マンマ解説でお馴染みのRai Sport放送の四大陸選手権男子ショートから
羽生結弦選手のショートプログラムの実況解説です。
エレナさんの動画です。いつもありがとう!
Grazie Elena!♥
実況:アリアンナ・セコンディーニ(A)
解説:ファブリツィオ・ペドラッツィーニ(F)
A:そして今、どれほどの注目が羽生結弦に注がれていることでしょう。
彼は自分のアイドル、エフゲニー・プルシェンコとジョニー・ウィアーにオマージュを捧げるプログラムをやめる決意をしました。
常に彼らの影がつきまとい、自分自身ではなく、自分自身を表現し切れないと感じていた、だから彼自身の、彼が在りたいままのプログラムに戻したと彼は言いました。
これらは私達がオリンピックで見た本当に美しいプログラムです。
ショパンのバラード第1番、そしてSEIMEIを見ることになるでしょう。
これらは彼が羽生結弦でいられるプログラムなのです。
さあ見ましょう。
F:4サルコウ
F:4トゥループ/3トゥループ
F:素晴らしい3アクセル
バックカウンターから
A:マンマミーア!
これは羽生結弦です
このプログラムは彼を象徴しています。
彼に対するこの驚異的な祝福を見て下さい。
彼は音楽をより表現したいと言いましたが、彼が音楽なのです。
音楽と同調して実施されたこれらのジャンプは完璧でした。
本当に並外れたプログラム
過去に既に見たプログラムですが、まるで初めてこのプログラムを見るような感覚を覚えます。
何故なら彼に常に新しい何かを加えるからです。
F:彼には音楽を表現する素晴らしい能力がある。
僕達がいつも言っていることだけれど。
僕達は彼を「氷上の音楽」と定義した。
本当に驚異的だ。
なぜなら、まるで音符が彼の内部から湧き出てくるようだからだ。
A:ステップシークエンスは鳥肌モノだったと思います。
F:あの加速といったら
A:ステップシークエンスが始まると同時に観客は絶叫しました。
ステップシークエンスの彼の最初のジェスチャーから
途方もなかったです。
F:彼は本当にアイドルだから、(彼はアスリートだかアイドルと呼ぶのは)デリケートな問題かもしれないけれど、どんな瞬間でも観客は熱狂する
A:ブライアン・オーサーとジスラン・ブリアンが2度のオリンピックチャンピオンを迎えます。
考えてもみて下さい。
彼がまだ優勝したことのない唯一の大会が2位が3度続いたまさにこの四大陸選手権でした。
F:見てよ!
プーを集めるのを手伝っている
A:プーが多すぎるから
フラワーボーイをやっているわ
もはや結弦は何でも出来るから
F:ハハハ
バイバイ、楽しんでね!だって
A:羽生結弦がいるとプーが飛び交うからフラワーガール達は大変ね
F:天才的だ
天才的だ
A:これは彼だけに許されることね
F:そう、演技後、キス&クライで得点を待たずに、フラワー達を助けてプーを集めることが許されるのは彼だけだ
A:プーが多すぎて疲れたようね(笑)
本当に素晴らしいわ
何と素晴らしいスケーターでしょう
私は彼はもはや結果のために滑っているのではないと思うわ。
これは私の印象だけれど。
F:でも、いずれにしても彼は戦闘モードになっていると思う。
彼は自分の欲しいものを知っていて、これを獲得したい、自分が出来ること示したいを思っている。
そしてネイサン・チェンの襲撃を許した自分自身に腹を立てている。
A:でもトリノのプレスカンファレンスを覚えている?
彼はネイサン・チェンの登場は彼にとって幸運だったとも言っているわ。
何故ならモチベーションを与えてくれたから。
そうでなければ、彼にとって超えるべきものは本当に何もなくなっていた。
さあ彼が自身の持つ世界最高得点110.53を超えられるか見てみましょう。
羽生が2018年のロステレコム杯で出した記録です。
F:これを見て
4サルコウ
何という繊細さ、姿勢
彼にとってあまりにも簡単だから目を閉じている。
一言で言うと「Flow」の中に組み込まれている。
魔法のように全てが全く途切れることなく実施される。
これはコンビネーションジャンプ
左足でトゥを突く4トゥループ
何と簡単に実施しているのか
彼の肩に注目して欲しい。
彼はあまりにも簡単に正しく実施していて全く力みが感じられない。
A:彼にとっては全てが簡単なのです。
F:全てが流れるように実施される。
そして彼には身体を使って旋律を内面からなぞる素晴らしい能力がある。
この眼差し
彼の世界に引き込み、風や頭や身体の動き、表情や眼差しによって観客に伝達することが出来る。
まるで泡を伝達するように・・・でも非常に強い泡だ
A:おそらくこのプログラムに戻したのは正しかったのでしょう。
より彼を象徴するプログラムです。
私達は彼の新しいプログラムを楽しみにしているけれど。
だって彼のようなチャンピオンからは常に違うプログラムを見たいものです。
F:そうでないといつも同じプログラムの繰り返しになるからね。
彼が神なのは分かっているけれど、せっかくこれほど能力があるのだから、毎シーズン、新しいプログラムで僕達を唖然とさせて欲しいという論調もある。
A:でもシーズン途中にプログラムを変更し、これらのプログラムに戻したということは、彼には何が自分のスタイルなのか分かったのでしょう。
エキシビションで分かったと言っています。
彼は自分自身に戻りたかった、彼のアイドルから着想を得たプログラムは完全に自分のプログラムにはなり切らなかったと言っています。
今日のこのプログラムは本当に素晴らしかったです。
F:明日、僕達を待っているフリーは?
A:SEIMEIは本当に素晴らしいプログラムです。
F:まさに結弦だ
A:アイスショーでも何度か披露しています。
彼がSEIMEIを演じている時、まさに彼自身です。
F:(得点表示に)何故こんなに時間がかかっているのかな?
彼がフラワーガールに交じってプーを集めていた時間もあったのに
フラワーガール達がまだ出入りしている。
ジャンプは全て認定されている。
A:何の問題もありません。
4サルコウは+4.43
4トゥループ/3トゥループは+4.21
3アクセルは+3.77
F:ネタバレしてもいいかな?
全てがこのままなら技術点は63点以上
たった63点だ(笑)
凄い高得点だ
A:ということは・・・
注意して下さい
羽生結弦の得点は上昇しています
彼自身を破る可能性があります。
彼の自己ベストは110.53。
これは世界最高得点です。
111.82点
羽生結弦は自分自身に勝ちました。
これは新しい世界最高得点です。
キス&クライではそんなに大喜びしていないようです。
何という得点でしょう
技術点63.42、演技構成点48.40
まさにチャンピオン
ファンタスティコです
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☆ショパンのバラード第1番はいわゆる「イーグルサンド」ジャンプが初めて導入されたプログラムでした。
2014年の中国杯でイーグル3Aイーグルを初めて見た衝撃は忘れられません。
これほど美しいジャンプが存在するのかと思いました!
(確かイーグルサンド3Aの+3満点率は100%だったと記憶しています)
その後、冒頭のジャンプが4サルコウになっても4ループになっても、前後のイーグルはそのままで度肝を抜かれました。
このバージョンのイナバウアー>ターン>バックカウンターから跳ぶ3アクセルもまるでトランジションのようです。