かなりマニアックなフィギュアスケート情報サイトArtOnIce.it(氷上の芸術)に掲載された記事です。
2018年2月17日
羽生結弦は金メダルを勝ち取った。ただの金メダルではない、逆境と痛み、そして3か月前に足首の靱帯に負った負傷のために長いリハビリ加療に耐えた後、最高レベルで復帰するという困難を乗り越えて得た勝利だった。
試合直後、涙を流しながら彼が絞り出すことが出来た言葉はこれだけだった。
「言葉がありません・・・感激で胸がいっぱいです・・・
僕のキャリアで最も素晴らしい日です。僕のこの涙は心の底から溢れる涙です。僕に言える言葉は唯一つ、『幸せ』だけです!!!」
プレスカンファレンスでは自身が向き合った苦難を認めた。
「怪我を考慮すると、オリンピックで滑ることが出来たのは本当に幸運でした。この結果を誇りに思います。今の自分に出来ることをプログラムに入れなければなりませんでした」
ギリス・グラフストローム(1920年から1928年)の記録に並ぶ三連覇を達成するために2022年のオリンピックに出場するかという質問に対し、4年後のことは考えるだけでもまだ早過ぎると答えた。
「まず怪我を完全に治さなければなりません。右足にはかなり無理をさせてしまいましたので」
歴史的勝利の後、日本中(日本だけではないが)がお祭りモードに包まれた。ソーシャルネットワークは数百万件以上のハッシュタグ「羽生くん」を含むツイートに溢れ、世界中で最もツイートされたハッシュタグになった。
日本の安倍総理大臣と最後に五輪二連覇を達成したスケーター、ディック・バトン(1948年と1952年)からも祝福のメッセージが届いた。
日本は羽生と宇野の歴史的な五輪ワンツーフィニッシュにも沸いた。
一方、フェルナンデスはスペインにこの競技での史上初の五輪メダルを贈った。
ハビエル・フェルナンデスと言えば、順位が発表された後、リンクメイトの羽生と長い間抱き合った。
そう、羽生はこうコメントしている。
「僕達は同じ時に二人揃って上手く行くことがほとんどないんです。
彼が上手く行くと、僕は上手く行かない。そうすると、彼に後れを取らないよう、ひたすら練習しなければという気になる。
逆に僕が上手く出来て彼が上手く出来ないと、彼も同じ刺激を受ける。
互いに感情移入し合って練習することで、僕達は効率的に上達することが出来るんです。
彼には言葉では伝えきれないほど感謝しています」
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日本では銀メダルの宇野昌磨君とのワンツーフィニッシュが話題になりましたが、イタリアではヨーロッパということもあり、リンクメイトであるハビエル選手とのライバル/友人関係の方が注目されており、様々なメディアが二人の素晴らしい関係性について触れています。