イタリア解説Rai版「平昌2018~羽生結弦FS」

イタリアの国営テレビRai2チャンネルで放送された男子フリーから
羽生結弦選手の演技解説です

epa06535204 Yuzuru Hanyu of Japan in action during the Free Skating of the Figure Skating Men Single competition at the Gangneung Ice Arena during the PyeongChang 2018 Olympic Games, South Korea, 17 February 2018. EPA/HOW HWEE YOUNG

実況:アリアンナ・セコンディーニ(A)
解説:ファブリツィオ・ペドラッツィーニ(F)

A:さあ待ちに待った真実の時間が始まります

羽生結弦
途方もないスケーター
ショートプログラムの後、111.68点で首位に立ちました。

これは素晴らしいフリープログラムです
帝の陰陽師、安倍晴明の物語を描いた日本映画のサウンドトラックを使ったプログラムです
芸術と魔術のスペシャリスト

(演技中)

F:4サルコウ

F:4トゥループ

F:3フリップ

F:4サルコウ/3トゥループ

F:4トゥループでステップアウト

F:3アクセル/ループ/3サルコウ

F:3ループ

F:3ルッツを救った

(演技終了)

A:羽生結弦の素晴らしい表情
そのガッツと確固たる意志によって前よりも更に強くなって戻ってきたことを世界に見せつけました
何が起きているか見て下さい!

当然、どこもかしこもプーさんだらけです
このぬいぐるみは彼の幸運のお守りなのです。

見て下さい
彼がどんなに満足しているか見て下さい

足首を負傷して11月から1月上旬まで滑れませんでした。
ジャンプの練習を開始したのは僅か3週間前のことです。
3アクセルから開始し、次に4回転ジャンプ

それにしても何というスケーティングの質、表現力でしょう
氷上におけるしなやかさと言ったら
私達はまた歴史的瞬間を目撃しているのだと思います。

何故ならオリンピックタイトルは

F:僕は掴んだと思う

A:2個目のオリンピックタイトルです

F:実際にはまだ2人のスケーターが残っているけれど
僕は・・・彼はやったと思う

羽生結弦はここで途方もないものを注ぎ込んだ
表彰台の一番高い場所に王手をかけた
彼は観客に感謝し、氷に感謝し、右足首に感謝した

A:見たわ
右足首を触っていたわね

F:事実を言えば僕達はユヅルのプログラムでは違うプログラムに慣れている
僕達は彼が披露するクオリティとクリーンさにおいて驚異的なレベルのプログラムを見慣れているから
ここでは小さなミスがあった
でもそんなことはどうでもいい

何故なら彼が偉大だからだ。

君が説明してくれたけれど、彼がどんな時期を乗り越えてここへやってきたか
だから今晩、彼が披露したことは驚・異・的・だ

(リプレイ)

今彼の4回転ジャンプを見ているけれど
冒頭に4サルコウ、4トゥループ、驚異的な3フリップ

ステップシークエンスは魔法だった
音楽に乗せて

彼が驚異的なのは、ステップシークエンス、ジャンプ、全てのトランジションが音楽と同調していことだ。それもただ振付としてやっているのではない。彼はこのストーリーを物語っている。彼が物語なんだ

A:彼は陰陽師なのよ・・・本当に
彼は陰陽師の特徴を細部まで理解するためにこの映画で主役を演じた俳優と対談しているのよ

F:この4トゥループのステップアウトはミスの一つだけれど

A:戦ったわね

F:非常に軽く華奢な彼はこのジャンプを救った

このルッツもかなり前のめりになっているけれど、究極の試みで堪えた

驚異的だ
今日、ユヅルがやり遂げたことは驚異的だ

この眼差しを見てよ
視線で燃やすということにかけて、彼は魔術師だ

彼はとても謙虚で礼儀正しい
でも彼が何かを欲した時、断固として絶対にそれを手に入れる

A:氷を撫で、右足首に触れる彼の姿を見るのは感動的だったわ
だって五輪に出場出来るかどうかさえ危ぶまれていたぐらいだから

何という満足でしょう
(K&Cに)ブライアン・オーサーはいません
今からハビエル・フェルナンデスが滑るのでブライアン・オーサーは忙しいのです。

さあ得点を待ちましょう

F:飛翔するだろう(高得点だろう)

A:206.17点、トータルは317.85
勿論、何の問題もなく首位に立ちます
技術点109.5、演技構成点は96.62

彼のパフォーマンスは本当に驚異的でした
Interpretationは9.75です

4トゥループがREPになる問題がありましたが

F:4トゥループがコンボにならなかったから基礎点の70%になってしまった

A:でも十分だったわね

F:当然だ

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平昌のSEIMEIは何度見ても魂を揺すぶられます。
特に最後のステップシークエンス、勝利を確信して歓びが爆発させているのが伝わってきて見る度に鳥肌が立ちます。
ファブリツィオさんは視線で燃やすと表現していましたが、まさにその通り!

思えば彼が圧巻の演技と目力で会場を焼き尽くすのを初めて目撃したのはニースのロミジュリでした。
その後もパリ散でパリを何度も燃やし、埼玉のロミジュリでもパリを炎上させ、オペラ座の怪人では再びパリを焼け野原にした上、シャンデリアまで落とし、さすがにもうパリはマズいと思ったのか、2015年からはSEIMEIで平安京を焼き尽くす
この美しい地球外生命体に地球が完全に征服される日は近いのかも😱😀
ちなみにH&Lは炎上の合間のオアシスのような、マイナスイオンに溢れるプログラムだった

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu