24時間テレビ

実家のテレビでリアルタイムで見ることが出来ました!😭

実は今、日本に帰国中なのです。
コロナ禍で1年半以上、親に会えていませんでしたし、仕事の都合上8月に帰国しなければ、この先いつ帰国出来るか分からないので、ワクチン2回目の接種を終えた後、強行スケジュールで帰国しました。

とはいうものの、滞在期間の大半が自主隔離、ようやく2週間の隔離が終わった今も緊急事態宣言が出ていますから、同じ市内に住む友人とランチをしたぐらいで、都内の他の友人とは電話のみ、いつも帰国時には必ず東急ハンズには行くのですが、この状況で渋谷はマズイだろうとこれも自粛。PCを新調するためにビックカメラに行きたいけど、どうしようか思案中、という具合で本当に親の顔を見るためだけに帰ってきたような自粛帰国です。

でも今日の羽生君のこの演技をテレビの大画面でリアルタイムで見られただけで、無理をして帰ってきた価値がありました:awww:・・・

最小限のスタッフで、ということで派手な演出や照明はありませんでしたが、彼にはそんなものは必要ないのですね。
そこに氷があり、羽生結弦がいるだけで芸術が生まれるのです。
飾りや演出は必要ありませんでした。

個人的にホワイトレジェンドが再び見ることが出来てとても嬉しかったです。
彼が15歳の時から滑っているプログラムですが、ニース世界選手権で初めて銅メダルを獲得した後のエキシ、ソチ五輪金メダルの後のエキシ、凱旋アイスショーとなった「Together On Ice」と、いつも彼にとってターニングポイントとなった重要な機会に披露されてきました。

今回、東日本大震災から10年目ということで思い入れの強いこのプログラムに立ち返ったのではないでしょうか?

16歳の彼が四大陸選手権で初めて銀メダルを獲得したのもこのプログラムでした。
私はまさにこの時の彼の演技を見て、その超絶な美少年ぶり(笑)としなやかで優美で、これまでの男子フィギュアでは見たことのなかった身体表現に目が釘付けになりました。

それまで男子フィギュアというと、前半は4回転ジャンプや3アクセル等の高難度ジャンプを跳ぶために表現はお留守になっていて、ジャンプから解放されてからステップシークエンス&顔芸で表現に入る、というイメージでした。しかし、羽生君は当時から既に身体全体で音楽を表現していて、ジャンプすらも表現の一部になっていました。これまでの男子スケーターとは芸術性においても何かが違う、とすぐに感じたものです。
だから前々から日本の解説者達が強調していた色気+顔芸=表現力という解釈(これって日本だけの風潮だと思います。バレエでもモダンバレエでもヨーロッパの身体芸術では色気や顔芸は芸術性にはあまり関係ない)に違和感を覚えていた私は、すぐに彼の純粋な芸術性に魅せられました。

少女のように線の細かったあの頃に比べると、筋肉がついて体格ががっしりし、今ではすっかり大人の男性ですが、このプログラムの彼は霊妙で軽やかで、まさに白鳥の化身でした。
ていうか26歳男性であの衣装を着こなせる人が他にいるでしょうか?

あの4T・・・
あんなえげつないことをサラっとやってしまう😱・・・
着氷後、フリーレッグを降ろさずにアラベスクに繋げ、更に足を前方に移動させて別のポーズに変形させていましたが、床上でやってもバランスを取るのが大変なポーズなのに、4Tの後って・・・
彼の体幹とコントロール力は一体どうなっているのでしょうか?
4Tの出にこのような動きを取り入れるというアイデア、独創性も素晴らしいですね(そしてそれが出来てしまう彼の技術も)。

バックに自動販売機が見えようとそんなことは全く気ならない美しさ。
まさに羽生結弦の世界観に支配されていました。

そして最後のパンケーキツイヅルからスピンのパッセージは個人的に彼の数あるプログラムの中でも最も好きな振付です。
しかもパンケーキツイヅルもスピンも更に長くなっていましたね。

パンケーキツイヅルはソチのエキシでイタリアの解説者、ダニーリオ・フレーリさんが「あの移動しながら低姿勢でスピンする一種のツイズル(笑)!こんなのは初めて見たよ!メ・ラ・ヴィ・リ・オーゾ!!!」と絶賛していました。

イタリア解説「2014ソチオリンピック~羽生結弦EX」

このパンケーキの手を広げたバージョンをロミジュリのサーキュラーステップシークエンスで入れていましたね。
ニースのロミジュリに感動したイタリアの男性が「おそらく初めて見るフィギュア要素(横方向に移行するスピン)」と描写しています。

Piroetteより「羽生結弦のロミオ+ジュリエット:音楽と振付を追想する」

そして2曲目、「花になれ」は大雨による被害やコロナの感染拡大といった暗いニュースが続く日々にひと吹きの清涼な空気をもたらす春風のようでした。
歌を口ずさみながら笑顔で滑る彼を見ているだけで幸せな気持ちになれました。

それにしても彼の演技には何故これほど感動させられるのでしょうか?
確固たる技術に裏打ちされた芸術性は言うまでもありませんが、それ以上の何か、人智を超えた何かが見る者の心をこれほど揺すぶるのです。
そしてこの「何か」は唯一無比のもので、人工的に作り出せるものではないのです。

マッシミリアーノさんも反応していました

フィギュアスケートにおける「エフォートレス」の意味がよく分からない人のために(特に英語圏の人達)羽生は壮麗な4トゥループを実施してその概念を説明してくれた。
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Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu