね、それもかなり厳し目の判定で回転不足

肉眼で見た時はもっと足りないように見えた

コンビネーションも見てみたいけれど

いずれにしても(回転の)疑問が残ったのは4ループだった

確かに踏切はあまり良くなかった

M:肉眼で見た方が足りてない感じがした

これは完璧な3アクセル

A:驚異的だ

こんな難しい入り方から

それにすぐにトランジションに繋げていく・・・(リプレイでは)見せてくれなかったけれど

これは4トゥループ

M:彼は着地が完璧じゃないと感じて、手を上げずに3トゥループを跳んだ

A:重心が後ろに行き過ぎて転倒してしまった

M:体重が氷に付いた両手にあるから間違いなく転倒と判定された

A:やむを得ないね

明らかな転倒だった

M:このプログラムはこれだけミスがあっても100点近い得点が出る

このことはこの選手のポテンシャルを遺憾なく物語っている。

A:それは僕達みんなが知っていることだ

でも4ループがもっと綺麗に決まった時よりも、4サルコウの構成の方が高い得点が出る傾向がある

M:今シーズン、ユヅルは112.72点に達した

今日は94.85点止まりだ

A:そうだね、演技構成点では当然のことながら高い得点を得たにもかかわらず
でも技術点が大幅に下がったから

羽生は複数のミスをやらかしたことが分かっているから頷いているね

M:僕は彼が(得点に)100パーセント納得しているとは思わない

そして彼は試合後、あれこれ長々と考察するだろう

フリーでどんな羽生結弦を見られるか期待しようじゃないか(笑)

覚えておいて欲しいけれど、彼はグランプリ大会初戦で優勝したことはない

彼が優勝したのは第6戦だけだ

A:きっと何か理由があるんだろう(笑)

彼にとってはそれより前にいいコンディションを持ってくるのは難しいんだろう

でもショートプログラムではオータムクラシックで世界最高得点を塗り替えるほどのいい演技をしたことも事実だけれど

見てみよう、見てみよう、彼がフリーでどんな演技を見せてくれるか

 

<第1グループの選手のK&C>

M:最近、練習で4回転/4回転のコンビネーションジャンプを跳んでる人もいるからね。

A:(爆笑)

M:僕達の良く知るビッグネームだけれど
まあ、彼かなり特殊な頭の持ち主だから、ほとんど狂気に近いというか

A:そうだね(爆笑)

マッシミリアーノさん・・・ライトなお茶の間視聴者には何のことだかサッパリ分からないと思う・・・
せめて『誰』のことでそんなにウケているのかちゃんと説明してあげて・・・

自分用にリザルト>>
プロトコル>>

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☆なんだかアンジェロさんが完全にオトン化していて笑ってしまった
「ユヅル、いい子だからショートは4サルコウで我慢して!」みたいな

2011年のグランプリシリーズから毎年毎年、例外なくジェットコースター展開の羽生劇場に翻弄されている私としては「ショート2位で94.85点って上出来じゃない!」と晴れやかに受け止められるようになりました。

先シーズンと先々シーズンのGPS初戦ショートプログラムは73.25点(6位)、79.65(4位)だったわけで
初戦B級試合で歴代最高得点、GPS初戦で90点台2位は今シーズンの輝かしい成功を予兆させる素晴らしい滑り出しじゃないですか!!!

ショートは生中継でしたが、フリーは明日の夜、録画放送されます
マッシミリアーノさん達のフリーのコメントが非常に楽しみ

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu