イタリア解説EuroSport版「2018NHK杯~紀平梨花FS」

梨花ちゃん衝撃のグランプリデビュー!
フリー演技の実況解説です。
(アンジェロさんはジュニア時代から梨花ちゃんの大ファンだそうです!)

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)

M:紀平梨花16歳
シニアで初めてのグランプリ出場だ
大差の挽回に挑戦する
今シーズン、昨日のショートの前までに彼女は試合で3アクセルを5回、何の問題もなく成功させていて、全て加点の付く出来だった。
昨日は転倒した。
プログラム開始から見ていて分かるほど固くなっていて最初の30秒は苦戦したが、その後、解き放たれ、残りのエレメントは綺麗に決めた。
紀平が予定通り8トリプルを持ち帰ることが出来るか見て見よう。
ファイナル進出に繋げるには順位を上げることが鍵になる。最低でも3位に入らなければならない。

A:3アクセル/3トゥループ
着氷は完璧じゃなかったのに、驚異的だ

M:シニアのグランプリでは史上初のエレメントだ

A:すぐに2本目に挑戦する
3アクセル!

M:これはさっきのより断然優れたクオリティだった。

A:モンスターレベルだ
GOEを見てよ

M:+3と+4の雨が降り注ぐ

A:当然だ
相応しい評価だ

A:3ループ

A:3ルッツ/2トゥループ

A:3フリップ

A:2本目の3ルッツ
3ルッツ/2トゥループ/2ループ
恐るべきパフォーマンス
彼女に求められていた演技だ
注意して欲しい
コレオシークエンスの後にまだ1本ジャンプが残っている

M:シニア女子の史上最高TESを更新しようとしている

A:既に80点を超えている
紀平梨花の最後のジャンプ
3サルコウ

M:新記録だ

A:紀平梨花の恐るべき演技
後に滑る選手達全員に多大なプレッシャーを掛けた
87点近い技術点
当然のガッツポーズだろう

M:技術点でこれ以上の得点を探すには紀平も出場した昨シーズンのジュニア世界選手権に遡らなければならない
この大会でアレクサンドラ・トゥルソワはトゥループとサルコウの2本の4回転ジャンプを跳んで92.35点を出した。
ここにはクワドはなかったけれど、高いクオリティがあった
あの3アクセルはこれまでに見たことがないほど途方もなかった。
87.02、これは160点近い得点が出るプログラムだ

A:ハハハ、驚異的だ
でも確かにそうだ
男子でも多くの選手が到達できない得点だ

M:演技構成点の係数が違うのにだよ

A:その通りだね(笑)
だって技術点87点は男子でも平凡な点ではないだろう。勿論、TES120点を出す選手もいるけれど(笑)
まさに実力を証明する演技だった

M:今日、彼女は多くの理由で歴史を作った
一つ目はこのエレメントだ

A:3アクセル/3トゥループ

M:グランプリでは史上初のエレメントだ

A:彼女は既に試合で成功させたことがある。そして女子では彼女だけだ
これは2本目のアクセル
1本目より更に美しかった

M:そしてグランプリ大会で史上初めて8トリプルに成功した
3つ目は史上最高TESをザギトワからもぎ取った
ザギトワが記録したTESは83.54だ。
宇宙的な得点だ
確かに今シーズンからルールが変更され、GOEの幅が広がったので、昨シーズンより高い得点に達することが可能になった。
でも点を取れる演技をしなければ得点は出ない
紀平は他の選手達に多大なプレッシャーを与えた。
なぜならこれから滑る選手達は誰一人160点近い得点を持っていないからだ

A:それどころか140点に達するのも難しい

M:ここで質問だけれど、彼女はこの大会優勝すると思う?
それとも2位?3位?

A:3位はほとんどあり得ないだろう
つまり2位以下ってことはないだろう
154点か・・・
もっと高いと思った

M:演技構成点はもっと高くてもよかった

A:もっと高い演技構成点が出ていても、彼女は何も盗んでいない

M:彼女の自己ベストだ
フリーの今季最高得点ではない
なぜならザギトワが158.50を獲得しているからだ
ザギトワは演技構成点で8点上回っているからだ
演技構成点で8点差は大きい

A:でもいつまでこの差を維持出来るか
ずっとこのレベルの演技を続ければ紀平の演技構成点も上がって行くはずだ

自分用に
プロトコル>>

大会リザルト>>

*************************
☆梨花ちゃん!!凄かった~!!!!
鳥肌が立ちました!
歴史的瞬間というか、女子シングル新時代の幕開けを目撃しました。
これまでの女子シングルは7トリプル+2アクセル2本を入りや出に工夫を凝らして如何にクリーンに綺麗に決めるかが勝敗のカギでしたが、2022年の北京オリンピックの頃には女子も3アクセルかクワドを跳べなければ勝てない時代になる、昨シーズンから予想されていたことですが、仮説が現実になった瞬間でした。

知子ちゃん、宇野君、リーザ
ファイナル進出おめでとう!(ミハルも決定かな?)
そしてヴォロノフさん31歳もかなりの確率でファイナル進出の可能性

★今大会のフリー順位★
1位 宇野昌磨 188.38
2位 ヴォロノフ162.91
2位 紀平梨花 154.72

☆ちなみに梨花ちゃんの演技構成点を男子と同じ係数x2で計算すると84.44でフリーの合計は171.61となり、今シーズンのこれまでのどのグランプリ大会でも男子フリーで2位に入れる得点😱

★今大会のTES順位★
1位 宇野昌磨 94.18
2位 紀平梨花 87.17
3位 ヴォロノフ 80.55
4位 トゥクタミシェワ 76.21
5位 宮原知子 71.89

女子のレベルが異常に高かった大会でした。
1つの大会で女子で3アクセルが4本も見られるなんて!
梨花ちゃんの3A、男子より助走が短い!そして幅も高さも男子並み
他のジャンプもステップシークエンスもネペラ杯の時より断然進化していました。
リーザの久々の3Lz-3Tも美しかった

梨花ちゃんの2戦目はフランス大会ですね。
PCSでかなりアドバンテージのあるメドちゃんがいますが、ショートとフリーを揃えられれば私は勝てると思います。

3位以上ならファイナル進出
頑張って梨花ちゃん!

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu