誕生祭を締めくくる最後の記事(多分)はお馴染み、エレナさんのブログから。
エレナさんを中心とする羽生結弦イタリアンFBファングループが制作したメッセージブックと、そこにまとめられたメッセージは先日ご紹介しました。
こちらは、お誕生日当日(イタリア時間の6日夕方)にエレナさんがご自身のブログに投稿された記事です。
メッセージブックの制作過程について詳しく綴られており、感動的な内容だったのでご紹介します。
Elena C(2020年12月6日)
皆さんこんにちは
今日はお祭りです。
特別な人、世界中に散在する大勢の人々に美と善と技と歓びを運んできた並外れた青年の現世到来を祝う日です。
その人の名は羽生結弦、12月7日に26歳になります。
お誕生日おめでとう、ユヅ!!!
今日は私達Fanyuにとって絶対に外せないこの記念日について書きたいと思います。
私達はもう随分長い間、私達の男の子を見ていませんし、彼に関するニュースも途絶えていますが。
私達の願いは、彼が身体的にも精神的にも元気で、刺激とモチベーションとやる気に満ち、前向きでポジティブでいてくれることです。
そして家族の愛情に包まれて穏やかに過ごせていることです。
勿論、私達は全員、氷上で彼が最も愛すること、「スケート」をして、私達を魅了する姿を一刻も早く見られることを願っています(ただし、安全が保証される状況でのみ)
ファンの気持ちと、私達が彼に寄り添っていることを伝えるために、多くの「プレゼント」が実現され、様々なファンクラブ、ソーシャル上のグループ、フォーラム、様々なアカウントによって多彩な企画が発足されました。
私達の「羽生結弦イタリアンFBファングループ」も例外ではありません。
私達もユヅリーノのためにささやかなプレゼント、メッセージ&写真集を企画・制作しました(近い内に日本の彼の元に届き、彼を笑顔に出来ることを願っています)。
様々なロジスティクスの問題と、あらゆることを困難にしている皆さんもよくご存じのパンデミックを熟慮した結果、発送はコロナウイルスの感染ピークが訪れると予想されているクリスマスと元旦の後まで見送ることにしました。
小包が日本に着くことは知っていますが、ヨーロッパから日本への輸送品は(当然のことながら)検疫などによって配送に時間がかかり、目的地に確実に届くかどうか心配でした。
ですから、最悪の嵐が過ぎ去るのを待って、私達の小包を旅に出した方が良いと判断したのです。
ここでは私達のプレゼントの企画・制作過程、メッセージブックの全貌をお見せする動画をご紹介します。
インターネットを通して何らかの形で結弦に届くことを願っています。
私達のグループはまだ小さいですが、日本を始めイタリア以外の国のファンからも多くのメッセージが届きました。私達の企画に参加して下さった全ての皆さんに心から感謝します!
グループに参加したい方は誰でも何時でも大歓迎です!
Buon Compleanno Yuzu!!!
Happy Birthday!!!
お誕生日おめでとうございます!!!
この企画はどのように始まったのでしょう。
このアイデアを出してくれたのは、ブログEleC’s Worldの忠実な読者で羽生結弦イタリアンFBファングループのメンバーであるイーダです。
イーダが祝福メッセージや、当時の思い出を振り返るトリノGPFの写真を送ってくれるようグループのメンバーに呼びかけました。
その後、イタリアのファンだけでなく、参加したい全てのファンからの、トリノの写真に限定せず、ファンアートやコラ画像にも範囲を広げ、これらのマテリアルはFB、ツイッター、ブログのメールアドレスを通して私の元に届きました。
メッセージ、ファンアート、イラスト、グランプリファイナルでのユヅの撮影写真または手製写真を送ってくれた皆さんに心から感謝します。
皆さんから寄せられた全てのメッセージには賞賛、愛情、気持ち、慈しみ、誠意が詰まっていて、見ていて/読んでいて感動しました!
最後の動画は完成したプレゼントのバーチャル/オンライン版です。
一方、下の写真はこの共同プロジェクトの制作過程を皆さんにお見せするための写真です。
メッセージと写真が全て届いたら私の出番です。ブックの制作に取り掛かりました。
ページを作成し、イーダが高画質で印刷してくれました。
皆さんのメッセージを貼り付けた各ページにはVickyがトリノで撮影した素晴らしい写真(その一つ一つに私達の考えた短い言葉が入っています)が挿入されています
イーダから印刷されたページが届くのを待っている間、私は私達がメッセージブックに入れようと計画していたもう一つのささやかなアイデアに取り組んでいました。
今年のプレゼントのために選んだ「テーマ」はトリノのエキシビションのフィナーレで氷上に降り注いだ色とりどりのテープでした。
結弦はとても嬉しそうにテープで遊び、その何本かを集めて私達の心の中にあるイメージを生み出しました。
Photo by Vicky
ですから、ページの縁取り、表紙、ラッピングには度々このカラフルなテープが登場します。
先ほど書いたように、結弦はその何本かを集めて「遊び」始めました。ただの遊びではなく、テープも適当に選んだわけではありません。彼は正確な色、黄色、ブルー、水色、ピンクのテープを探しました。
彼はこれらのリボンで「彼の」オリンピックメダルを作るつもりだったのです!
ブルーはソチのリボン、水色とピンクは平昌のリボン、そして黄色は金メダルです。
リンクを去る前に少なくとも最初のメダル、平昌の金メダルを一人で完成し、彼はとても誇らしげに見えました!
この光景にインスピレーションを得て、3つの紙メダルをメッセージブックに入れようというアイデアが生まれたのです。
– ソチ色のメダル
– 平昌色のメダル
– トリノの記憶の一部であるメダル(2006年オリンピックの赤)。でもファイナルの銀(私はイタリア人として罪の意識を感じています)の代わりに金にし(そう、金です。私達の勝手でしょう?)、リボンは赤一色ではなく、日本の国旗の色、つまり赤と白にしました。そして何よりもリンクの中でも外でも、彼がやっている全てのことに、そして人としての素晴らしさに対して、私達ファンが彼に捧げる、本物の、そして不可侵のメダルです。
シンプルで安物のメダルですが、私達全員の愛が詰まっています。
厚紙、ゴールドのアクリル絵の具とグリッターを使いました。
結構キラキラしていますが、まだ何かが足りません。
先ほど、テーマ/インスピレーション源はカラフルな紙テープだと言いました。
そして私はまさにトリノで使われていたようなテープを見つけました。
完成したメダル
そうしている間に、イーダから印刷されたページが届きましたので、私は全てのページをそれぞれのポケットファイルに入れました!
メッセージブックの最後はメダルのページです。
メダルが動かないようにメダルをそれぞれのオリンピックを彷彿させる色の厚紙に固定しました:
2014年ソチ五輪(青)、2018年平昌五輪(紫)、2006年トリノ五輪(赤)。
2014年ソチカラーの最初のメダルは、彼の最初のオリンピック金メダル、若さ、そしてフィギュアスケートのスターの爆発に敬意を称するものです(彼は既に超常現象で、私を含め、多くの人がその何年も前から彼に注目していました。2012年ニース世界選手権でのセンセーショナルな演技で世界的に注目されるようになりますが、フィギュアスケートのレジェンドとしての神格化はソチでオリンピックチャンピオンになった時から始まります)
フィギュアスケート界の新星、未来の覇者になることを約束された、まだ若く、初々しい、ほとんど少年のような彼は、金メダル獲得後の記者会見で、勝利への歓喜と誇りを見せる代わりに、良心の呵責、正確には手に入れたばかりの金メダルにも拘わらず、3.11の悲劇によって被災した自分の故郷を大して助けられていないという無力感を感じていると吐露しました。
あの日が、消えることのない傷跡として彼の中に永遠に残ること、彼の考え方、感じ方、生き方に深い影響を与えたことを私達は知っています。震災の経験は、彼を一層特別で気高い人間にしました。
これが彼のためのメダルです
“THE BEST BOY IN THE WORLD“(世界最高の男の子)
2つ目のメダルはオリンピック二連覇に敬意を称するものです。2014年と2018年の二大会連続金メダルは非常に稀な偉業です。
この大会には彼は既に認められ、賞賛されるチャンピオンとして出場し、自身の価値と天才性を遺憾なく証明しましたが、この2つ目の金メダルは1つ目より困難でした。なぜなら、長く苛酷な苦しみの末にもたらされた、血と涙と汗によって勝ち取ったメダルだからです。
実際、結弦は五輪の数カ月前に右足首に大怪我を追い、表舞台から姿を消しました。
韓国に出発する数日前にリンクに戻り、最初の公式練習ではコンディションは良いように見えました。
試合は並外れていました。そして試合が終わってから、ようやく彼自身の口から怪我は全快からはほど遠い状態で、痛み止めの助けを借りなければ競技出来なかったこと、右足首の状態を悪化させる、あるいは場合によって選手生命を終わらせるリスクがあることを知りながら立ち向かっていたことが明かされました。
彼自身が言っていたように、彼は自らの命を懸け、勝つために困難な選択と苦渋の犠牲を余儀なくされました。
この大会で(まだ知らなかった人がいたらですが)、彼は技術、芸術性、総合力においてだけでなく、計り知れないプレッシャーを受け止め、怜悧に立ち向かう能力、困難な回復過程を身体的・心理的に管理する能力といった「メンタル」においても史上最高のチャンピオンであることを証明しました。
これら全てとその他の多くの理由から・・・メダルです
“THE GOAT OF FIGURE SKATING“(フィギュアスケートのGOAT)
最後に3つ目のメダルは、私達の彼に対する応援のシンボルです。私達は彼のスケーターとしての並外れた天賦から生まれ、これほど大勢の人々にとって模範となり、インスピレーション源となっている、彼が提供する全て(リンクでもオフリンクでも)を糧にしています。
トリノの銀は私達にとっては金よりずっと高価なメダルだったことを彼に知って欲しいのです。パラヴェーラで彼ほど輝き、私達を魅了した人は誰もいませんでした。何故なら彼が伝える感動、彼が贈ってくれる美は他の選手からは想像することさえ出来ないからです。
ですからメダルです。
“CHAMPION OF OUR HEARTS” (私達の心のチャンピオン)
完成したメッセージブックは・・・消毒/殺菌することにしました。
小包の郵送にリスクはないと言われましたが、私達の懸念とこの企画に参加した皆さんの疑念を完全に払拭するために、安全性のために出来る限りのことをしました。
従って、私は全てのページのポケットファイルを消毒し、メッセージブックはアルコールを含ませた脱脂綿で隅から隅まで拭きました。
ポケットファイルも表紙もプラスチックですから簡単に消毒出来ました。
この作業は最初から最後まで(プレゼント用の包装紙でラッピングするまで)ラテックス手袋を着用して行いましたから、内容物は安全です。
ラッピングの仕上げのリボン飾り(ここでも紙テープのテーマに合わせて薄紫を選びました)には、メダル型の小さなラベルを付けました。まさにユヅリーノにぴったりなラベルでしょう?
これが完成したパッケージです。
そして配送用の封筒に入れました。
発送準備は完了です。
以上です。
動画です。
著作権上の理由で音声無しです。
改めて、心からお誕生日おめでとう、ユヅ!!!
*写真は一部しか掲載していません。全ての写真はエレナさんのブログからご覧になれます。
(転載はご遠慮下さい)
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☆エレナさんの深い愛に感動します・・・
パンデミックを配慮して小包はまだイタリアのエレナさんの手元にありますが、いつか日本の彼の手元に届くといいですね。
イタリア発の企画ですが、日本や他の国のファンも大勢が参加しました。
このように、国籍も文化も言語も住んでいる国も異なる人達が、羽生結弦という類稀なアスリートを応援したいという気持ちで繋がり、何かを共に企画・制作し、感情や感動を共有出来るのは本当に素晴らしいことだと思います。
前記事のマッシミリアーノさんのFBのユーザーも「世界中のあらゆる場所から来た人々を繋ぐ結弦の無比の能力は、彼の偉大なパワー」書いていましたが、本当にその通りです。
私も羽生君のファンになったことでネットワークが広がり、フォーラムのユヅリーテ達、エレナさん、マルティーナさん、マッシミリアーノさんを知り、交流が生まれました。
羽生君がきっかけで知り合ったイタリアの方から(スケートに関係ない)本業の方でとても素敵な企画が舞い込んできたこともありました。
昨年秋にはイタリアに旅行で来られていた「覚え書きあれこれ」のモモ博士にお会いしました。
羽生結弦という存在がなかったら、イタリアに住む私が、地球の反対側のカナダに住むモモ博士と遭遇することは絶対になかったでしょう。
また、羽生君がきっかけで、ポーランドの科学者、エワ・クロチク博士とコミュニケーションを取り合い、彼女の小論文を翻訳・共有するという貴重な経験をしました。
住んでいる国や専門の異なるこのような素晴らしい人達を知り、彼らの知識やビジョンに触れることで、私自身の知識と見解も広がりました。
リンクの中でも外でも世界中の人にインスピレーションとエネルギーを与え、人々を繋ぐ不思議な力を持つ人・・・
存在してくれてありがとう。
羽生君のファンになって良かった!
これからも引き続き応援させて下さいね!