StadioSportより「北京五輪2022羽生結弦と彼の転倒は歴史に刻まれた。神話がメダルを超える時」

サッカー中心のスポーツサイトStadio Sportより、普段はサッカーの記事しか書かない生粋のサッカージャーナリストの方が書いた記事です。

こちらは記事を紹介する筆者のダニーロ・セルヴァデイさんのツイート

驚くべきことに今朝、私は初めてサッカーについて書かなかった。私は初めて人間界に紛れこんだエイリアン、羽生結弦について書いた。彼は北京2022でもその伝説を改めた証明した。彼について書かずにはいられなかった。

原文>>

北京五輪2022羽生結弦と彼の転倒は歴史に刻まれた。
神話がメダルを超える時

ダニーロ・セルヴァデイ
2022年2月12日

2度のオリンピックチャンピオン、羽生結弦は冬季オリンピックでメダルを獲得することが出来なかった、しかし、このオリンピックのフリーにおいて、非常に難しい4アクセルで得点を得た後、彼の名前は歴史に刻まれることになった。

今大会、羽生結弦にメダルはない。2014年ソチ大会と2018年平昌大会の金メダリストである日本の羽生結弦は、金メダルはアメリカのネイサン・チェンに譲った。しかしながら、人々は彼について話し、今後も話し続けるだろう。

2月8日ショートプログラムにおける氷上の穴に起因する不運なミスの後、羽生は2月10日のフリースケーティングでスーパーパフォーマンスをすれば、十分メダルを獲得出来た。しかし、彼は別の道を選んだ。より困難な、彼にだけ許された道を選んだのだ。

19歳でソチで最初の金メダルを獲得し、2018年平昌で二連覇を果たし、伝説になった。この冬季オリンピックで羽生が、より高みを目指すために未だかつて誰も実現したことのない4アクセルに挑戦したことは伝説になった。

平昌オリンピックの金メダルの後、彼の目標がこの4アクセルであることは、羽生を追っている者なら誰でもよく知っていることだ。日本のスケーターは、この目標について何度も明言し、自分の言葉に忠実であり続けた。そして不可能を可能にすることに挑み、半分成功させたのだ

何故なら、羽生が4アクセルに挑んだ時、転倒したものの完全な回転まであと僅かだったため、ジャッジ達がこのエレメントに得点を与えたからだ。これまでオリンピックのリンクで4Aに挑戦した者も、挑戦しようと思った者もいなかった。しかし、日本の27歳は恐れなかった。そして最終的にささやかな報いを得たのだ。

卓越したパフォーマンスだった。メダルは獲得できなかったが、羽生はこのオリンピックの歴史だけでなく、スポーツ全体の歴史にその名を刻んだ。メダルを獲れなかった日本のスケーターは、テレビカメラの前で涙を流したが、ジャッジ達が4Aを認定する得点を与えたことを知った瞬間、彼が見せた恍惚とした表情は、このエレメントに懸ける思いが如何に強いかったかを物語っていた。

羽生は日本に3個目のメダルをもたらさなかった。しかしスポーツ界全体がまたしても彼の才能の前にひれ伏し、あなたが神話である時、ただのメダルを超越することを証明したのだ。羽生結弦はまたしても人間界に紛れ込んだエイリアンであることを証明した。

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☆この記事は同じくサッカージャーナリストのアレックス・シルヴェストリさんのツイートから知りました。


全文必読の素晴らしい記事です。フェノーメノ(超常現象)羽生結弦が、メダルを獲得しなかったにも拘らず、何をやってのけたのかを語っています。

イタリアのサッカー専門サイトのサッカーの記事しか書かない、明らかに畑違いのジャーナリストでさえも「書かずにはいられなくなる」、それが羽生結弦であり、彼のフィギュアスケートなのです。
メダルや得点で超えることは出来ない。
他にも素敵な記事が幾つもありますので、順次訳していきたいと思います。

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu