~グランプリがあってロステレ杯があって、これらとは別次元に羽生結弦がいる~
ショートの実況解説です
☆エレナさんの動画です!いつもありがとう!
Grazie Elena!💛
実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)
M:羽生結弦が初めてグランプリ大会優勝を飾った地、モスクワに戻ってきた。
当時、彼はまだ17歳にもなっていなかった
その後、数多くの大会で勝利し、今日、いや今日と明日でグランプリ優勝数が2桁になる。これまでにグランプリ大会とファイナルと合わせて9回優勝している。
大会のここまでの経過では、他の選手達が10勝目を銀のお盆に乗せて彼に差し出している状態だ。
勿論、彼は他の選手の助けなど必要としないけれど
ヘルシンキとの違いに注目して欲しい
A: 4サルコウ
M: +4・・・何人かが+5
A: +5に値するジャンプだろう・・・ちゃんとルールを読み解けば
A:バックカウンターからの3アクセル
M:バックカウンターが戻ってきた
A:ツイズルに代わってね。
出の方にツイズルを残した
A:4トゥループ/3トゥループ!
両手を上げて、
見て欲しい、音楽のアクセントに合わせてイーグルに繋げている
ステップシークエンスの開始と共に大歓声だ(笑)
モスクワで競技しているのに、まるで羽生はホームで試合をしているようだ
A:技術点は60点だ
M:グランプリがあって、ロステレコム杯があって、これらとは別次元に羽生結弦がいる
そこには彼しかいない
60点以上、新ルールでは誰も到達したことがない
61.61点
(ルール改正)以前の歴代最高得点はリセットされたから新世界記録と書こう
110点近い得点が出るだろう
A:110点だね
M:この構成で到達可能な最高TESは66.67点だ。
あの3アクセルがジャッジ全員から+5をもらわなかったとだけ皆さんに言っておく
A:コンビネーションは(5点満点でなくても)理解出来る。
確かに彼はあのコンビネーションの出で音楽のアクセントを強調しながらイーグルを実施した
でも実際には、彼は非常にブラボーだった、つまり完璧ではなかった3トゥループの着氷を巧くカバーしたんだ
でもサルコウとアクセルは本当に途方もないクオリティだった
どちらのジャンプも非常に難しい入り方から跳んでいることを考慮しても
それに彼はジャンプを着氷した後にもたくさんのステップを実施している
彼のようにこれほど難しいジャンプをこんな風に跳ぶ人は正直誰もいない
コンビネーションだって最小限の準備しかせずに跳んでいる。入りのダブルスリーの僅か数秒前まで多くのステップが詰め込まれている。
M:やっかいなことは何か?
彼は決して満足しないということだ
彼は更に上を目指して常に何かを追加していく
今この瞬間、彼が憑りつかれていることは何か?
新ルールだ
彼は+5を獲得するためにジャンプを構築しているわけではない。
彼が目指しているのは+6だ
A:(爆笑)
M:だからジャンプのプラス要件6項目全てを完全に満たしたと評価されるまで研究し続ける。
でもこれほど完璧なジャンプにこれ以上何を付け加えればいいのか?
A: 驚異的だ
この4サルコウはおそらくこの大会のハイライトだろう
この3アクセルも
3アクセル自体もナチュラルで素晴らしいクオリティだ
それにこれは彼のジャンプだからね
ブライアン・オーサーが納得して拍手している
ここにいるのはオーサーだけではないけれど
M:同伴の彼も紹介しようよ。
君と所縁のある人物だよね
A:そう、ジスランだ
僕はスイスで彼と関わる機会があった。彼はステファン・ランビエールの学校で教えるためによくシャンペリに来ているから
彼は特に羽生結弦とゴゴレフと一緒にいる時間が長い
本当に人格者で素晴らしい人物だ。勿論、仕事においてもプロフェッショナルだ
(ここで少しゴゴレフとカナダの話になりますが、時間がないので省略)
M: 110.53!
新ルールで110点の壁を超えた最初の選手
今シーズン100点を2度超えた最初の選手
2位との点差は分からないけれど、あまり重要ではない
惑星ハニューにようこそ!住人は一人
A: 彼だ
彼一人だけだ
本当に恐るべき力を見せつけた演技だった
もう何度目か分からないけれど
実質、この大会はここで優勝決定だ
二位との間に深海ほど深い溝を築いた。
ファン達の嬉し涙は当然だろう
M: ここには全てがある
今シーズン最高TES、今シーズン最高PCS
でも彼ならもっと向上出来る
ライバル達にとっては憂慮すべき事態だけれど
A: (爆笑)
M: 僕達が知る羽生にとってはいずれにしても完璧なショートではないだろうから
A:不十分だろうね(笑)
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☆マッシミリアーノさん達、NHK杯男子のPCSとGOEは見当違いな採点だとかなりお怒りだったので、ルールが求める要件をちゃんと満たしている羽生君の4サルコウと3アクセルの加点が5点満点でないことを皮肉っていました。
私は夫と現地でこの演技を見ましたが、文字通り別の惑星に連れて行かれました。
夫にとってはフィギュアスケートの試合を観戦するのはマルセイユファイナル以来これが2度目で、勿論専門的な知識はありませんが、それでも
- 羽生君だけジャンプの前に助走や準備がなく、振付を中断することなくいきなり跳んでいる
- ジャンプ自体もナチュラルで美しい
- 動作や身のこなしがバレエダンサーのように美しく、音楽同調が神レベル
- 何だかよく分からないけど凄まじいオーラ
ということは分かったようで、「彼だけ別の惑星で別のスポーツをしているようだ」と言っていました。
まさかこの翌日に再び怪我に見舞われることになるなんて・・・
どうして羽生君ばかりこれほど怪我や試練に苦しまなければならないの?と思うけれど、彼の才能があまりにもずば抜けているから、神様が他の選手に対して不公平にならないようハンデを与えているのだと思えるほど、羽生結弦という人は才能も存在もその全てにおいて他を圧倒しています。
五輪二連覇を達成し、今シーズン、プレッシャーやしがらみから解放されてリミッターが外れた彼はどこまで進化していくのかと見ていて恐ろしいほどでした。
でも羽生君はスケートの神様に愛されているから(というか彼がスケートの神なのか)、きっと大丈夫と信じてニュースを待ちたいと思います