Sportlandiaより「SkateForward~ホープ&レガシー」

本屋を経営するライター/編集者のマルティーナ・フランマルティーノさんはJSFの公式ツイッターに公式ツイッターで公開された羽生君の振付動画に感謝して冒頭のホワイトレジェンドから順々に彼の歴代プログラムを追想する記事を書いています。

どの記事もとても素敵ですが、昨日ISU公式チャンネルでヘルシンキ世界選手権の男子フリーが公開されましたので、ホープ&レガシーの記事を訳したいと思います。

 

原文>>

2020年5月17日
マルティーナ・フランマルティーノ著

 

「このプログラムは結弦自身です。結弦が希望であり、結弦が遺産なのです。

常に前進し、決して諦めず、信念を貫くアスリートである羽生結弦・・・

彼は若い選手達が見上げ、次の世代に彼の遺産を引き継ぐような人物です。

私は彼の名は歴史に刻まれ、伝説を残すと信じています」

これはホープ&レガシーの振付師であるシェイリーン・ボーンの言葉ですから、信じなければなりません。

久石譲の曲を使った2016-2017年シーズンのフリープログラムです。

 

羽生結弦はシーズンを通して4ループと、そして中々決まらなかった後半の4サルコウとの激しい議論に没頭しました。

四大陸選手権はノーミスではありませんでしたが抒情詩のような演技でした。

4回転を予定していたサルコウがダブルになった後、クワド(ループ、サルコウ、トゥループ)が3本しかないプログラムは彼には気に入らないので、本来3アクセルのコンビネーションだったところを急遽4トゥループ/3トゥループに変更しました。

そして彼がたった今やってのけたことに開いた口がふさがらなくなっている私達全員の驚愕を尻目に、彼は3アクセルが1本しかないプログラムは美しくないと判断し、最後のジャンプで3ルッツの代わりに3アクセルを跳んだのです。

レイバックイナバウアーのすぐ後にです!

だって彼が振付を忘れるはずありません。そうでしょう?

このプログラムを新バージョンにする価値さえあったほどです。

でも最高傑作のホープ&レガシーと言えば世界選手権の演技です。今日、ISU公式チャンネルで男子フリーが再配信されます。

史上最も不利に採点された世界最高得点です。

嘘だと思うならプロトコルを確認してみて下さい。

 

プロトコル>>

 

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☆ヘルシンキワールドのホプレガは何度も見ているプログラムですが、今回は前のグループからずっと見ましたので、試合の臨場感を再び味わうことが出来ました。

そうそう6分間練習では私の目の前で3Aコケて蒼白になってたんだっけ・・・なんて懐かしく思い出していました!

4S-3Tが決まった瞬間・・・何度見ても鳥肌が立ちます。

史上最高のフリープログラム

クワド3種4本、3アクセル2本を含む全てのジャンプを成功させたからじゃない(いや、それも十分凄いことですが、多種多数クワド高難度構成のノーミス演技なら他の選手も成功させたことがあります)。

このフリープログラムの凄さはジャンプ、スピンといった全ての要素が僅かな堪えや力みもなく、一糸の乱れもなく、完璧に、完全に振付と音楽表現の一部として、この世のものとは思われない美しさで芸術的に実施されていることです。

ジャンプの構えによってフローが中断されるところが一秒もない。

全てがシームレスに流れるように続いていく・・・
そういう意味でヘルシンキのホープ&レガシーは革命的なプログラムだったのです。

 

ヘルシンキワールドのホプレガと言えば、マッシミリアーノさん号泣解説で見たいです

世界選手権2017~羽生結弦FS(伊ユロスポ版)

 

男子フリー後のプレカン

この時点で既に五輪シーズンでは4ルッツを投入することを考えていたと思うんですよね。
プレカンでは高難度ジャンプと怪我のリスクとの兼ね合いについて話していて、この半年後、まさにその4ルッツで大怪我をすることになると思うと😢・・・

 

鬼リカバリーの四大陸世界選手権版も凄かったです。

こちらも是非イタリアオトン版でどうぞ

そして世界中のファンが国境を超えてチームを結成し、各自のスキルを結集して制作した渾身の作品「羽生結弦ホープ&レガシー解析動画」も是非見て欲しいです。

#WeLoveYouYuzuサイドプロジェクト「ヘルシンキ世界選手権ホプレガ解析動画」

 

イタリアは今日から入店人数の制限、消毒、マスク着用義務などの条件付きで商店と飲食店の営業再開が許可されました。

待っていましたとばかりにショッピングに走るイタリア人😅

マッテオは先週から氷上練習を再開したようです。

ベルガモはロンバルディア州の中でも新型コロナによる被害がとりわけ悲惨だった地域ですから、そのベルガモで選手達が練習出来ているというのはイタリアにとって朗報です。

ダニエル・グラッスル君の練習拠点があるトレンティーノ=アルト・アディジェ州は特別自治州で自治権がありますので、中央政府の決定を待たずに既に先週から商店・飲食店の営業が許可されていました。

グラッスル君が練習を開始したという情報は今のところ入っていませんが、トレーニング出来ているといいですね。

 

羽生君が今どこにいるかは分かりませんが、どこにいても健康で充実した時間を過ごせていることを願っています・・・

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu