マッシミリアーノさんのFBより「最後の最後まで闘い、今シーズン最高のフリーを滑り切った」

男子フリー後のマッシミリアーノさんの投稿とそこに寄せられたイタリアのスケートファンに皆さんのコメントです。

ネイサン・チェン(323.42)が埼玉世界選手権を制し、世界タイトルを守った。
2つのプログラムをミスなく滑ったチェンが、7度目の世界選手権メダルを獲得した羽生結弦(300.97)を上回った。
フリープログラムでは4本の4回転ジャンプを成功させたチェンが技術点でライバルを大きく上回った。
演技構成点で最高点を獲得した羽生は最後の最後まで闘い、今シーズン最高のフリーを滑り切った。
今大会、身体的コンディションがポテンシャルの80%ほどだったにも拘わらず、世界選手権では史上初のコンビネーションジャンプ、4トゥループ/3アクセルを成功させた。
規格外の日本の選手に足りなかったのは4サルコウだったという計算になる。ショートでは抜け、フリーでは回転不足だった。

☆スケートファンの皆さんのコメントから印象的なものをご紹介します。

  • 2つのプログラムをミスなく滑ったチェンは優勝に相応しかったと思うけれど、ユヅルは別の惑星にいた・・・彼はスケートを生きている。彼のような選手は他に誰も存在しない。比較の対象にならない。
  • 私がユヅルを愛していて、彼が負けるのは見るのは辛いことを今さら隠し立てしない。
    でもGOEについては納得がいかないわ。
    私の記憶が正しければ、GOEのプラス要件に難しい/意表を突く入り方という項目があったわね。そしてマイナス要件に拙い着氷/悪い姿勢というのがあったはず。
    チェンの優勝は妥当だったと思うけれど、正しく実施されたジャンプの幾つかは簡単な/意表を突かない入り方(両足滑走の長い助走)から跳び、着氷で堪えていた(爪先に重心がかかって着氷姿勢が前のめりで、流れるようなランディングではない)ように見えたわ。
    それなのに何故あんなにGOEが高いの?
    GOEがプラス評価なのは良しとして、それほど高いGOEをもらえるほど素晴らしいジャンプだったかしら?それから、他の要素の高いGOEは?
    私の思い違い?
    誰か分かるように説明して!
  • 正当な優勝。技術的に反論することは何もない。でも心を揺さぶることが出来るのは・・・羽生結弦だけ。
  • 私は少し唖然としたのは、勿論、チェンは何も盗んでいないことに変わりはないけれど、2人がジャンプとジャンプの間に行っていることには明らかな違いがあった。でも、こうしたことが正しく得点に反映されないなら、羽生は勝つために繋ぎをシンプルにして4回転ジャンプを増やした方がいいということになる。
  • 演技構成点は不適切だった。
    ユヅルはデフォルトで他の選手達より15点は高いPCSを獲得すべき。
  • この際、2つの選手権、ロボットジャンパーのための大会と、芸術的側面も正しく評価される大会に分けたらどう?
    そうでないと、もはやpattinaggio artistico(イタリア語のフィギュアスケート、英語でArtistic Skating)じゃなくなってしまうでしょう?
    ミスのなかったチェンが金メダルに相応しかったことに異存はないけれど、妙な採点で大会が「汚される」のを見るのは本当に辛いわ。
  • 私が「ハニュー依存症」であることを隠さないわ。
    でも彼は滑っているのではない・・・彼は氷を超えて、あなたを捕らえ、異次元に連れて行って、魂をプレゼントしてくれる。
    ディズニーの「ファンタジア」に出てくる氷の妖精を覚えている?
    彼はまさにあの妖精の一人なのよ。

☆こちらは国別対抗戦欠場発狂後に寄せられたイタリアのスケートファンの皆さんのメッセージ:

  • 欠場は予想していたわ。
    怪我が完治していないのだから、今はゆっくり休んでね。
    いずれにしても彼が成し遂げたことは偉大だった。
    常に前に進んでいく彼に深い敬意を。
  • 解説で言われていたように、世界選手権ではやはり100%のコンディションじゃなかったのね。
    リンクの中でも外でも並外れているこの選手に多大な敬意を!
  • 羽生は(一部のメディアが報じていたように)100%のコンディションとは1度も言っていない。今の状態の100%で、シーズン初めに理想としていた100%とは違うと言っていたし、怪我が完治していないとも言っていた。彼の火曜日/水曜日のコメントの文脈から読み取れるニュアンスは明らかだった。☆この方はオーストリア出身のファンで、日本のマスコミがしばしば羽生君のコメントの都合のいい部分だけを切りって編集し、ニュアンスを変えて報道することに腹を立てています。彼らには私達と違って言葉の壁はないはずなのに、なぜユヅの言葉を正確に伝えないのかと(羽生君の言葉、彼に対するコメントや彼に関する報道は全て細かいニュアンスに至るまで光の速度で英訳され、瞬く間に世界中のファンに拡散され、共有されています)

 

  • ということはイタリアにフォーカスしてくれるのかしら。
    ユヅルは完治することだけを考えるべきね。
    私達はまだまだ彼の魔法を必要としているのよ。
    私達だけじゃない。フィギュアスケートが彼を必要としているのよ!!!
  • 今シーズン、もう彼を見ることが出来ないのは本当に悲しいけれど、治療に専念することは正しい選択だと思う。こうなると、来シーズンの試合開始だけが何よりも楽しみになったわ。
    私達はユヅルが彼の全て世界最高得点を奪還するまで辞めないと知っているから。
    怪我が一刻もは早く良くなりますように・・・
  • 史上最高の選手
    早く怪我が治りますように・・・
  • 氷上における彼の詩を今シーズンもう見ることが出来ないのは残念だけれど、彼を信じて来シーズンを待っているわ!

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☆羽生君の怪我の詳細が発表されました
足関節外側靱帯損傷、三角靱帯損傷、右腓骨筋腱部損傷で2~3か月の加療が必要

本人が完治していないと言っていたし、昨シーズンの怪我が治癒するまでにかかった時間を考えれば・・・覚悟はしていたけれど😭😭😭

ロステレ杯直後の診断内容と変わっていないし、むしろ加療に必要な時間が長くなっている・・・
つまり全然治ってなかったのね・・・😭

日本開催でなければ欠場という選択肢もあったのかもしれない。
シーズン前にはこれからは自分自身のためにスケートを楽しみたいと話していた羽生君が、結局は日本のため、ファンのため、枠のために、怪我が悪化するリスクを冒して、2か月間も痛み止めを服用しながらジャンプを戻し、こんなギリギリの状態で闘っていたのですね・・・(この後に及んで国別欠場を批判している人達は満身創痍の彼が痛み止めを使って出場しなければ来季の日本男子は2枠だった現実をどう受け止めているのか)

そして4ループも入れた鬼構成を滑り切り、魂の演技を私達にプレゼントしてくれた
何という人でしょう

今度こそ本当に絶対に無理をせず、完全に治るまで休んで下さい!
例えどんなに時間がかかっても!

シニアデビューして以来、毎シーズン毎シーズン壮絶なジェットコースター展開でハニューファンは鍛えられています。だからいつまでも待つ覚悟は出来ています。

ファンを見くびらないで!
私達は強い!

 

☆今回の世界選手権、運営について不満の声がチラホラ聞こえてきます。
私は現地にいた訳ではないので、大会中の運営については分かりませんが、チケット販売についてユヅリーテ達の怒りを代弁して一言

実は大分前からフォーラムのユヅリーテ達はこの世界選手権観戦+日本旅行を企画していました。
ですから、10か月以上も前から東京、京都、仙台の宿泊先を調べ、公共交通機関や観光名所について調べ、自動翻訳を使いながら一生懸命計画を立てていました。

ところが彼女達の前に立ち塞がったチケット争奪戦という高い壁

日本開催ということでチケットの倍率が高く、入手するのはかなり困難ということは覚悟していましたが、問題は海外の人達がチケット争奪戦から事実上締め出され、購入のチャンスがほとんど与えられなかったということです。
日本では私が把握しているだけで、先行販売の抽選受付が3度あり、その後で一般販売がありました。
でも海外からの購入希望者に対しては日本向けの第3次抽選が終わった後に抽選受付が1度あっただけ。

日本向けの抽選申し込みページは日本国内からしかログインできず、仮にVPNを使ってアクセス出来ても、ユーザー登録には日本の携帯番号による本人認証が必要ですので、日本の携帯電話を持っていなければ登録を完了することは出来ません。
唯一のチャンスであった海外向け抽選にみんな申し込んでいましたが、見事に全滅。

結果的に当初予定されていた「ユヅリーテ患者一同日本旅行」は中止になり、日本のファンの協力で幸運にもチケットをゲットできた1人だけが日本に行くことが出来ました。

ユヅリーテ達だけでなく、イタリアとヨーロッパの他の国のスケートファンでも買えた人はほとんど皆無で、「NHK杯でも全日本選手権でもない、国際大会でしかもISU主催の世界選手権なのに酷い差別だ」と激怒していました。

今大会のチケットの倍率を考えると、仮に3度の抽選に申し込み、一般販売に参戦しても、チケットを入手することは出来なかったのかもしれない。
でも、少なくとも居住国に拘わらず、世界中の全員に分け隔てなく平等なチャンスが与えられるべきだったと私は思います。
彼らが憤っているように、国内大会ではない、国際大会、しかも世界選手権なのだから。

ヘルシンキ世界選手権でもミラノ世界選手権でも、バルセロナとマルセイユのGPFでもチケットは開催国の言語と英語の二か国語が選択可能な公式サイトで一斉に発売され、インターネットが繋がり、英語がある程度理解出来れば、誰でも世界中どこからでもチケットを買うことが出来ました。
ジオブロックなどなかった。

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu