アンベージ・ウィンターコーナー「羽生結弦からアリョーナ・コストルナヤまで」

OA Sportで「アンベージ・ウィンターコーナー」という連載が始まりました!
筆者の質問にマッシミリアーノさんが答えるというインタビュー形式になっています。

非常に長いので、とりあえず男子シングルの段落だけ抜粋します:

原文>>

アンベージ・ウィンターコーナー:
羽生結弦からアリョーナ・コストルナヤまで~
グランプリ大会の見どころ

フランチェスカ・パオーネ(2019年10月16日)

今日からEuroSportの歴史的解説者であるマッシミリアーノ・アンベージの協力によって実現したコラム「アンベージ・ウィンターコーナー」の冒険が始まる。
このコーナーでは冬季コリンピック競技に関連する現在のテーマを掘り下げ、分析する。
実際、今週末にラスベガスで開催されるスケートアメリカと共に新シーズンのグランプリシリーズが開幕する。

(イタリアの出場選手達、ダンス、ペアの話題は省略)

男子シングルに話題を移そう。
火花を散らす戦いになることが約束されている羽生結弦vsネイサン・チェンの対決がグランプリファイナルのメインディッシュになると思う?

2人が競い合って互いに宇宙レベルの高得点を叩き出す可能性があるから、大会のメインディッシュに成り得る要因は全て揃っている。

アメリカの選手は2018年のミラノ世界選手権から無敗だ。
一方、2度のオリンピックチャンピオンは22回連続で国際大会の表彰台に上がっている。

特に羽生はファイナルで5回優勝した史上初の男子になる夢を描いているが、まずは未だに勝ったことのない彼にとっていわば「ホーム」での大会、スケートカナダのジンクスを破ることに挑戦する。
いずれにしても、2人が共にノーミスだった場合、天秤の針は日本の選手の方に傾くという私の確信は変わらない。

なぜなら、羽生は各エレメンツをより優れたクオリティでプログラムの中に包み込み、特にショートにおいてトランジションという点についてより豊かなプログラムを披露する能力があるからだ。
しかしながら、ネイサン・チェンがここ数年で向上したことも否定出来ない。とりわけ、オリンピックの悲惨なショートプログラムをすぐに忘れ、ミスを最大限に抑える術を学んだ。

羽生の本当の敵は怪我だ。怪我無く健康でいることが彼にとって真の挑戦になる。
歴史は、12月になると彼がギアを最高段階に挿入し、ライバル達が太刀打ち出来ない状態になることを教えてくれている。

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数日前に投稿された記事
マッテオ・リッツォが戦闘態勢。小さな宝石がトリノのファイナルを目指す
では羽生君のことを『この競技のモニュメント』と書いていましたw

<その部分だけ抜粋>

10月24-27日にケロウナで開催されるスケートカナダではこの競技のモニュメント、ユヅ・ハニューに遭遇する。そして日本の田中刑事、ラトビアのデニス・ヴァシリエフス等の選手達と対等に競い合う。

もはやユネスコ世界遺産のような扱いです😂

☆男子のアサインは以下の通り(最新版ではないので、WDした選手の情報は更新されていません)

チャレンジャーシリーズ等のここまでの試合の結果を見ると、今シーズンも引き続き羽生君とネイサンによる金メダル争い、その他の選手達による3位争いという展開になりそうです。
怪我などのアクシデントがない限り、羽生君とネイサンはおそらく2戦2勝でファイナル進出でしょう。

羽生君はオータムの時点で初戦とは思えないほど好調でしたので、これから更に調子を上げ、滑り込んでいったら一体どんなプログラムが完成するのか、楽しみでなりません。

ネイサンは公式記録にはならないジャパンオープンでフリーのみを披露しましたが、構成を少し下げたとはいえ、ジャンプの安定感はさすがでした。羽生君が出場する大会では冒頭の3ルッツを4ルッツにしてくるのでしょう。
状況に応じて構成を自在に変えられる柔軟性は彼の強みですし、戦略や調整の仕方からこの選手の聡明さが伺えます。

宇野昌磨君も初戦は不調だったとはいえ、これから調子を上げてくるでしょうし、どちらの大会でも2位以下になるとは考えにくいので、おそらくファイナル進出は確実。
ただ、フリーのボーナスエリアのジャンプが2本だけだったり、3ループか3フリップを2本にすることも出来ると思うのに2アクセルを入れていたりと、戦略においていささか迷走している感があるのはコーチ不在の影響でしょうか。
この辺りもフランプリ大会でどう修正してくるのか興味があります。

残りの3枠は全く予想が出来ません。
高難度構成という点ではボーヤン、ヴィンセント・ジョウ、サマリンですが、自爆すると悲惨なことになりますので、アリエフ、エイモズ、リッツォ、ジュンファンといったよりコンプリートな選手達が、構成が少し弱くてもミスなくまとめれば、前述の選手達を上回ります。
ただし、ここまでの大会を見るとどの選手もまだ安定感に欠きますので、ミスによって順位が大きく入れ替わる可能性があります。

若手がミスを連発した場合、先シーズン起こったように、ミハルやヴォロノフのようなベテラン勢にもチャンスがあるかもしれません。
個人的に山本草太君に頑張ってもらいたいと思ったら、NHK杯1戦だけなんですね😢・・・

この記事のトップに使われているマッシミリアーノさんの加工画像、

誰かに似ていると思ったら、この方だった🤣
フランツ・リスト

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu