DOI2021:マスカレイド再演~ファンの感想+イタリアEURO優勝!!!

2019年のファンタジーオンアイスでToshIさんとのコラボで披露された「マスカレイド」

「カヴァレリア・ルスティカーナ」のようなイタリアヴェリズモオペラの世界観を彷彿させるロマンチックでドラマチックな旋律とToshIさんの美声、情熱と葛藤と哀愁がミックスされた刹那的で激しい演技、赤と黒の衣装、オールバックヘア、衝撃的なラストの手袋投げつけ、全てがイタリア好みというか、イタリア人の感性と琴線にドンピシャリで、当時から絶賛の嵐で再演を切望する声は後を絶ちませんでした。

今回、ドリームオンアイスでのまさかの再演にイタリアのファンは歓喜していました。
FBのファングループ「羽生結弦イタリアンFBファングループ」から印象的なコメントを拾ってきました。


彼は滑っているのではない、舞っているのよ!神々しいわ!!!

全ての演技がオリジナル作品で、見飽きるということがない。既視感が全くないのよ。もはや冒頭の彼の声によるイントロダクションでさえ完全に彼の芸術に一部のようだわ。彼の表現力は完全に自由だから、普通のフィギュアスケートの中には収まり切れない「別次元」に到達しているわ。もはや彼にとって試合は4Aを正式に認定させるためだけに必要なものなのよ。

結弦の叫び、そして天に向かって投げられた手袋を含む今日のマスカレイドの演技はFanyuの記憶に永遠に刻まれることでしょう。考えさせられずにはいられない純粋な情熱。

息が止まって・・・言葉が出ない


今日の彼は感情を解き放ち、爆発させていた昨日のマスカレイドより、より内面的で自分の世界に没頭しているように見えるわ・・・カメラの角度のせいなのか、私の印象なのか分からないけれど・・・どちらの演技も素晴らしいけれど。それに彼は一つのキャラクターを千の方法で演じることが出来る。

彼はその瞬間の感情を表現するから彼の演技はその時によっていつも違うと何度も語っているわ。そして同じように、彼は自分の感じていることや、そのプログラムの物語を観客に伝達しようとする。そして彼は感動を与えたいと願っている。その人の性格や人生によって感じ方や解釈が異なる感動を。

あなたはどんな印象を持った?

私はこのような違いには気が付かなかったわ。千秋楽の演技は意識がより深奥なところにあったのかもしれない。それをより「内面的」と定義してよいのか分からないけれど。いずれにしても彼を見る度にこれ以上の演技はないと思わされ、次に見る時、彼はその更に上を行く演技を見せてくれるのよ。

あなたの言う通りかもしれないわね。私はあと数百回見るための言い訳を見つけようとしているのかもしれないわ。

これまでに何度も書いたけれど、彼はある意味で常に内面的(私的)だと思うわ。彼の演技は何かの自発的表現ではない。彼は音楽を感じ、生き、彼独自の方法でその音楽と融合するのよ。彼が何かを見せるのではなく、観客が彼の泡の中に吸い込まれて、そこから抜け出せなくなるのよ。

ディレイドアクセル離氷後、少し遅れて1回転だけ回るシングルアクセルよ。今回は両手を上げて実施した・・・信じられない!

今日の演技では音声がよりユヅに「フォーカス」されていたわね。
でも彼は本当に叫んでいたわ・・・私は石化したわ(茫然自失の状態だった)。きっとToshIもどこかで石化してたんじゃないかしら?

トピックに関係ないコメントでごめんなさいね。でも私はソチのグランプリを見に行こうと本気で考えているのよ。

このプログラムはここにいる全員、彼のファン、フィギュアスケートを愛する人へのプレゼントよ。だって彼は「鑑賞すべき人」だから。
羽生結弦のような人は他に存在しない。過去も、現在も、そしておそらく未来も。
完璧な技術、身体と音楽の完全な融合。音楽のどんな微細なニュアンスも可視化し、音楽を「演じる」のではなく「感じる」人だけが感知できる、そして見る者に感知させることが出来る「振動」を生じさせることが出来る。強烈で相反する感情。
純粋な才能、物質的能力、最高レベルの技術(にも拘わらず、彼は常にハードルを押し上げることが出来る)、場を支配する力、極上の「芸術性」、深い感情、そして独特の表現力。
これら全ては、並外れた天性の資質から生まれ、絶え間ない努力、完全な情熱、絶対的な献身、地道な作業の積み重ね、そして多くの犠牲と困難な試練によって磨かれ、高められてきました。
そして今、私達は現在の彼の成熟を見ているのです。あの雄叫びが彼のファンなら誰もがその理由をよく知っている、今現在の彼のフラストレーションの発散なのか(私はそう感じたわ)、2012年のニースで性急で激しい情熱を爆発させていた小さな結弦が再び出現したのかは分からない。そしてあの頃の結弦は今でも彼の中にしっかりと存在していて、彼の不屈の闘志は、多くの人がそれを弱らせようと試み続けているにも拘わらず、今も休眠することはなく燃えているのです。
羽生時代に生きられる私達は幸運です。

全日本の「天と地と」は闘争性と円熟という観点において、誰も近づけない、何か超越した域にあったわね。スポーツ哲学の概念のような・・・今日、私達は彼の秘密の部屋に入れてもらえた。そして心と胃に強い衝撃を受けたわ。

彼は恒星
誰も彼には近づけない。
見る度に進化している
人間じゃないわ
私達哀れな人間はどうしたらよいのか

DOIは日を追うごとにスペクタクルになっていったわ。でも今日の彼は神がかっていた。彼が叫んだ時、骨の髄まで揺さぶられたわ。この情熱はこの銀河のものではない。新しい時代のものよ。

マスカレイドは傑作。
永遠にさようなら世界。私は死んだわ・・・

神よ
何といったらいいのか・・・この演技は3Aだけで拍手喝采に値するわ。そしてイナバウアーはいつも氷上を滑る「夢」よ。

 

<3アクセルについて>


4アクセルにフォーカスした特訓によってユヅのアクセルは変化したわね。途方もない高さ・・・ここでは4.5回転は回っていないけれど、間違いなくトリプルに求められる3.5回転より多く回っているわ。だから空中で完全に回転を終えて、降りてながらコーヒーを飲む余裕があるぐらいよ・・・でもこの高さからコントロールして着氷するのは並大抵のことではないでしょうね・・・

私はユヅの3Aと、アクセルが得意な他の選手の3Aのスローモーションをいつも見比べてみるのだけれど、ジャンプの差は一目瞭然だわ。結弦の唯一無比の実施のクオリティも含めて・・・他の選手は全員、上に向かって離氷するけれど、結弦は空中に対角線を描く、つまり非常に空中で水平に移動していくジャンプなのよ。

そして今、彼の3アクセルは完全に戻ってきたわね。数カ月前は4Aの猛特訓のせいで3アクセルの感覚が少し狂っていたようだけれど。インタビューで4アクセルと3アクセルは完全に別のジャンプで、実施する技術も異なると言っていたわね。


この写真を見て!何て美しくて魅力的なの!

真剣な、ちょっと威嚇するような顔をする時の彼が私はどうしようもなく好きなのよ!♥

美しいわ・・・もの凄く美しい


これは彼のインタビューの一部が含まれるプログラムの動画よ。「フィギュアスケート= 羽生結弦の人生」 ( figure skating = Yuzuru Hanyu‘s life)と断言した彼の決然とした態度からは、4Aという目標だけでなく、若い後輩達(彼のプログラムを眺める駿、佳生、優真、梨花)の模範になり、この先何が起ころうと、このスポーツの未来を構築し続ける、という覚悟を感じるわ。少なくとも私はそう感じたわ。

 

☆試合ではなく、遠い日本で行われた、有料チャンネルでしか放送されたかったアイスショーだったにも拘わらずイタリアのジャーナリスト達が何人か反応していました。

マッシミリアーノさんは言わずもがな

アイスショー「ドリームオンアイス」初日公演に出演した羽生結弦は、新シーズンの一番の目標は4アクセルを着氷させることであることを改めて明言した。
「最大の夢を実現するために全力を尽くします」。
ショートプログラムは新しくなるが、曲目はまだ発表されていない。
いずれで見ることになるだろう。


4回転半は競技スケーターとしての人生をかけた最後の夢。全てをかけてそこに辿り着きたい。
目標は2種類の4回転ジャンプを最初に成功させた史上唯一の男子になることだ。このクオリティの3アクセルを持つ者にだけ可能なことだ。

お馴染みOA Sportのファブリツィオ・テスタさん


人間じゃない

サッカージャーナリストのアレックス・シルベストリさんのツイート


ユヅル・・・氷上の奇跡

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☆ドリームオンアイス、まさかマスカレイドと思っていませんでしたので、スターズオンアイスのプリンスに続く嬉しいサプライズでした。

この演技を見て改めて思ったのは、羽生君のスケートはもはや競技やスポーツの域を遥かに超えていて、フィギュアスケートの狭い世界だけを見てきたジャッジが評価するのは無理、ということです。
言ってみれば、吹奏楽しかやったことのない人にチャイコフスキーのピアノコンチェルトを審査させるようなものです。
各国連盟の付度とかそういうことはひとまず置いておいたとしても、そもそもジャッジ達のレベルが羽生結弦に全く追いついていないのです。

陸上のクラシックバレエやモダンバレエと違って、氷上でスケート靴を履いて演じるからこういう動き、こういうポーズは無理、という境界を彼は完全に取り払ってしまいました。
ジャンプを跳ばないといけないから、氷上だから、スケート靴を履いているからというフィギュアスケート特有の制限がもはや彼にはありません。他の選手がジャンプを跳ぶためにクロスオーバーでスピードを出すところも、彼は独創的なトランジションに変えてしまう。
最初から最後までどこを切り取っても美しく、ただ滑っている(漕いでいる)ところが一箇所もなく、どの瞬間も音楽と完全にコネクトしています。それどころか余りにも音に溶け込んでいて彼自身がその四肢で音楽を奏でているような錯覚すら覚えるのです。
羽生君がスケート界に現れてから、私達はフィギュアスケートでここまで出来るのか、スポーツでありながらここまで芸術性を極めることが出来るのか、というスポーツが芸術に昇華する過程を見せてもらっているのです。

ショートプログラムは新プロなんですね。
曲目はまだ発表されていませんでしたが、「羽生結弦にしか出来ないプログラム」ということなので期待しかありません!


イタリアがUEFAユーロ2020優勝!!!🏆🎉

このところずっと仕事に忙殺されていてブログの更新どころではなかったのですが、日曜日の夕方になって「このところずっと土日も1日中仕事だったし、今日は自分へのご褒美として数時間だけ羽生君タイムを取ってもいいよね」とファンのコメントを拾い集めたのですが、そうこうしている内にユーロ2020決勝「イタリア対イングランド」が始まってしまいました!

「これは絶対見なければ!Forza Azzurri!💪 翻訳とブログの更新はその後で」
とテレビの前へ!

しかし試合は90分で決着がつかず、延長戦に突入、更にPK戦にもつれ込みました。

そして

イタリアがユーロを制したのは何と53年ぶりとかで、サッカーファンの夫が歓喜して「祝杯をあげよう」と言い出して、「えっ、今から?」と思いましたが、平昌で羽生君が66年ぶりの五輪二連覇を達成した時はもの凄く高価なスプマンテを買ってきて一緒に祝ってくれましたし、私達の住居はドゥオーモ広場に結構近いので、広場に集まったファンの大合唱や花火やそこら中を周回する車のクラクションがうるさくて、とても今から寝るって雰囲気ではありませんでしたので、冷蔵庫のスプマンテを開けて真夜中に乾杯!🥂

いや~めでたい!
そして凄い試合でした!

国営テレビRaiチャンネルで放送されたユーロのイタリア戦の視聴率はグループリーグから毎回60%以上。決勝は73%だったそうです。
ここに衛生放送のSkyチャンネルやライストで見ていた人、パブリックビューやパブなど外で見た人を加えると、国民の実質9割近くが昨晩の決勝戦が見たのではないでしょうか。

イタリアは新型コロナに最も苦しめられた国の一つです。医療従事者を含む大勢の人が亡くなり、ヨーロッパで最初に感染が爆発したため、当初は周りのヨーロッパ諸国からコロナ震源地とかなり白い目で見られました(イタリアは元々ドイツとフランスに頭が上がらず、欧州の埼玉のような微妙な立ち位置なのです)。

そして最も厳格なロックダウンが適用された国の一つでしたが、余りにも多くの死者を出し、あまりにも悲惨な状況に直面したイタリアでは、欧州の他の国ほど反発は起こらず、むしろ普段は個人主義でお上に逆らうのが大好きなイタリア人が自国を窮地から救うために団結し、政府の厳しい政策に従いました。

ワクチンの浸透によってようやく終息の道筋が見えてきた矢先のイタリアのユーロ優勝。
そして2018年のロシアW杯では60年ぶりの予選敗退という屈辱を味わい、当時ボロクソに叩かれたアッズーリ(イタリアチームの愛称)にとっても、まさにどん底から這い上がって掴んだ栄冠でした。

イタリアの人達はアッズーリの劇的な復活をイタリアのパンデミックからの復活と重ね合わせ、今回の優勝を長く苦しいコロナ禍のトンネルの先に見出した、長い間我慢したことに対する「ご褒美」のように感じたのではないでしょうか(デルタ株もありますし、まだ完全に終息していないんですが)。

昨日の優勝の後、#RinascimentoAzzurroというハッシュタグがトレンドになっていました。
Azzurroはイタリアチームを指すアッズーリの単数形ですが、元の意味は「青色の」という色を表す言葉です。Rinascimentoは14世紀後半にイタリアを中心に起こった文芸復興「ルネッサンス」のことですが、再生、復活という意味もあります。

つまり直訳すると「青色のルネッサンス」という意味ですが、「イタリアチームの再生」という意味にもなります。この言葉の持つ二重の意味をかけてハッシュタグにするなんて素敵じゃないですか?

しかし凄い密です😨
デルタが一気に広がらなければいいですが・・・
ただワクチン効果か、もはや大半のイタリア人が感染済みで抗体を持っているのか、今のところイタリアの新規感染者数は増えていません

Published by Nymphea

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち