エキシビションで披露された「花は咲く」
Rai Sport版の解説です(ショートとフリーは録画したつもりが、エラーで撮れていませんでしたのでエレナさんの動画待ちです)
実況:アリアンナ・セコンディーニ(A)
解説:ファブリツィオ・ペドラッツィーニ(F)
A:羽生結弦
銅メダルでしたが、彼の視線はもっとずっと先に向けられています。
彼はサプライズを準備していると言い続けています。
4アクセルを準備していると
この大会で彼が披露したことは、全て驚異的なWork in progress(作業中)という印象を受けました。
そして彼は並外れています。並外れたスケーターです。
(演技後)
A:彼は魔法です。
純粋な魔法です。
羽生結弦は彼の星、惑星ハニューの中にいます。
もはや私達がいつも言っていることですが。
本当に彼の周りにはもはや何も存在していないように見えます。
そして私達の周りにも・・・
彼のバブル(泡)の中に連れて行かれたような
彼の魔法の中に連れて行かれなような、そんな錯覚に陥ります。
あまりにも音楽とフィギュアスケートが彼の内部にあるものだから
彼を追うテレビカメラすら存在しないようでした。
まさにフィギュアスケートでした。
そう、羽生結弦は「フィギュアスケート」
羽生結弦「イコール」フィギュアスケートなのです
F:以前、僕達は「ユヅルは音楽」と定義したようね。
彼には驚異的な音楽性があるから
A:そう、彼は音楽で彼自身、芸術、フィギュアスケート、エレガンスなのです。
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☆このプログラムに込められたメッセージを全世界に伝えたい、というのも彼がリスクを冒してストックホルムにやってきた理由の一つではないでしょうか。
今年は東日本大震災から10年目です。そして今年に入ってから2度、東北では大きな地震がありました。1度目の地震では彼のホームリンクであるアイスリンク仙台が数日間閉鎖になり、2度目の地震はまさにストックホルムに向けて出発する直前だったそうですから、世界選手権への準備という点においても、影響は少なからずあったのではないかと思います。
東北の大地に捧げられた祈りと希望のメッセージはこの美しいプログラムを通して世界中のファンの心に届いたことでしょう。
アリアンナさんが「彼の視線は今大会のメダルの色などではなく、もっと先にある」というニュアンスのことを言っていますが、その通りだと思います。
聡明で感受性が強く、誰よりもルールを熟知している羽生君が、ジャッジ達のルールを無視した作為的な採点を感じていない訳がありません。
GOEのプラス要件6項目を全て満たした完璧なジャンプを跳んでも+1や+2を平気で付けるジャッジがいる。一方でライバルには転倒しても高いPCS。シリアスエラーはどうなったのでしょうか?
普通なら心が折れてしまうような酷い採点です。
しかし、そんなことで彼のヤル気を挫かせることが出来ると思ったら大間違いです。
ブライアン・オーサーが言っていました。
ミスター・ハニューを見くびるな!
羽生結弦ほどフィギュアスケートを愛し、この競技の進化を心から願っている人はいません。
そして羽生結弦は誰よりも負けず嫌いなのです。
やんごとなき感漂う王子様然とした佇まいで、こんなに可愛い優しげな顔をしていますので、つい忘れそうになりますが、彼の負けず嫌いの気性はガチンスキーに闘争心を剥き出しにしていたジュニア時代から本質的に少しも変わっていないと私は思います。今の彼がメラメラと闘志を燃やしている相手はもはやライバル選手ではなく、もっと言えば人間ですらないのでしょうが。
フィギュアスケートに対する愛情と情熱が彼の1000分の1にも満たないISUやジャッジや、ましてや日和見主義の他国のインサイダーに羽生結弦を理解出来るわけがありません。
そもそも立っている場所もこの競技を見ている次元も全然違うのです。
だから外野の雑音は気にせずに、己の信じる道を邁進して欲しい。
そして間違いなく彼はそうするでしょう。