OA Sportより「A.アンベージ:女子シングルは新たな時代に突入しようとしている」

埼玉世界選手権3日目のマッシミリアーノさんの考察記事。
非常に長いので女子シングルの話題から興味深い部分を抜粋します。
最後にチラッと羽生君の話も出てきます。

原文>>

世界フィギュア2019-マッシミリアーノ・アンベージ:
ギニャール/ファッブリ組が表彰台争いに参戦。
リッツォのトップ10入りを願う

ファブリツィオ・テスタ(2019年3月22日)

Q:第109回フィギュアスケート世界選手権の開催地である日本の埼玉県は夜が更けようとしている。
大会3日目は途方もない試合の主役となったオリンピックチャンピオン、アリーナ・ザギトワの大勝利で幕を閉じた。
我々はユーロスポーツの歴史的解説者で、ウィンタースポーツの精鋭ジャーナリスト/アナリストであるマッシミリアーノ・アンベージに今日の試合(リズムダンスまで)と明日の展望について話を聞くことにした。

こんばんはマッシミリアーノ。
アリーナ・ザギトワが世界タイトルを獲得し、今日、回転が完璧な4アクセルを成功させたカザフスタンのエリザヴェート・トゥルシンバエワが2位に入った。
新たな時代が始まったと思いますか?

M:その通り。まさに新たな時代に突入しようとしている。
この世界選手権は通過点と見なすことが出来る。
ルールに大きな変更がない限り、これから先ますます多くの4回転ジャンプを見ることになるだろう。なす術はない。

現在、得点を上げる唯一の方法は高難度ジャンプを導入することだ。
何故なら現在、トップ選手達に与えられる演技構成点の差は最小限で、演技構成点の持つ影響力はごく僅かだからだ。この事実によって、結果を持ち帰るには技術難度を上げるしかないという状況が生み出された。
今日、我々は優勝候補の紀平梨花が2本の3アクセルに挑戦するのを見た。フリーで1本、ショートで1本ミスがあったために優勝出来なかった。

そして我々は今季の四大陸選手権銀メダルは別としてこれまでのキャリアで目立った成績を収めたことがほとんどなかったエリザヴェート・トゥルシンバエワが4サルコウを着氷し、銀メダルを獲得するのを見た。

最後にショート、フリー共に1位だったアリーナ・ザギトワの圧巻の演技に立ち会った。
ザギトワはここ数か月間の困難な時期を乗り越え、強い意志を持ち合わせていることを披露し、ジュニア、シニアのあらゆるタイトルを獲得した史上最年少の選手として歴史に名を刻んだ。
今日、彼女は重要な目標を達成した。彼女に欠けていた唯一のタイトル、彼女を苦しめ、そして彼女が切望したタイトルを獲得した。
しかも絶対的な主役として。
彼女は何も盗んでいない。
ショートプログラムではライバル達に圧倒的大差を付けた。

フリーは技術点では2位だったが、2アクセル2本と7トリプル(ルッツ2本、フリップ2本、後半の3ループとのコンボを含む3ルッツからのコンビネーションジャンプ2本)を持ち帰った。盛りだくさんのプログラムだ。

Q:採点という点では女子の試合をどう見ましたか?

M:コントロールパネルはどの選手に対しても議論の余地があるほど甘かった。
回転不足と判定されるべきジャンプが認定されていた。
いずれにしても全ての出場選手に対して多かれ少なかれ判定基準が統一されていたことは評価する。

ただしこのようなケースにおいて不利になる選手がいたことは明らかだ。
今日の試合でその優越性ゆえに損をした選手の氏名は坂本花織だ。
彼女は回転不足のジャンプが1つもなかったし、もし別のコントロールパネルなら、おそらく彼女がトゥルシンバエワに次いで3位だっただろう。
しかし、このような「タラレバ」をしても仕方がない。

勝利に相応しかったザギトワが優勝し、歴史的な4回転サルコウを成功させたトゥルシンバエワが2位だった。3位にはメドヴェデワが入った。彼女もチームメイト同様、意志の強さを示し、灰の中から蘇った勇敢な不死鳥だった。

彼女達は一番肝心な舞台でメンタルという点において多大な力を発揮し、ほとんどミスをすることがない。好き嫌いはあるかもしれないが、どちらも一流選手だ。

しかし来シーズンから何かが変わることは明らかだ。
4回転ジャンパー達と客観的に見て今日我々が見たどの選手よりも優れた「コンプリートパッケージ」を持つアリョーナ・コストルナヤがシニアに上がってくるからだ。

Q:最後に男子シングルの試合では何を期待していますか?
羽生結弦は2年前のヘルシンキの快挙を再現出来るでしょうか?

M:彼のコンディションが万全でないことを考えると難しいだろう。
トップコンディションからそれほど遠くはないようだけれど、不安な面を幾つか抱えている。
いずれにしても歴史の流れを変えることの出来る圧倒的な規格外の選手だ。
彼が奇跡を起こせるか見守ろう。

勿論、ネイサン・チェンがノーミスなら彼に勝つことは出来ない。
僕は表彰台でチェン、羽生、宇野の3人を見られることを願っている。
何故なら彼らは今この瞬間、よりコンプリートな選手達だからだ。日本の選手達は大差を挽回しなければならず、簡単なことではない。

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☆逆転は出来なかったけれど、奇跡のような演技でした。
羽生君の演技は順位とか得点とかそんなことを超越した次元にある。
まさに別の惑星の演技でした。
本人は勝たなきゃ意味がないと思っているようだけれど😅

五輪二連覇を成し遂げても尚、貪欲に進化を続けるオリンピックチャンピオン
彼と同時代に生き、その演技をリアルタイムで見られる幸せを噛みしめたい

足の状態が順調に回復していますように・・・

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