決意表明会見~アマチュアアスリートからプロアスリートへ

今日、羽生君の決意表明会見が開かれました。

早速マッシミリアーノさんが反応

羽生結弦が競技から引退することを正式に発表した。
記録と勝利で彩られた長い歩みを終え、競技会ではもはや見られないスケート芸術を広めることに焦点を当てた別の歩みを開始する。これは何かもっと素晴らしいことの始まりだ。ショーは終わっていない。

Facebookでは長文投稿

2022年7月19日、羽生結弦は競技から退くと発表した。
数週間前から囁かれていたニュースは、東京で行われた長い記者会見の中で正式に発表された。
日本の27歳は、北京オリンピックが終わってから、5月から6月にかけて12公演全てのチケットを完売させた一連のアイスショー「ファンタジーオンアイス」までの間に最終的な決断を下した説明した。

その競技人生は記録と勝利で塗り固められており、前例のほとんどない息の長さを証明している。

遥か昔2008年に弱冠13歳で開始した長い国際キャリアにおいて、日本の天才はジュニアとシニアの両カテゴリーにおけるあらゆるタイトルを獲得した(いわゆる「スーパースラム」である)。これはフィギュアスケート男子シングルでは史上初の快挙である。

輝かしい戦歴の中で特筆に値するのは2度のオリンピックタイトル、同じく2度の世界タイトル、そしてグランプリファイナル4連覇である。

無数の怪我と逆境に立ち向かい、何があっても再び立ち上がる能力によって、未だかつてないほどこの競技の技術的進化に貢献し、若い世代のスケーター達のインスピレーションの源となった。更に、次第に改正されて行くルールや現行ルールの適用に起因する困難にも拘わらず、羽生は芸術面と技術面の完璧な融合という自身が理想とするフィギュアスケートを追求し続けた。

体調が良いことを明言した後、彼は時間をかけて発展していくであろう様々なプロジェクトを進めながら、スケートを続けていくと言う明確な意図を表明した。同時に、試合で未だかつて成功したことのないエレメント、4回転アクセルを完璧に決めるという野望を今も胸に抱いていることを隠さなかった。


本日をもって正式に一つの時代が終わり、2022-2023年シーズンについては羽生後元年として話さなければならない。


☆昨日は翌日に羽生君が決意表明の会見を開くと知り、一日中ソワソワドキドキしていました。そして夜になって某スポーツ紙のフライング報道を読んでしまい、さすがに心臓にパンチを食らったようショックを受けました。

会見はイタリアからでも見れるのかな?なんて心配していましたが、複数の媒体がライブ配信してくれることになり(さすが羽生君!)、どこで見ようか迷うほどでした。
最終的にロイターのライブ配信を選んだのですが、大正解でした!開始から最後の写真撮影のセッションまで高画質ノーカットで配信してくれました。
こういう会見は大概、開始予定時間より遅れて始まるものですが、ぴったり17時に羽生君が登場し、こういったところもさすがですね。
引退会見というと、「体力の限界」とか「モチベーションの維持が困難」といったネガティブな言葉が出てきたりして、どうしても寂しいイメージがあるのですが、彼の会見はいわゆる「引退会見」の概念を覆す鮮烈なものでした。
本来なら競技生活からの「引退」が表明される、ともすればしんみりしがちな場所を、彼は意気揚々と決意が語られる、期待と希望に溢れる場所に変えてしまいました。

前に私はアイスショーより試合で競技する羽生結弦の方が好き、と書きましたが、正確には彼の競技プログラムが好きなのです。冒頭の緊張感の中で次々に決まっていく高難度ジャンプ、華麗なステップシークエンス、後半の畳みかけるように実施されるコンビネーションジャンプ、クライマックスのコレオシークエンス、超高難度ポジションのスピンでフィニッシュ!美しい高難度ジャンプとハイレベルなスケーティング技術、そして卓越した芸術性が融合された羽生君のスリリングなプログラムによってもたらされる興奮と高揚感には人を酔わせる、一種の麻薬のような魅力があります。でも、競技から引退したら、さすがにそんなプログラムはもう見られなくなってしまうだろう、という私の勝手な思い込みを彼は今日の会見で粉々に打ち砕き、蹴散らしていきました。それどころか、もっともっと凄いものを見続けさせてくれるに違いないという期待と確信を抱かせてくれる会見でした。

競技プログラムではジャンプの数と種類、スピンやステップのレベルを取るための規定が細かく決められていて、選手達はレベルを取りこぼさないために規定のポジションや回転数、クラスタをこなさなければなりません。しかし、羽生君の場合、プログラム全体が壮大なステップシークエンスとコレオシークエンスで、そこに技術要素を振付の一部として散りばめていく、あらゆる音を拾って身体を様々な部分を使って表現する、というルールで決められている以上のことが軽々と出来てしまうのです。そしてそんな彼の能力は、もはやISUのルールやジャッジが評価出来る域をとっくに超えてしまっています。その彼が、要素の規定とか得点といった枠に縛られずに自由にプログラムを作ったら、一体どんな作品が出来上がるのか楽しみでなりません。

羽生君は「アマチュア選手の引退」や「プロスケーター」の概念を変え、これまでのアイスショーとは違う新たなジャンルを切り開いていくつもりなのでしょう。
まさにゲームチェンジャー。本当に、何というスケールの人でしょう!

しかしイタリアを始め、海外のファンが羽生君の決断を支持し、尊重しつつ心配していることがあります。
「でも・・・もう日本でしか彼を見られないの?私達にはもう現地観戦は無理なの?」ということ

羽生君、あなたのファンは世界中のあらゆる大陸、あらゆる地域に散在しています。
どうか世界ツアーの企画も視野に入れて下さい!

ちなみにイタリアのファンは、イタリアにはユヅに相応しい会場があると胸を張っています😂

このブログ、タイトルが「惑星ハニュー」で、明らかに羽生君を応援する羽生君専門のブログなので、彼が現役を引退したら、いきなりイタリアの日常生活を語り出すのも無理があるし、やめようと思っていました。でも当分やめられそうもありませんね
これからも引き続き、プロアスリートの羽生結弦を応援します!

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu