マッシミリアーノさんのFBより「ORIGIN~史上最高のプログラムの予感」

羽生結弦選手が初戦オータムクラシックを優勝で飾り、順調なジーズンスタートを切りました。

恐るべき神プログラムにイタリアでも歓喜と絶賛の嵐です。
週末中に訳してしまいたかったのですが、OtonalとOriginの動画のループが止まらなくなり、今になってしまいました。

まずはマッシミリアーノさんのFB投稿とそこに寄せられたスケートファンの皆さんのコメントから

スクリーンショット 2018-09-23 12.22.31
黒と金色を基調としたコスチュームを身に纏って、演技直前にフォームアップをする羽生結弦(三尾圭)

7か月ぶりに競技に戻ってきた羽生結弦はオータムクラシックインターナショナルで3度目の優勝を飾った(出場4回目)。 フリープログラム(165.91)ではすぐに緊張していることが見て取れた。

前半を一糸の乱れもなく滑り終えた後(4Lo、4T、3Loを綺麗に成功)、4サルコウで軸が曲がって転倒、4トゥループはダブルになった。

コンビネーション3A+2TといつものクオリティではなかったもののプラスのGOEに値した3Aでプログラムを終えた。 全体的に上々のスタートで、特筆に値すべきは重要な4ループが完全に戻ってきたことが証明されたことだ。

現時点では4クワド+5トリプル(4Lo, 4T, 3Lo, 4S+3T, 4T+euler+3S, 3A+2T, 3A)の構成だ。

いずれ5クワド+4トリプル (4A, 4Lo, 4T, 4S+3T, 4T+euler+3S, 3A+2T, 3A)にするつもりだ。

Work in progress.

https://www.youtube.com/watch?v=PiYh68GzpJk

☆イタリアのスケートファンの皆さんのコメント

7か月ぶりの実戦の上、何か月もジャンプの練習が出来なかったことを考慮したら9月にここまで出来ているのは上出来じゃない?

本当にうっとりさせられる美しいプログラム・・・先シーズンのSEIMEIの後、同じように歓喜させられるとは思わなかった。最初の演技からこうなのよ・・・
シーズンが進んで滑り込まれたプログラムを見られるのが待ちきれない。
いずれにしても私にとっては、彼がリンクから出て、キス&クライから出て行ったら、アリーナを閉めてしまってもいいと思うわ(他を見る必要はない)

壮大なプログラムだけれど、今のこの準備段階で完全に滑りこなすのは困難ね。
悪魔が乗り移ったようなステップシークエンス、テンポの速い激しいリズム。ものすごく体力を消耗するプログラムだわ。
ごめんなさい、はっきり言っていい? このプログラムで彼がやっているステップは、他の選手なら2プログラム分の質量よ。
マックスの言う通りWork in progressだけれど、もし完成させることができたら・・・全員逃げ出すわね

 

そして彼なら必ず出来る。きっと完璧なプログラムを完成させるはずよ

 

音楽だけでも宝石のような輝きがあるのに・・・とてつもないスペクタクルね。 当然、まだ彼のポテンシャルが最大限に発揮されていないのは明らかだけれど、既にとてつもない感動が伝わってきた。彼にしか伝えることの出来ない感動が!!! だから頑張ってユヅ!

 

彼は4Teu3Sのところで4T3Aを跳びたかったのよ。それで気が散って4Tがパンクしたんじゃないかしら?彼によくあることだけれど、滑りながら考えすぎてしまったのよ

途方もなかった・・・彼が滑る時、まるで突風のように感動を湧き起こさせる・・・
並外れた音楽・・・そしてこれを彼にしか出来ない方法で演じて見せた・・・
私の心臓はまだ高鳴っているわ・・・

 

まだ初戦だし、これから滑り込んでいく必要はあるけれど・・・
私の意見ではSEIMEIとホープ&レガシーさえも超える、途方もないものを見ることになる危険があるわ!!!

 

彼のプログラムを初めて見たけれど・・・息が出来なくなった。 まだトップの状態ではないというのに・・・愛しているわ

********************************

☆さすがに4Aを入れても5クワドにはしないと思う・・・😅

今のところ、4Lo, 4T, 3Lo, 4S+3T, 4T+3A, 3F+2T, 3Aで4Aが入ったら4Loは抜くのかな?
足首の状態次第で3Loが3F、3F+2Tが3Lz+2Tになるかもしれないけれど、羽生君は体調さえ万全なら苦手なジャンプがないし、コンボのバリエーションも豊富なので色々なオプションが考えられます(何気に4T-eu-4Sとか4S-eu+4Sも跳べるんですよね・・・4T/3Aが出来たら次は4T-eu-4Sとかもあり得るんでしょうか・・・😨)

初公開のOrigin

あまりにもスケールが大きくて何と形容したらいいのか分からない・・・
天地創造? 神降臨?未知との遭遇?

どんな言葉もプログラムの壮大さに比べると陳腐に聞こえてしまう。
ジャンプでミスがあってもこれほど引き込まれるのに、これを完璧に滑られた日には一体どうなってしまうのか!!!

これまでのチェレンジャーシリーズを見た感じでは、フリーの時間が4分に短縮され、ジャンプのミスによる減点が致命的になった影響で、コリヤダ選手のように1種クワドに構成を落とし、繋ぎを増やしてPCSとGOEで稼ごうとする戦略を取る選手がいる一方で、多種複数クワドをキープする選手達はより確実にジャンプを成功させるために、助走を多めにとって繋ぎを省き、プログラムが先シーズンに比べて明らかに薄くなった印象を受けます。

そんな中で1ミリも妥協せず、多大なリスクを覚悟で多種多数クワドと繋ぎ満載の超高難度プログラムを完璧な形で両立させようとする羽生君は、目指しているところの次元が他の選手達とは違うのでしょう。
本当に別の次元で競技しているように見えます。

OriginもOtonalも繋ぎが濃いどころのレベルではなく、ジャンプやスピンなどの各要素がトランジションやコレオと完全に一体化する域にまで達した、まさに羽生史上最高難度のプログラムだと思います(とりあえず、今回羽生君のSSとTRに7.75とか8点台を付けたジャッジには、プログラムで彼がこなしているステップやターンを全て識別して名前を言えるかどうかテストを受けて頂きたい!)。

その上、ジャンプの入りもそうですが、スピンの構成も一新し、全く新しいポジションや入り方を導入しています。 普通、どの選手もやり慣れたスピンを毎シーズン使い回しているというのに

今回、元々スピナーの羽生君のスピンが無効になったりVが付いたりしたのは、初戦までにとりあえずジャンプを戻すことが最優先で、さすがに新生スピンの練習まで手が回らなかったのではないでしょうか。
この辺りからも、「これからは得点や勝ち負けに束縛され過ぎずにやりたいことをやる」と言っていた彼のこだわりや挑戦、もっともっと進化したいと渇望するあくなき向上心が伺えます。

怪我の治療とリハビリで例年より練習開始が数か月遅れていて、おそらく足首の状態を見ながら練習時間も制限していると思うのに、9月の段階でこのような超高難度のプログラムがここまで仕上がっているのは驚異的です!!!
平昌後の引退も覚悟していたファンとしては、あらゆる記録とタイトルを総なめにしているオリンピック二連覇のGOATが、グランプリシリーズどころかB級大会から出場してくれて、しかもこれほどの神プログラムを2つも作ってくれたことに感謝と感動しかありません。

グランプリのヘルシンキ大会まで約6週間。
この2つのプログラムがどんな風に進化していくのか、楽しみです!

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu