Neveitaliaより「羽生結弦、初戦からいきなりハイペース、誰が彼に対抗出来るのか?」

オータム・クラシック男子フリーの記事から羽生結弦選手の部分です(というか記事はほとんど羽生君のことばかりでした)。
ちなみに早朝5時44分(イタリア時間)にアップされていました!

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(2015年10月17日)

原文>>
☆ 翻訳は羽生君の部分だけです。

待望の羽生結弦のシーズン初戦は、ライブストリーミングのおかげで世界中のあらゆるアングルから第2回オータム・クラシック・インターナショナルを観戦することが出来たファンと関係者の期待を裏切らなかった。
ライブストリーミングは驚異的なアクセス数を記録し、過酷な試練を課せられることになった。

バリーのアランデールレクリエーションセンターはスペクタクルに事欠かなかった。朝から「こんにちは」で始めるとしたら、オリンピックチャンピョンのシーズン開幕は絶叫に値するものだった。実際、羽生はショート、フリー共に制し、フリーだけで彼に次ぐ2位だった有能なリンクメイト、ナム・ニューエンに20点近い大差を付ける圧勝だった。

過去を振り返ってみると、シニアデビュー以降、仙台出身の二十歳が10月初旬にこれほど調子がよかったことはこれまで一度もなかった。
今日のフリープログラムで起こったことを注意深く観察すると、演技中に発生したアクシデントに対応して咄嗟にジャンプ構成を変更とするという、過去にも数人しかなし得ていない勇敢な離れ業をやってのけ、その聡明さは我々を驚愕させた。

日本映画『陰陽師』のサウンドトラックの曲『SEIME』に乗せたシェイ=リーン・ボーン振付けの新しいフリープログラムは細部まで一寸の隙もなく洗練されており、何よりも羽生がこのプログラムに特別な思い入れがあり、感情移入していることが感じられ、もはや遥か2011-2012年シーズンに遡る「ロミオとジュリエット」の演技を思い起こさせた。

技術面では勿論、最適レベルに達したわけではないが、最適レベルからそれほど遠い出来でもなかった。
プログラム前半、羽生は4サルコウ、一瞬左手が氷に触れた4トゥループ、何もないところからの3フリップを着氷した。
一方、後半では幾つかの問題があった。まず回転の足りなかった4トゥループで転倒し、2トゥループを付けてコンビネーションにすることが出来ず、SEQ扱いになったが、ここまではそれほど変わったことではなかった。
尋常でないことが起こったのはこの後だ。
3アクセルの着氷がどちらも完璧ではなく、最初のアクセルはセカンドジャンプをトリプルからダブルトゥループに変更したが、2本目のアクセルでは1ループ/3サルコウを付けて3連続ジャンプにすることが出来なかった。羽生は一瞬の躊躇の後、狂気に憑りつかれた人のように突き進んだ。何の準備もなく3ループ/1ループ/3サルコウというコンビネーションジャンプの新技を発明し、過去2シーズンで最高のものの一つに入る質の高い3ルッツを決めた。
最終的に予定のジャンプ構成に比べて3トゥループが1つ足りないだけだった(2014/2015シーズンから導入されたルールによれば最後のルッツに3トゥループを付けてリカバリーすることも可能だった)。
ジャンプ以外では、今やもう1つの核兵器になりつつあるスピンとステップシークエンス(ただし今回はレベル2に留まった)を圧倒的ほどしなやかに、軽快に披露した。

最後に、技術点、演技構成点共に90点を超えたが、より印象的だったのは「transitions」の項目で平均9.11を獲得したことだ。
第1級大会、およびそれに近い大会(チャレンジャーシリーズ)でこの点数を上回ったことがあるのはパトリック・チャンだけで、羽生に注目すると、これまでにこの項目で9.00点以上を獲得したことはなかった。このことは全て、このプログラムはいかに繋ぎが満載(ただし、冗長になっていない)かを証明している。

最終結果

1) JPN – Yuzuru HANYU
277.19 (93.14|184.05)
2) CAN – Nam NGUYEN
241.10 (86.53|154.57)
3) USA – Sean RABBITT
201.70 (64.75|136.95)
5) USA – Alexander JOHNSON
196.32 (63.27|133.05)
6) ITA – Maurizio ZANDRON
193.55 (62.71|130.84)
3) CAN – Bennet TOMAN
179.30 (64.95|114.35)
7) ARG – Denis MARGALIK
177.31 (59.13|118.18)
8) CAN – Mitchell GORDON
161.41 (53.69|107.72)
9) ESP – Javier RAYA
159.18 (60.26|98.92)
10) POL – Patrick MYZYK
157.73 (57.49|100.24)
11) TPE – Meng-Ju LEE
110.85 (38.61|72.24)
WD) HKG – Leslie IP
(49.35| – )

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☆ NeveitaliaのFBグループでマッシミリアーノさんとユーザー達(フォーラムの人とはまた違う人達です)が目覚まし時計を何時にかけるか相談していて微笑ましかったです。「明日は職場でゾンビのようになっているに違いない」と言っている人もいました。
それで羽生君の演技が終わった直後(イタリア時間の早朝4時前)から嵐のような絶賛コメントが書き込まれていました。
フォーラムも凄いことになっているようです。
現在、出張中でタブレットしか持参していないのですが、フォーラムは重すぎて開かず
月曜日、帰宅してPCで開くのが恐ろしい・・・
そういえば明後日月曜日はマッシミリアーノさんのポッドキャストもあります。150分間、延々と羽生君についてひたすら語りそう

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu