昨日、NHK総合テレビで放送された「羽生結弦 10年間の軌跡~NHK杯フィギュア」
NHKプラスの動画配信をイタリアから視聴することが出来ました!
NHK杯の演技を通して振り返る彼の軌跡、80分に凝縮された羽生結弦の覚醒と進化の記録。
本当に素晴らしい内容でした
ありがとうNHK!
そんなわけで2010年NHK杯の演技実況を翻訳したいと思います。
Rai Sport版から「ホワイト・レジェンド」
エレナさんの動画です。いつもありがとう!
Grazie Elena!♥
実況:アリアンナ・セコンディーニ(A)
解説:ファブリツィオ・ペドラッツィーニ(F)
A:次はもう一人のシニアデビュー選手の番です。
彼は12月7日に16歳になるジュニアの世界チャンピオン。
日本の羽生結弦です。
彼もここ、名古屋で自国の観客の前でデビューします。
F:僕は彼のあまりにも若い年齢に衝撃を受けている
僅か15歳で既に母国を代表してここにいるのだから。
A:大変な責任ね
F:大きな責任だ
A:何故ならこの大会で私達は日本を代表する選手をもう一人見ることになるからです。
世界チャンピオンの高橋大輔です。
F:3アクセル
非常に美しい
F:3ルッツ/3トゥループ
3ルッツの着氷でちょっと堪えたのに3トゥループを付けたのは見事だった。
F:ワオ!ビールマン?
男子では珍しいポジションだ
F:3フリップ
A:間違いなく羽生結弦にとって素晴らしいデビューになりました。
12月7日に16歳になる日本の選手です。
私達は成長目覚ましい並外れたチャンピオン達を見ています。
女子でも非常に若い村上佳菜子が素晴らしい演技をしました。
彼女は11月7日に16歳になりますから、まだ15歳ですが、女子の試合で3位に入りました。
つまり、素晴らしいチャンピオン達が育っています。そうでしょう?
F:全くその通りだね。
15歳の少年がこれほどのレベルの技術と氷上を支配する力を持っている。
それに存在感や表現力においてもより年長のスケーター達に全く引けを取らない。
ジェスチャーを巧みにコントロールする能力、表現力、音楽を感じ、解釈し、伝達する能力。すなわち、音楽を最良の方法で表現する能力。
質の高いスケーティング。
ジャンプに関しては・・・
僕が思うに、この3アクセルは高さと幅において並外れたアクセルだ。
見てよ
踏み切ってから着氷するまでの距離がもの凄く長い
A:それに凄く軽やかね
F:並外れている
これは3ルッツ。
着氷で堪えたけれど、熟達した技術によって3トゥループを付けた。
見てよ。
バランスを保つために膝を深く屈曲して前傾姿勢になっているにも拘わらず、脚を真っすぐ伸ばしてセカンドジャンプに繋げた。
非常に年若い少年だけれど、アピール力がある。
そして、先ほども強調したけれど、これはビールマンポジション
背中の後ろに足を持ち上げるポジションは、女子シングルでよく見られるけれど、背中の筋肉の高い柔軟性が求められるから、男子では非常に珍しい。
これはステップからの3フリップ。
見て欲しいのは、彼はトゥと突いて跳び上がり、何と着氷した同じ足でステップに繋げている。
これは技術的により難しいし、ステップまたは動作から実施するという要件を満たしている。
これはステップシークエンス
僕は彼を見ながら、円熟した動作と、全く簡単ではないこのような曲を表現する気概にほとんど驚嘆させられている。
A:チャイコフスキーの音楽はとても強烈で高い表現力を求められますから、彼にとっては難曲だったはずです。
でも彼の演技は成熟していました。
F:全く同感だ
どのぐらいの演技構成点が出るのか興味がある。
僕の意見では、高い得点に値すると思う。
A:私達もこのショートプログラムの得点を待っています。
37.85、PCSは31.46
ちょっと首を振っています。
彼の得点は69.31です。
F:技術点では間違いなく彼が上、合計でもおそらくアモディオの上じゃないかな・・・
A:技術的にはアモディオを上回りました。
37.18に対して37.85です。
演技構成点では彼の31.46に対してアモディオは32.83でした。
間違いなくTransitionsの差が響きました。
彼の5.96に対してアモディオは6.11でした。
今、一時的なランキングを見ていますが。
F:フローラン・アモディオと比べているけれど
A:彼は二十歳です
F:彼も素晴らしいスケーターだ。
個人的におそらく僕は羽生の方が気に入ったけれど、二人とも素晴らしかった。
(PCSの)この点差は僕にも理由が分からない。
二人とも僕は凄く気に入ったから
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☆この頃から表現力、音楽性、スケーティングの質を絶賛しています。
ホワイトレジェンドはこのシーズンの四大陸選手権で初めて見ましたが衝撃的でした。
チャイコフスキーの「白鳥の湖」は、バレエ作品の中で一番好きな演目(中でもこの『情景』は最も好きな楽曲です)なので、白鳥の湖を使ったフィギュアスケートのプログラムはどうしてもバレエと比較してしまいます。
これまで私の中では「バレエ➡フィギュアスケート」の違和感がなく、本物の白鳥に見えた演技はオクサナ・バイウルの黒鳥(とエキシの瀕死の白鳥)だけでしたので、若干16歳の日本人、しかも男子がこれほど美しく優美な白鳥を自然に演じていることに驚愕しました。
ヴァイオリン曲にアレンジされた和風バージョンですが、哀愁を帯びた美しいヴァイオリンの音色が彼の演技の神秘性を一層引き立てていました。
既に未来の世界チャンピオンであることを予感させる演技。
当時、衣装も素敵だなあ~と思いながら見てましたが、スタイル抜群の美少年じゃないと絶対に似合わないデザインですね。