4月25日~解放記念日

4月25日はイタリアの解放記念日です。

いわゆる第二次世界大戦の終戦記念日ですが、イタリア人にとっては、ナチス・ドイツとムッソリーニ率いるファシストから解放されたおめでたい日なのです。

イタリアは日本、ドイツと共に連合軍に負けた側ですが、同じ敗戦国でも戦争犠牲者をしんみりと追悼する日本の終戦記念日とはあまりにも雰囲気が違うことに最初びっくりし、お国柄の違い?と思ったものです。しかし、イタリアの民衆とファシスト勢力との戦いの歴史を知った時、この日の持つ意味が理解出来ました。

第二次世界大戦時、イタリア国民の敵は連合軍ではなく、ムッソリーニとファシストでした。
1945年4月25日はイタリア各地で蜂起したゲリラ軍によるレジスタンス運動により、ミラノ・トリノなどの北部主要都市がドイツ軍から解放され、ムッソリーニ政権が崩壊した日なのです。

イタリア人にとって、自分達の力で独裁政権を倒し、自由を勝ち取った4月25日は非常に重要な意味を持つ祝日であり、毎年この解放記念日にはセレモニーや航空ショーが行われ、反ファシズム運動の中心勢力であったパルチザンが戦いの中で己を鼓舞するために歌っていたという歌「Bella Ciao」が歌われます。

Bella Ciaoは戦後も「自由を勝ち取ったことへの讃美歌」として国際的に歌われるようになり、イタリアでは買い物と健康上の理由以外の外出が一切禁じられたコロナ第一波時の最も厳格なロックダウン中、人々はベランダに出てこの歌を歌い、互いを励まし合いました。

Bella Ciao

そしてイタリアがファシストから解放された1945年から77年が経過した現在、ウクライナという主権国家が一人の狂った独裁者によって人権を踏みにじられ、民主主義を脅かされています。
ロシアがウクライナに対して行っていることは、情状酌量の余地が全くない残酷な犯罪行為に他なりません。

こちらはウクライナの英雄、ACミランの元エースストライカー、アンドレイ・シェフチェンコの記事です。

「ウクライナのためなら死んでもいいと詠った詩だ」サッカー界の“英雄”シェフチェンコが筆者の前で暗誦した“祖国の詩” – 海外サッカー – Number Web – ナンバー (bunshun.jp)

この記事を読むと、ウクライナ人の強さ、これほどの犠牲を出しながら、何故彼らが戦い続けるのかが理解出来ます。

シェフチェンコの現役時代、ACミランのファンである夫とスタジアムで試合を観戦し、彼の素晴らしいゴールを何度も目の前で見ました。その彼が、現在、母国と同胞を支援するために自身の生活の全てを捧げています。

驕れる者は久しからず・・・
プーチン政権が滅び、ウクライナに再び平和が訪れることを心から願うばかりです。

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu