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Sportlandiaより「下出彩子」

全日本男子フリーの採点で一躍世界的に有名になった「J2」に対するマルティーナさんの検証記事です。

原文>>

マルティーナ・フランマルティーノ著
(2020年12月27日)

 

1月4日に大きな仕事の締め切りがありますので、おそらくこの記事が年内における私の最後の記事になるでしょう。しかし、ジャッジが私の執筆意欲を刺激しました。

下の表は下出彩子の2016-2017年シーズン以降4年間におけるナショナルバイアスです(2016-2017年以前はジャッジは匿名でした)。

以前ご説明したように、ナショナルバイアス値とは、自国選手と他国選手に対する平均からの逸脱点の差です。(参照:Sportlandiaより「ナショナルバイアス/1

タイプミスや誤記があったらごめんなさい。英語は私の言語ではありませんので、英文を書くのは難しいのです。

ナショナルバイアス。この計算では下出彩子はかなり公正に見えます。

1列目は各大会のショートプログラムのバイアス、2列目はフリー、3列目は合計です。全ての大会の下にショート、フリー、合計の平均バイアス値を記しました。2つの大会ではより詳細な調査が必要ですが、彼女の平均バイアス値は低いと言えます。

ただ私はこの計算を全てのジャッジで実施していませんので、時間が出来たら、全ての数字を調べ、より完全な記事を書きたいと思っています。

私は全ての不正ジャッジをオリンピックから締め出すよう国際オリンピック委員会に嘆願したいと思っています。
そして、いずれ私の嘆願書に署名して頂くよう皆さんにお願いすることになるでしょう。
もし署名を集める効率的な方法をご存じでしたら教えて下さい。

オリンピック出禁基準の一つは露骨なナショナルバイアスです。

どの程度が露骨なナショナルバイアスになるのか?

ISUは2018年オリンピックの後、フアン・フェンを8.83点のバイアスで資格停止処分にしました。つまり、この数値はISUにとって高過ぎたということです。
従って、私はバイアス値が8.83以上のジャッジを次のオリンピックから締め出すようIOCにお願いしたいのです。

しかし、問題はナショナルバイアスだけではありません。下出彩子のようなジャッジは、この計算では検出されませんが、下出には注意が必要です。
今は彼女が採点した全ての大会を調べる時間はありませんので、 先日の全日本選手権男子フリーだけチェックしました。

第89回全日本フィギュアスケート選手権大会 (jsfresults.com)

これは羽生結弦のプロトコルです。彼女はジャッジ2です。赤枠で彼女の与えた得点だけを囲みました。

テクニカルエレメント12個中6個で彼女は最も低い得点を与えています。その他の5つのエレメントでも、最も低い得点を与えた一人でした(1人以上のジャッジが彼女と同点)。12個中11個のエレメントです。ジャッジ1も+2だった最初のスピンを除くと、彼女は+2を与えた唯一のジャッジであり、それも1個だけではなく、6個もの+2を出しました。+2はたった2つです。

どのエレメントでしょうか?

基礎点が低く、GOE率も低いステップシークエンスとコレオシークエンスです。ジャンプはどうでしょうか?

4Lo,+2
4S,+3
3A+2T, +3
彼女は目が見えないのでしょうか?他に理由がありますか?
3Lo,+2
4T+3T, +3
4T+1Eu+3S, +2
3A, +2

GOEのブレット(プラス/マイナス要件)を思い出して貰いましょう:

確かに4ループの前にステップはなく、もしかしたら「very good length」(非常に幅がある)ではなかったのかもしれません。ただし、4ループは性質上、元々幅があまり出ないジャンプです。

その他の6本のジャンプはプラス要件を全て満たしていませんでしたか?
しかも、僅かな乱れすらありませんでした。

それでは他のスケーター達のジャンプを見てみましょう。
下出は+3より高い得点を誰にも与えていませんので、彼女の+2と+3を書き出してみました。

つまり、羽生、鍵山、三浦の4サルコウは同じ評価です。宇野と鍵山の3Aは羽生の3Aより出来が良く、羽生の3A、3Lo、4T+1Eu+3Sは、他の多くのジャンプと同等の評価ですから、特に優れたところは何も見当たらなかったということですか?
全てのスケーターがコンビネーションジャンプの3秒後に完璧な3ループを跳べるということですか?
全てのスケーターがステップアウトに見えない美しいオイラーを実施出来るということですか?
全てのスケーターが完璧な3Aの後、ツイズルを実施出来るということですか?
全てのスケーターが、彼のジャンプと同じように揺るぎなく、同じように流れがあり、同じ高さと幅の、前後に同じステップを入れた、同じように完璧な踏切と着氷の、同じクオリティの、同じようにエフォートレスなジャンプを跳んでいるということですか?

私はSkating Scoresのように、ジャッジ別合計得点を計算したプロトコルを作成してみました。

E列に各エレメントの+1当たりの得点を記しました。
プロトコルには表示されないこの小さな数字を乗算して、各ジャッジが与えたGOEを計算します。このプロトコルで間違った得点を出したのは下出だけではありませんが、彼女はGOEと演技構成点の両方において最も厳格であり、彼女がこれほど厳格だったのは羽生に対してのみでした。

これは宇野昌磨のプロトコルです。彼女のGOEのみ赤枠で囲みました。

下出は羽生に対して6個のエレメントでジャッジ中最低点を与えていますが、宇野に対してはエレメント1個だけでした。羽生のPCSは全項目で最終的な平均値より低い得点を出していますが、宇野のPCSで平均以下だったのはCompositionとInterpretation of the Musicのみ、Skating Skillsは平均と同値、TransitionsとPerformanceは平均より高い数値です。
彼女は羽生の得点を下げ、宇野の得点を上げました。

中でも最悪なのは、宇野に9.25、羽生に9.00を与えたSkating Skillsの評価です。何時から宇野のスケーティングスキルが羽生を上回ったのでしょうか?

Performanceでは両選手に9.50を与えています。宇野は3本目のジャンプ、トゥループがトリプルになり、私は彼がこのことを忘れて、ザヤックルールに違反しないか案じながら残りの演技を見ていました。
彼はザヤりませんでしたが、コンビネーションが1本足りませんでした。最初のコンビネーションは4T-1Tですが、これは彼が既に単独4トゥループを跳んでいたため、繰り返し(Rep)を回避するためにシングルジャンプを付けた苦肉の策でした。
何とかコンビネーションにしましたが、クオリティは粗悪で、最初のジャンプで氷に手をつき、セカンドジャンプはDGでした。2本目のコンビネーションではサードジャンプのフリップにqマークが付きました。コンビネーションは2本だけで、1本はかなり見苦しいジャンプでした。
どうしたらPerformanceで羽生と同じ評価に値するのでしょうか?

次は鍵山優真のプロトコルです:

GOEは宇野と同じです。他のジャッジ達より評価が低かったエレメントは1個だけでした。PCSは全項目で平均以上の評価です。
Skating Skillsが羽生と同点?本当ですか???

田中刑事のプロトコルです:

私は田中を評価していますが、下出は彼の各エレメントに対して平均以下のGOEは一度も与えませんでした。PCSも常に平均以上です。

同じ分析を他の全選手でも見ますか?

三浦佳生:

佐藤駿:

佐藤に対してはあまり寛大ではありませんが、特に厳格でもありませんでした。

島田高志郎:

友野一希:

山本草太:

三宅星南:

日野龍樹:

日野は羽生、中野紘輔(フリー15位)、 木科雄登(フリー19位)と共に、下出から平均以下のPCSを与えられた、フリー出場選手24名中、僅か4選手の中の一人です。

下位13選手の12エレメンツのGOE(全部で156項目)で彼女が平均より低い得点を出したのは7回だけでした。

23選手(羽生を除く)×12エレメントですから、各ジャッジが得点を付ける項目は全部で276個ありました。その内、彼女の評価が最も厳しかったのは14項目で(最低点が彼女1人だった場合)、全体の0.51%です。一方、羽生の12エレメント中、6項目で下出は最低点を出しましたから、彼に対しては50%でした。

「全選手に対する一貫性」とはどういう意味ですか?
おそらく下出はこの質問には答えられないでしょう。

興味深いのはショートプログラムではそれほど厳格ではなかったことです。この日、彼女はジャッジ9でした。

ここでは2本目のスピンについては触れません。非常に長い議論になりますし、今は時間がありません。そして、この3アクセルに+4与えたジャッジ達(宇垣静子、佐々木盟子、堀内律子、下出彩子)は最低でも新しい眼鏡が必要ですし、おそらくGOEの正しい採点方法を学ぶためのセミナーにも参加すべきでしょう。しかし、この件は別として、(ショートでは)下出は平均に近い得点を出していました。

一晩で彼女の採点傾向をこれほど激変させることが何か起こったのでしょうか?
私にはその答えは分かりませんが、今後二度とジャッジパネルで彼女の名前を見たくないのは確かです。


☆翌日、以下の補足記事を投稿していました。

下出彩子2:補足

マルティーナ・フランマルティーノ著
(2020年12月28日)

原文>>

下出彩子に関する最後の記事を投稿した後、ある女性がツイッターで次のように書いていました:

一番低い点はカットされるので、1人のジャッジだけでは最終得点を下げることは出来ないことが私のささやかな慰めです。

残念ながら、正確にはそうとは言い切れません。

確かに、1ジャッジの得点だけでは総合得点を完全に下げることは出来ませんが、そのようなジャッジが2人いたらどうですか?それに1人のジャッジだけでもスコアを下げることは出来るのです。

私はちょっと実験してみました。

プロトコルをExcelファイルに転記し、下出が存在しなかったと仮定しました。
表には全ての数字が表示されています。私は斜線で数字を消しましたが、削除はしていませんので、私がプロトコルのどの数値を消したのかお分かり頂けると思います。

下出の全ての得点を消し、残った8人のジャッジで計算し直しました。どの大会でもジャッジ数が奇数なのは知っていますが、私の実験では偶数でも問題はないでしょう。
それについ最近、私はジャッジパネルが8人しかいない重要な国際大会を発見しました。2016年スケートアメリカのペアのショートプログラムのプロトコルを見て下さい。この大会のジャッジは8人でしたから、私がジャッジ8人で計算しても問題ないでしょう。

下出の得点を消した後、各エレメントとPCSの各項目から一番高い点と一番低い点をカットしました。そして残った6人のジャッジの平均を計算しました。

結果は以下の通りです:

デバイスによっては結果が見づらいかもしれませんので、スコア詳細を抜き出しました:

下出を抜くと、全ての項目で得点がアップしています。GOEは29.56から1.07点アップの30.63。PCSは97.22から0.30点アップの97.52です。下出無しの8人のジャッジなら羽生のスコアは1.37点高くなりました。

この大会ではこの点差は重要ではありませんでしたが、より僅差の戦いではどうでしょうか?

 

☆筆者プロフィール☆
マルティーナ・フランマルティーノ
ミラノ出身。
書店経営者、雑誌記者/編集者、書評家、ノンフィクション作家
雑誌等で既に700本余りの記事を執筆

ブログ
書評:Librolandia
スポーツ評論:Sportlandia

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☆このジャッジの得点の最終得点からの逸脱点は-13.56です。
これは羽生君に対するマイナスで、ここに2位3位の選手に対するプラスを加えるとバイアス値は更に高くなります。
平昌オリンピック後に資格停止処分を受けた中国ジャッジのバイアス値が8.83点だったことを考慮すると、十分資格停止に値する偏向採点と言えます。
これはあくまでの他のジャッジ達の得点(採点基準を考慮すると低過ぎる思います)を基準とした相対値で、ルールブックに記載されたGOEとPCSの評価基準(絶対値)からは更に逸脱しています。

今回のあまりにも酷い採点に、私はこの方が過去の全日本でどのような採点をしていたのか興味を引かれ、調べてみました。

昨シーズン全日本のジャッジパネルに彼女の名前はありませんでしたが、その前のシーズン、羽生君が欠場した2018年の全日本ではジャッジの一人でした。


第87回全日本選手権大会 (jsfresults.com)

そして非常に興味深いプロトコルを見つけました。

公式プロトコル>>

この方がどういう派閥に属しているのか一目瞭然です。

2018年の全日本は実家のテレビで見ていましたが、高橋さんはジャンプでミスを連発し、中盤以降はステップもスピンもヨレヨレで最後まで滑り切れるのか心配になるレベルだったと記憶しています。

しかし、このジャッジの見解ではクワド3種4本と3アクセル2本を含むジャンプ要素を全て完璧に実施し、一糸の乱れもない、文字通り「完璧」だった羽生結弦の演技より、高橋大輔のミスだらけの演技の方がスケーティングスキルとコンポジションで高評価に値し、トランジションは同評価でした(トランジションを全部数えろとは言いませんが、繋ぎの密度において全く比較になりません)。
そして、羽生君の難しい入りから完璧に実施され、出で別のジャンプまたはツイヅルを繋げていた3アクセルより、高橋さんの回転がギリギリで着氷も堪えていた3アクセルの方が高いGOEに値したのです・・・

あり得なさ過ぎて怒りを通り越して笑えてきます(いや、笑い事ではありません!)

フィギュアスケートは1908年からオリンピック競技になっている歴史あるスポーツです。
そして全日本は日本国内で最も権威のある大会のはずです。
オリンピック競技であるフィギュアスケートの、国内で最も重要な大会で、ルールを完全に無視した依怙贔屓丸出しのこのようなジャッジングを容認してもいいのでしょうか?

競技の公正性を保証し、日本スケート連盟の信頼性を失墜させないためにも、このようなジャッジに全日本のような重要な大会や国際大会で採点させるべきではありません。

Published by Nymphea

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち