OA Sportより「レジェンド羽生結弦が競技引退。仙台のエイリアンの新たなミッション~他」

イタリアのスポーツメディア、OA Sportの記事です

原文>>

レジェンド羽生結弦が競技からの引退を表明。
仙台のエイリアンの新たなミッション

ファブリツィオ・テスタ
(2022年7月19日)

フィギュアスケート競技会は史上最高のスケーターを失うことになる。この競技の絶対的レジェンド、羽生結弦は、7月19日イタリア時間の午前中に東京で開かれた記者会見で競技活動から引退することを発表した。

「プロスケート界に入る決意をしました」ユーロスポーツがまとめた言葉の中で、仙台のエイリアンはこう語った。「悲しいとは感じません。寂しさはありません。スケートに取組み続けていきたいです」
具体的には、日本のスケーターは今まで以上に野心的で並外れた方法で、新たなミッションの土台を築いていることを仄めかした。フィギュアスケートを別のステージに持っていき、更に高めていくということだ。「僕はもはや競技の領域には留まりません。フィギュアスケートを別の場所で別の方法に続けていきます」

彼の信念とビジョンについに追いつくことが出来なかったこの競技の様相を変革した後で、27歳の羽生は、この天才の新たな行動を興味深々で支持する世界中の数百人のファンの歓びのために、新たな目標を掲げた。

無数の記録と偉業(幾つかの例を挙げると、オリンピック二連覇、そして全スポーツの歴史に永遠に刻まれた快挙である2017年世界選手権における驚異的な逆転優勝など)に彩られた12年の後、結弦は不滅の英雄として競技生活に別れを告げる。


こちらはダニエル・グラッスル君のコーチ、ロレンツォ・マグリさんのインスタグラムから


・・・君が初めてジュニアグランプリ大会に出場した時、私はその場に居た、君が思いがけず世界選手権で初優勝した時、私はその場に居た。君が初めて300点を超えた時、私はその場に居た。君がオリンピック金メダルを勝ち取った時、私はその場に居た。そして君がその勇気と技能によって歴史を残すことを目指して北京に再び出場した時、私はその場に居た。結弦、君は既にこのスポーツの歴史だ。私は君のカリスマ性、君の唯一性、君の氷上での挨拶、そしてフォームアップエリアでの愛嬌のあるダンスと叫び声を永久に忘れない。

ありがとうございました


カロリーナも!

こちらはミラノ-コルティナ公式アカウントのツイート
かなりガッカリしているはずなのに😭
写真のチョイスがさすがミラノ!抜群のセンス

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☆昨日の決意表明会見の後、彼の意図が「引退」ではなく「ステージアップ」なのだというニュアンスが、海外メディアに上手く伝わるかな?Retired from competition で片づけられてしまわないかな、とちょっと心配しましたが、取り越し苦労だったようです。
OA Sport的には羽生君のレベルについに追いつくことの出来なかった競技会(ISU)に羽生結弦がとうとう見切りをつけた、という解釈でしょうか。

ロレンツォ・マグリさんは2012年全日本選手権で優勝した羽生君の演技を見て、「見ていてご覧、羽生結弦はやがて国際スケート連盟に男子シングルのルール改正を余儀なくさせるだろう。何故ならこの少年には限界がない。一体どこまで到達出来るのか、僕には全く想像も出来ない」とマッシミリアーノさんに予言した方です。バルセロナファイナルでは、男子ジュニア、男子シニアの上に「ハニュー」という別のカテゴリーを作るべきだと言っていました。そして閉鎖的な隠蔽体質の自国連盟やISUに対して、納得のいかないことは臆することなく批判出来る数少ないスケート関係者の一人です。

羽生君が初めて出場したグランプリ大会とは、マッシさんが羽生君を「見染めた」という、例のメラーノ大会のことですね。羽生君が13歳で出場したあの大会に、マッシさん、アンジェロさん、グラッスル君に加え、マグリさんも居合わせたとは!
当時は日本でも羽生君を知る人はそんなにいなかったというのに、もの凄い慧眼だったイタリアのスケート関係者達!

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu