アレッサンドラさんの現地レポ「RE_PRAY宮城公演1日目」

作家でバレリーナのアレッサンドラさんは何と宮城公演も見に行くことが出来たそうです。早速、素晴らしいレポートを上げて下さっていましたので訳したいと思います。

私はここにいるべきではありませんでした。
横浜公演2日目が終わったとき、「これがRE_PRAY千秋楽で良かった!」と思った自分を尊重し、悔いが残らないようにと一応、抽選に応募したのです。
落選するつもりで参加したので、一番いい席を選びました。

ただ私は当選してしまったのです。

それから、数時間、数日間、数週間に渡る家族との交渉、レゴモデルのプロでも不可能な仕事スケジュールの再構築、ドッグシッター探し、惑星の配列とアストラルコンジャンクションの計算、コラス・フラメルも羨むような錬金術・・・ あなたが望むなら私はどんな魔法でも使いますよ!「ビビデ・バビデ・ブー・ハニュー」

そんなわけで、私はここにいるべきではなかったけれど、ここにいます。
仙台に。

(仙台でのエピソードは省略)

完璧な日は存在します。唯一の問題は、そうなるためには、結弦のショーがある時に仙台で過ごさなければならないということ。そしてそれは、旅費を捻出するのに十分なお金と時間を用意しなければならないということであり、そして最後に(というか、最後であると同時に一番最初に)、テレ朝日チケットの抽選に当選しなければならないことを意味しているのです。つまり、「完璧」はこの世のものではなく、惑星ハニューだけのものなのです。

(朝から会場に入場するまでの仙台および会場周辺でのエピソードは省略)

さあ、入場します!つまり、私達はここにいます。
エレナ(いつも動画を提供して下さるエレナ Cさんではなく、別のエレナさんです)は2列目、私は7列目。共にスクリーンに向かって左側で、彼女はよりスクリーン寄り、私はセンター寄りでした。ここからなら、彼はまさに目の前です。筋肉の動き、指の動き、まばたき、そして鼻の穴まで見えそうです・・・
そして実際にそうでした。

ショーが始まります。
横浜やストリーミングでショーの全体像をじっくり見ていて良かったです。今日、この距離から、私の目はずっと彼だけに釘付けになっていたのだから。
スクリーンで起こっていることに気付いたのは彼がリンクにいない時だけでした。
特殊効果?
気付きませんでした。
プロジェクションマッピング?
今日は何だったのかも分かりませんでした。
今日存在したのは、ユヅ、ユヅ、ユヅ、ユヅ、ユヅ、ユヅ、ユヅ・・・そしてユヅ。

『いつか終わる夢』では完璧なベスティ・スクワットと大腿四頭筋の収縮に目が釘付けになりました。外科手術並みに正確な彼の手、腕、頭、肩の動き、そして『鶏と蛇と豚』での足によるふんだんなコントゥルタン。

ホープ&レガシーで会場の空気と私達を照らすユヅの穏やかな微笑み。
Megalovaniaのスピンの旋回速度は驚異的でした。

『破滅への使者』では、スケーティングの恐るべきスピードと、衣装よりも赤く、爛々と輝く彼の目に宿る炎が印象的でした。
全てが懐疑と感動の狭間で起こる魔法なのです。
神様・・・何という滑り、何という演技・・・
今日は一糸の乱れもありませんでした。
全てのジャンプはGOE+5、スピンはレベル10(もし存在するなら)、演技構成点は言うまでもありません。もし、彼が史上最高だけでなく、人類の歴史が終わるまで最強であり続けることを証明したいのだとしたら、今日それを成し遂げようとしています。

休憩時間にエレナと会いました。彼女は・・・生まれて初めてこのような美を目の当たりにしたにしては、むしろ落ち着いているように見えました。それから私は彼女の手が震えていることや、今日が何曜日なのか分かっていないことに気が付きました(「あれ?今日は日曜日なの?」と)。彼女は冷静な訳ではなく、魂が離脱していたのです。彼女は完全に惑星ハニューに行ってしまっていました。

それから席に戻り、後半が始まります。
2度目の『いつか終わる夢』の完璧なアラベスクを堪能します(これほどゆっくり滑りながら、一本のブレードでどうやってバランスを崩さずにアラベスクを維持出来るの?どうやっているの???)。

『あの夏へ』の水生の優美さ・・・しかし、彼はいつも衣装の裾でこれほど自然に遊んでいるのでしょうか?そして長い長い放物線を描くスパイラル。
「春よ来い」の胸が高鳴るような歓びの笑顔と手と指の甘美な動き・・・

天と地のレクイエムを後回しにしました。
何故か?
それは私達が今、2011年3月11日に起きた悲劇を象徴する町にいるからです。そして、私達は当時、遺体安置所として使用されたアリーナにいます。
プログラム全体を通して、ユヅは、彼らの身体の間を行き来し、彼らを見守り、彼らのために苦しみ、彼らのもう話せない無念さや実現できない夢を受け止めながら、彼らのために滑っている印象を受けました。過去と未来、恐怖と希望は死者からユヅへと受け継がれ、重く尊く、困難で愛おしいこの重荷を、彼だけが(過剰に)背負うことが出来るのです。手が届きそうで届かない、唯一灯されたランタンの下を滑りながら、結弦は叫びました。完璧だったにも拘わらず、今日は『破滅への使者』の最後で叫ばなかった彼が、ここで叫びました。彼を通して大地から天へと昇っていく叫び・・・観客の私達が泣かずにいるのは不可能でした。

RE_PLAYの文字が現れ、LがRに置き換えられ、エストポリスの驚異的な映像とエンドロールが終わりました。
そう、新しい黒Tシャツにベルト付きレギンスを履いたユヅが再び現れました。
彼は何て陽気なのでしょう!彼はよく喋り、微笑み、クスクスと笑い、バナーやフラッグを楽しみ、冗談を言い、ふざけます・・・彼は何と幸せなのでしょう。
壮大で途方もないパフォーマンスだけでなく、私達もあなたを幸せにする存在なの、ユヅ?
何故なら、私達がどれほどあなたを愛し、あなたの幸せが私達の幸せであることを知っているから?
そうであることを願っています。

私は香港のFanyuから貰った「Support Yuzu. Continue? YES」と書かれた旗と隣の席の人のバナーを振りながら、叫び、飛び跳ねました。もし私の気持ちの百分の一でもあなたが受け取ったなら、ユヅ、あなたは愛の炎を感じるでしょう。

Let me Entertain Youの時間がやってきて、歓喜と興奮は最高潮に達します。目の前で披露された「shake your ass」(お尻を振って)とムーンウォークに動揺した私は、ユヅの要求通り、絶叫しました。
LET ME!
ENTER!
TAIN YOU!
ええ、そうよ。もうお別れなのだから、好きなだけ私を楽しませて!
ロビー・ウィリアムス、SEIMEI(私達の賛歌に皆総立ちでした)、そして、ロンド・カプリチオーソ…最後にはユヅの唇はまた紫色になっていました。この時、私はまだ彼がこの時期、花粉症に苦しみ、眠れないことを知りませんでしたが(この後、ソーシャルで読みました)、彼が疲れ切っているのは明白でした。それでも、彼はいつもののように、最後の最後まで300%与えてくれました。このステップシークエンスも完璧でした。完璧なポジションのタン・ルヴェ、ソ・ドゥ・バスク・ア・ナティテュードは素晴らしく高さがありました。私達は手の平がワイン色に染まるほど拍手し、水色のRE_PRAYパーカーを着たユヅが、マイクを手に最後のお別れの周回をします。

私は最強!!!

挨拶のパートと、今や恒例となった振付のパートに分かれた、Fanyuにとって2つ目の賛歌の時間も過ぎ去り、「ありがとうございました!」と絶叫する瞬間が去り、それからユヅは私達に背を向けたまま氷から上がって、闊歩し(歩いて立ち去るこの瞬間の彼を形容する他の言葉が思いつきません)、最後にもう一度、王者の印として右腕を上げます。

彼を生で見た他の人がどう感じているか分かりませんが、普通の照明に戻った時、私はいつも、しばらくショーが終わったことに気が付かずにいるのです。全てがここで終わるなんてありえないと思える瞬間、だから私はじっとして、呆然としながらRE_PRAYが最初から始まるのを待っている。しかし、彼は最初から始めることは出来ませんし、それで良いのです。宝石は一度に宝石箱に放り込むのではなく、大切に保存するために磨き、一つ一つ仕舞わなくてはなりません。
私達は、幸せ、驚き、そして愛に至るまで、自分達が感じたことを追想し、追体験し、伝え、耳を傾ける必要があります。

それから私はエレナと合流し、他のFanyu達と共に震える足で、仙台行のシャトルバスに向かいました。

(シャトルバスに乗り込むまでと夕食のエピソードは省略)

ようやくホテルに付きました。私はスーツケースを詰め、目覚まし時計を朝5時にセットしなければなりません。今回、私には2日目はありません。すぐにイタリアに戻らなければならないからです。でもそれでいいのです。まだ公演があるのに見られないと思うことは、耐えられないことではありません。この公演を見られたことが既に奇跡であり、想像もしなかったチャンスであり、これ以上の幸せはないと感じています。

そこで私はスーツケースに荷物をまとめ、目覚ましをセットして、火曜日の公演も見に行くエレナに仙台への私の愛を託します。火曜日の公演はBeyond Liveの生配信をイタリアで見ることになるでしょう。それでいいのです。
私は心から満足しています。このように、仙台で、RE_PRAYとユヅを見ることが出来たことに。

そう、私はこれで家に帰れます。
#SendaMonAmour

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☆アレッサンドラさんは後から後悔しないように抽選に申し込むだけ申し込んだそうです。激戦のいい席だけ選んだので、絶対落選だろう、でも挑戦してダメなら諦めが付くと。
ところが何と当選してしまったそうなのです。予定を動かして急遽来日するのは難しく、一度はリセールに出すことも考えたそうですが、こんな機会は二度とないと考え、仕事を調整し、家族を説得して強行来日しました。
私も昨年の同じ時期に、全く個人的な事情で急遽帰国しなければならなくなったので知っていますが、この時期、出発の数週間前に日本行のチケットを購入すると、本当に目玉が飛び出すようなお値段なのです(でもそのおかげで、スターズ・オン・アイスで羽生君を見ることが出来た訳なんですが)。

2泊3日、中一日、RE_RRAYを見るためだけに海を越え、数千マイルを往復したアレッサンドラさん。
しかし、こんな狂気の決断をさせてしまうのが、羽生結弦のスケート芸術の魔力なのです。

私は、RE_RRAYは横浜で頂点に達したと思っていました。「アポトーシス」(神格化、極致)を見たと、私達は奇跡に立ち会ったと。
まさかそれ以上があったなんて・・・
あの横浜を超える完成度、あの『完璧』を超える境地って、一体どんな次元なのか・・・異次元過ぎて想像も出来ませんが、横浜公演千秋楽は奇跡ではなく、血の滲むような努力によって築き上げられた盤石な芸術作品であり、あれから(本当に信じられないですが)ノッテステラータを大成功させながら、彼は更に進化し続けていたということです。

でもこれが羽生結弦なんですよね。
競技時代、国境を超えて彼が出場する大会を見に行っていた時も、去年、思いがけず見ることが出来たスターズ・オン・アイスでも、横浜で見た2公演でも、彼はいつも期待を遥かに超えるものを見せてくれました。高額なチケット代や旅費を払っても見に行って本当に良かったと思わせてくれる、それどころかお金の価値で表すことなど不可能な感動と体験を与えてくれるのが羽生結弦のスケート芸術なのです。
だから、仙台駅からシャトルバス、または利府駅からバスまたは徒歩1時間という不便な遠方の地で、千秋楽は平日火曜日の午後という不利な条件が揃っていても、チケットは多数の落選者出しながら機材開放席まで完売するのです。これが如何に凄いことなのか、ずっとアクセスの便のよい主要都市で、週末開催される他のアイスショーが集客に苦戦しているのを見れば分かりますよね?

明日は宮城公演最終日
イタリアからもBeyong Liveの世界配信を見ることが出来ます!
いつもいつも世界のファンのことまで考えてくれてありがとう!🙏

やろうやろうと思いながら、面倒でずっと後回しにしていたのですが、やっとHDMIケーブルを買ってきてテレビとノートパソコンを繋ぎましたので、明日は大画面で見られます!💕
こんなに簡単ならもっと早くやれば良かった・・・

画質チェック良し!
音声チェック良し!
WiFi接続チェック良し!

開演まで約10時間!
楽しみです!💕

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Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu