マッシミリアーノさんのFBより「序奏とロンドカプリツィオーゾ~技術面と芸術的要素の完璧な統合」

昨日の24時間テレビの演技、本当に素晴らしかったですね!
マッシさんがFBに早速投稿していました!

日本テレビによって放送された長時間チャリティ番組で、「序奏とロンド・カプリチオーゾ」の旋律に乗せた羽生結弦の演技が披露された。日本のチャンピオンが昨シーズンのショートプログラムに選んだ曲である。
要約すると、「序奏とロンド・カプリチオーゾ作品28」は羽生結弦の軌跡における進化の表れであり、氷上で未だかつて披露されたことのない最も難しいプログラムと見なすことができる。最も難度が高いというのは、実施されたエレメントの基礎点のことではなく、多彩なステップ、音楽と完全に同調した緩急と複雑で自在な移動が散りばめられ、ほとんど片足滑走だったという意味である。最初の一秒から最後の瞬間まで、プログラム全体でクロスオーバーが僅か6回であったことも、「序奏とロンド・カプリチオーゾ作品28」を独創的で比類のないプログラムにしていた。 更に、プログラム全体に均等に配分されたトランジションでは、スケーティングスキルの評価における主要な基準である、多方向スケーティングの多さが存分に発揮されていた。
また、ヴァイオリン版の原曲ではなく、清塚信也の編曲によるピアノバージョンで滑るという独特で前例のない選択も大正解だった。特に並外れたステップシークエンスと最後の足替えコンビネーションスピンが証明しているように、全ての音、全てのアクセントが最大限まで引き立てられたからだ。
一言で言うと、個々のあらゆる細部まで磨き上げられ、技術面と芸術的要素の完璧な統合に達した小さな芸術作品である。
演技の前後には2度のオリンピックに関する他の映像も放送された。
年月は容赦なく過ぎていくが、コンディションは彼のピークより劣っているようには見えない。


☆ツイッターでマッシさんはこのプログラムの評価についてこうツイートしています:

昨シーズン末まで有効だったルールなら115以上のはずだろう。しかし、ジャッジによって適用されないことがしばしばあった。正直に言って私にはその理由が分からない。

☆一方、分析のエキスパート、マルティーナさんの評価はこちら

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☆私はイタリアに戻る前にギリギリで実家のテレビの大画面で見ることが出来ました!
美しかった~!

何というか「今の羽生結弦が一番上手い」を現在進行形で更新中ですね。
全日本の時、完璧と思いましたが、その完璧をも凌駕するクオリティ。
プロスケーターになってスケーティングや表現が磨かれて洗練されていく選手はこれまでにも多く見たことがありますが、ジャンプのクオリティまで更に進化って、やはり羽生君は人間じゃない(褒めてます)。

クリーンな踏切りでフワッと浮き上がり、完全に回転し切ってから降りてくる完璧なジャンプ。
最近ではすっかり主流になってしまった離氷前に3/4回転し、空中で実質3.2回転しか回っていないジャンプとは視覚的に高さも幅も迫力も明らかに違います。そして回転しながら着氷し、着氷してからもまだ回っているようなジャンプと違って、彼のジャンプは回転を終えてから着氷していますから、まるで丹頂鶴が氷上にすっと降り立つように優美です。しかも完璧に音楽と同調して。
全ての瞬間、爪先から指先まで身体の全ての部分が、最初から最後まで息を呑むほど美しく、2分50秒間、羽生結弦ワールドに引き込まれ、魔法をかけられました。
そしてサプライズのSEIMEIのコレオシークエンスの素晴らしさ、迫力!

間違いなく、今の羽生結弦が羽生結弦史上最も上手く、つまり当然のことながら、現在現役のどの選手よりも圧倒的に優れているのです。
このようなフィギュアスケートの至宝に「もう競技会に対して、そこに対する評価をもう求めなくなってしまった」「自分が理想としているフィギュアスケートを追い求めるのは競技会じゃなくてもできる」と言わせ、見切りを付けられてしまう競技って一体・・・

彼がフィギュアスケートやスポーツというジャンルを超えて、あらゆる国のあらゆる層のファンを獲得し、愛されていることは、Youtubeチャンネルの登録者数や動画の再生回数を見れば明らかです。彼の演技には、このスポーツに対する知識がなく、たまたま彼の演技を目にしただけの人も一瞬にして魅了し、虜にしてしまう魔力があるのです。

現在の彼の演技を見ると、依然として圧倒的に世界一であることは火を見るよりも明らかであり、彼がプロ転向を決断するに至るまでの葛藤の中で、ジャッジの評価に対する失望が少なからずあったことを思うと、やはり悔しい気持ちになります。でも羽生君がこうして北京の心の傷をも乗り越えていく姿を見て、胸がいっぱいになりました。
これからは、ジャッジの評価などの狭い枠を遥かに超えた世界で、自分が理想とするフィギュアスケートを自由に追い求めて欲しい。
ファンはフィギュアスケートではなく、羽生結弦のフィギュアスケートを見たいのだから

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu