マンマ解説でお馴染みのRai Sport放送から羽生選手の演技の解説です(抜粋)。
実況:アリアンナ・セコンディーニ
解説:ファブリツィオ・ペドラッツィーニ
<演技前>
ア:羽生結弦、本当に驚異的なスケーター。 負傷にも関わらず包帯姿で競技した中国杯の後、彼は車いすで帰国しました。脚を負傷し、医者は完全に休養することを勧めましたが、彼はファイナルに行きたいとリンクに戻ってきました。プログラムの難度を少しだけ下げています。
<演技後>
ア:勇敢な羽生結弦。ブラーヴォ!
私には彼はとても緊張していて怖がっているようにさえ見えたわ。
でも当然のことです。彼は実質ほとんど練習できず、大阪でも最初の公式練習を休みました。練習では4Tをきれいに決めていたけど本番ではうまく行きませんでした。
ファ:すごいプレゼントの雨だ(笑)
ア:彼はどうしても自国の観客の前で滑り、ファイナルの切符をつかみたかったんです。
見て下さい。彼は本当に愛されています。
ファ:並外れたスケーター。ほっそりとしてスピードがあり、全てをいとも簡単そうにこなしてしまう。僕はニース(世界選手権)から彼に注目しているんだけど。
ア:でも万全じゃないのね。今日はとても疲れているように見えるわ。
ファ:僕の意見だけど、あれほどのトラウマからリンクに戻ってくることはほとんど「英雄」に近いことだ。
僕もアスリートで鼻が折れたり、熱があったり、身体のどこかが痛くてもリンクに立ってしまうから分かるんだけど、第一に彼は滑らずにはいられないんだと思う。
そして第二に彼は生まれながらのスケーターだ。
羽生結弦はスケートへの並外れた情熱と才能を持ち、スケートの素晴らしさをそのままイメージにしたような選手だ。
彼の必殺技である難しいステップからのトリプルアクセル。着氷後、そのままイーグルに入っている。簡単にエレガントに跳んでいる。このジャンプは少なくとも2~3点の加点が付くだろう。趣向を凝らしたスピン。
アボットもそうだけど、彼は単なるアスリートではなくアーティストだ。だって今日彼らが披露したのは競技プログラムではなく芸術作品なんだから。
ア:さあ、この芸術作品の得点はどうでしょうか?
(得点が表示される)
ア:(ものすごく残念そうに)仕方がないわね。ミスが幾つもあったから、でも公正な採点です。
彼もうなずいて納得しているようです。