天と地と~イタリアファンの感想

 

あけましておめでとうございます!
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ということで、2022年最初の投稿では先日ご紹介したマッシミリアーノのFB動画に寄せられたイタリアのスケートファンの皆さんのコメントをご紹介したいと思います。
フリー「天と地と」の感想です。
長文で熱く語っている方が多いです!

この演技について何か書く前に、何度も何度もプログラムを見返さなければならなかったわ。そして最終的に私が言いたいのは、羽生結弦がやっているスポーツがあり、それから他の人達がやっているスポーツがある。同じスポーツではない、ということ。
4Aは別として(自分の中のどこかでクリスマスの奇跡でクリーンに降りられることを期待していたことを認めるわ)、プログラムのそれ以外の部分を彼は戦意を喪失させられるほど簡単に実施していた。エレメントが簡単なのではない。それどころかその逆なのに、彼はまるでとても簡単なことのように見せてしまうのよ。よくエフォートレスのジャンプと言うけれど、彼の全てのジャンプはまるで空中に浮いているようだった。何の力みもない。堪えた着氷は一つもなかった(つまり、4Sで満場一致の+5を貰うために彼はこれ以上一体何をすればいいの???+3が「正義を!」と叫んでいるわ)。表現していない、あるいは音に合っていない動きは一つもなかった。
他の選手達がガラスショップにある象の置物なのに対して、彼はまるで軽やかな微風のようだったわ。
何を言えばいいの?しかも、彼はもう1年半以上一人で練習し、8カ月ぶりの実戦だった。怪我をして、食道炎を起こし、まるでフィギュアの聖杯のようなジャンプに挑戦し、そしてこのような2つのプログラムをオーブンから取り出した。
もはや獲得したタイトル云々の次元ではない。このスポーツに彼が持ち込む精神、これはメダルや勝敗よりもずっと長く残ることでしょう。
マッシミリアーノ・アンべージ、あなたはフィギュアスケートを救えるのは羽生結弦だけだと言ったわね。今日、本当に誰も手を打たないのかと思うと、私は一層悲しくなったのよ。彼らが今、自分達の手に何があるのか理解しなければ、彼が引退してしまったら、もう理解することはなくなるでしょう。そうなったら、フィギュアスケートは政治的戦争とロシア選手権女子シングルしか残らない。

聖なる言葉だわ

アーメン

同意するわ。そうなったら誰もこのスポーツを見なくなるでしょうね。

4A着氷は次回を待つとして(間違いなくお預けになっただけだ)、この2日の珠玉も含む、奇跡のような10年間(実際にはそれ以上だ)の後で、これ以上一体何を加えようというのか?イタリア百科事典が次に改訂される際には、造語リストに「Yuzuriano」(ユヅリアーノ)という形容詞が挿入されたら素敵だね。意味は勿論「他の者には想像不可能、水晶のような才能、確固たる意志、目を輝かせ魂を魅了するのも、言葉では表現し得ないもの、到達不可能」( 他にも追加出来ることは色々ある)だろう。
無理だろうけれど、そんな百科事典を想像するだけで僕は嬉しくなる。

途方もない演技だった。ショートも凄かったけれど、フリーはもっと凄かった。しかし何人かのジャッジの得点に困惑させられた。どうしたら、このようなプログラムのPCSが97点にも満たないのか僕には理解できない。
9.25が何個あった?1個、2個?OK、一番低い得点は切り捨てられる。しかしこの得点が大間違いであることに変わりはない。トランジションが9.25?スケーティングスキルで10が1個もない?史上最高の「スケーティングスキル」に?・・・どうしたらこんな得点を出せるんだ・・・3A-2Tのコンボに+3を出したジャッジが3人もいるなんてあり得ないだろう???どうやったら4T-eu-3Sのコンボに+3を出せるんだ?単独の3アクセルを+4にした2人のジャッジは一体何を見ていたんだ?トータルで少なくも3-4点は過小評価されている。あくまでも専門家ではなく、このスポーツを20年以上見ている一スケートファンである僕の個人的な意見だけれど。
しかも日本の国内大会でこれだから、オリンピックでの不利な採点を想像すると悪寒がする。幸運なことに羽生はいる。欠けているのは公正な採点システムだ。
マッシミリアーノ・アンべージ、これまでにも君の投稿に何度も同じことを書いたけれど、しつこいようだけれど繰り返す。
羽生はいつも過小評価されている。

FLY YUZU! ドキドキしながらオリンピックを待っているわ!

静かに、祈りながら、この氷上の詩を鑑賞します。

驚異的・・・他に言葉が思い浮かばないわ。比類のない技術と芸術の結晶。

別の言語で言い直してみるわ。でないと平凡になってしまうから・・・Hanyu je t’aime (フランス語で「愛してる」

羽生の芸術の魔法は、彼だけが住む別の惑星にあなたを連れていってくれる。あなたは、溢れんばかりの美、優雅さ、詩を目撃出来たことを彼に感謝することしか出来ない。

一言だけ・・・フィギュアスケートを愛する者は、フィギュアスケートが好きだと言う代わりに結弦が好きだという。

いつものことだけれど素晴らしかった・・・別の惑星だったわ。

結弦は純粋な魔法だ。もはや皆が「惑星ハニュー」について話している。住人が彼しかいない彼の惑星。今日、彼はまたしても、深く、ドラマチックで、哀愁を漂わせながら同時に甘美な、凝縮され、並外れた仕上がりに構築されたプログラムを見せてくれた。「惑星ハニュー」の住人は彼だけだが、彼は氷上に降臨する度に、僕達にも彼の世界に参加し、その惑星で生きているような錯覚を味合わせてくれる。ジャンプのクオリティについては語るだけ無駄だろう。衝撃的な精度で実施されている。次々に実施されるステップシークエンスは何の力みもなく実施され、プログラムを一層豊かに装飾している。休憩や休止がない、ジャンプと芸術的コンポーネントが切り離されることなく、全てが調和し、シームレスに繋がっている。
4アクセルについてはあまり掘り下げない。僕は4Aは必要ない、どうせ回転不足にされるし、得点的に旨味がないとい苦言を多く読んだ。しかし君達、僕達が見ているんのは、10年間このスポーツのオリュンポス山の頂上、波の頂に君臨し、史上最高の選手として記憶されながらいつでも現役を終えることが出来た選手なのだ。このような不変不動、限界を超えて、自分が出来ることをもっと見せたい、何よりも決して諦めない意志の強さはただ称賛することしか出来ないと僕は思う。10年以上に及ぶ栄光あるキャリアの後で、4Aのような究極難度のジャンプをプログラムに入れようと考えるだけでも、ただただ圧巻なのだ。
何度目か分からないが、ありがとうユヅ。

何と言えばいいのか、卓越、威厳、格調、謙虚???全てが羽生結弦の中にある!

羽生結弦は計り知れない人類の宝!!

別のレベル、至上と人類を超えている。4Aのようなジャンプを入りと出にトランジションを入れ、プログラムの雰囲気を維持したまま跳んでいたことに注目させられる。つまり、彼はこのジャンプを完全にプログラムの振付の一部として実施しているのよ。高得点を貰う他のスケーターのように、特にエッジを使わずに非常に簡単な入りから実施することも出来たでしょう。でも羽生はただの人ではなく、このスポーツの「完璧」と「美」に到達しなければ、彼にとっては成功したことにならないのよ。そして彼が如何に簡単にジャンプを跳ぶか?何の力みもなく実施される3アクセルを見て。今年もクリスマス祝日が聖なる日々になったと言うことが出来る。

どうしたら彼を愛さずにいられるの?

羽生結弦は進化し続けている。フィギュアの限界を知らないし、作らない。彼にはあらゆるステレオタイプを超えた究極の勇気がある。

大前提として、トリノでの試みと比較したら、今の4アクセルは全く別物になっていたわ。まず何よりも着氷で立つことが出来た、そして4回転は回っているように見えたわ・・・あと半回転・・・勿論半回転は大きいけれど、ここまでの進化を考慮すると・・・でも私が最も驚嘆させられたのは、4アクセルを入れたにも拘わらず、残りのプログラムを最後まで完璧に滑り切るエネルギーがあることよ。これは彼が克服しなければならなかった最大の課題だったと私は思うわ。年を取るどころか、彼は年齢の壁を回避する方法を見つけたように見えるわ。まさにオーサーが言ったように・・・ミスター羽生を見くびってはならない

4アクセル以降は、子供の遊びのようにさえ見えたわ。信じられない・・・

私が一番怖れていたのは、そこ(スタミナ)だったのだけれど・・・・全てをあまりにも簡単に軽々とやってのけた。まさに彼が言っていたように、4アクセルが上達すれば、プログラムの残りの部分も上達する、ということね。だって彼は他のジャンプを今までよりも更に安定して、より軽く実施するアプローチ方法を見つけたのだから。

私もフリーの残りの部分のスタミナを一番心配していたのよ。確かに夢の4アクセルだけれど、プログラムは4分続くし、私達がいつも心配している喘息やスタミナの問題を考えたら・・・一体どんな風にどれだけトレーニングを積んだのかしたら?今日の彼は実質、完璧で、フィニッシュの瞬間もまるで咲きたてのバラのようにフレッシュだった。

目の見えるジャッジを選んだら、羽生が大差でチェンを打ち負かすだろう。特に人をバカにしたようなアメリカ人の今年のフリープログラムを考えたら。羽生が己の挑戦と、プログラム全体の質と豊かさを決して犠牲にしない彼のフィギュアスケートの理想を貫くのは、正しいことだと思う。彼の目標はアメリカ人に無差別に与えられる得点を超えることではないと僕は思う。4アクセルは歴史に刻まれるだろう。そして衝撃的なのは、それが彼の素晴らしいプログラムに挿入された宝石の一つに過ぎないということだ。

またしても、崇高な刺繍で氷上を彩り、彼の「芸術」の魔法の中に私を連れていってくれた。、問答無用で彼を「愛しているわ」

Youtubeで彼の演技を全部見たけれど・・・催眠術をかけられてしまって・・・彼から目を逸らせることが出来ない。純度100%の圧倒的な魔法

オリンピックに向けて、更に難度を上げてくるでしょうけれど、取り敢えず今日もまた歴史のページを塗り替えたわ。

強靭な意志を持つエレガントで偉大な戦士。

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☆その他にも4Aの基礎点の低さ、ダウングレードで基礎点が8点に下がり、更にそこから-5(実質-3.89)引かれるのはあまりにも理不尽という声。五輪で4アクセルをやるのはあまりにもリスクが大きいから勝つなら4Loか4Lzにすべき、4Aは世界選手権で!という4A不要論派と、いやそもそも4Aがユヅの五輪出場の一番のモチベーションなのだから、五輪で決めて三連覇して欲しい、という4A推進派の議論が白熱していて中々面白かったです。
中には3A-2Tの後の3Loが4Loになるのでは?と言い出す人まで(そんなメチャクチャな😅・・・)

さて日本スケート連盟公式アカウントの年末カウントダウン
羽生君は大トリで登場しました

お正月の過ごし方
他の人はおせち料理を作る、ゆっくりしたい、という激戦の後の当然のコメントでしたが、羽生君はスケート、4A習得!
うん、分かっていたけど・・・軸作りとか回転のかけ方とか、やけに具体的で笑っちゃいました😂

でも、こんなに生き生きワクワクしている羽生君を見るのは久しぶりのような気がします。
やはり彼は根っからの勝負師なのだと思います
様々な苦悩や葛藤があり、揺れ動くことはあっても、彼が「メンタルでは最強」と評する9歳の結弦少年から本質は少しも変わっていないんだなあ、と
どうか、怪我に気を付けて、己の信じる道を邁進して下さい。

年始早々のNHKさんのこの記事も素晴らしかったです

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu