WINTER ARENAより「全日本のスピン無価値問題は黒歴史か?」

毎週配信される冬季五輪競技の考察番組「WINTER ARENA」より
視聴者からの質問によりチラッと羽生君の話題が出てきましたのでご紹介します。

☆エレナさんが該当部分を切り取ってくれました!ありがとう、エレナ!
Grazie Elena!💛

出演者
マッシミリアーノ・アンベージ(M)冬季競技専門アナリスト/ジャーナリスト、ユロスポ解説者
フェデリコ・ミリテッロ(F)OA Sportディレクター

F:視聴者からの質問
今や有名になった全日本選手権のショートプログラムにおける羽生のスピン無価値問題は黒歴史だと思いますか?

M:どのぐらい時間がある?(笑)
これは重要なテーマだ。
僕はフィギュアスケートのルールに沿っていなかったと思う。
すなわち、「疑わしい場合には常にスケーターに有利に判定する」というルールだ。
僕はあのスピンを50回は見返した。
足換えシットスピンだ。別の言語ではChange Foot Spinと呼ばれている。
一言で云うと、レベルに関係なくスピンが有効と見なされるには右足と左足でそれぞれ少なくとも2周しなければならない。
結弦はツイヅルを実施し、そしてスピンに入る。
彼がシットポジションになった時点でスピンが開始したと見なされる。
シットポジションとは体重を支える足の腿が氷面と平行になった状態のことだ。
つまり膝は直角になっている。
これがシットポジションだ。
スケーターはスピンを有効にするために右足のシットポジションで2周する。
基本的に右足でワンバリエーションで2周、別のバリエーションで2周し、左足に足換えする。
左足でもワンバリエーションで2周、別のバリエーションで2周、合計4周する。
テクニカルパネルはどう判定したのか?
左足で同じバリエーションで2周していなかったと判断した。
最後のバリエーションでは彼らの判断に同意出来る。確かに少し(回転が)足りなかった。
しかし最初のバリエーションは違う。
僕は50回見返したけれど、僕にとっては左足のシットポジションで2周していなかったからこのエレメントはノーレベルだと言える回転不足があったか否かを判断するのは不可能だった。

従って、僕の判断ではあのスピンはレベル3だった。
何故なら、僕の意見では左足の最初のバリエーションで体重を支えていない方の足が2周、またはほぼ2周する間、外側に留まっているからだ。このポジションも(レベルを取るための難しいバリエーションの)フィーチャの一つで、ここでも2周か2周未満かを理解しなければならないが、僕の意見では判断するのは不可能だ。
そして疑わしい場合には選手に有利な判定をしなければならない。
従って僕の見方ではあのスピンは有効でレベル3だった。
百歩譲ってレベル2は理解出来る。
左足の最初のバリエーションによって
しかし「ノーレベル」は僕の意見ではルールの原則に反している。
従って、「黒歴史」と言うことが出来る。
そして、議論はいつも原点に戻る。
全選手に対してこのように判定するのか、誰に対してもこのように判定しないのか。
しかし「疑わしきは選手に有利に」というルールがあり、左足の最初のバリエーションで2周しているか明確な判断が出来ない以上、レベル3と判定されるべきだったと僕は思う。

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スピンを50回見返したってw
さすがマッシさん、愛の深さが違う!😂
マッシさんのことだから「スピナーのウチのユヅルに限ってあり得ない!
💢」と目を皿のようにして見返したに違いありません。

スピンのノーカン判定は日本の意地悪なテクニカルを世界的注目に晒しただけの藪蛇でした。
聡明な羽生君は二度と同じ轍を踏まないよう、今後どんなに厳格なテクニカルパネルも文句のつけようのないスピンを揃えてくることでしょう。

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu