マッシミリアーノさんのFB「天と地と~技術要素と芸術性との完璧な融合」

マッシさんがご自身のFBページに2020年全日本の「天と地と」の動画を上げていました。

羽生結弦がその長いキャリアの中で与えてくれた偉大な教えの一つは、結果を追い求めるために決して己の信念を曲げないということである。その信念、他のスポーツも含む多くのアスリートや専門家のインスピレーションの源となったアプローチ、

技術要素と芸術性との完璧な融合というフィギュアスケートの概念は、最初の歩みから、絶対的卓越の頂点に到達まで、日本のチャンピオンの軌跡において常に彼と共にあった。注意して欲しいのは、羽生のフィギュアスケートの難度とは、決してただのジャンプの実施ではないということだ。その前後を含めた技術要素全体のことなのだ。上半身と足の途切れることのない流れの追求は、時間の共にマントラ以上のもの昇華し、ライバル選手達との主要な違いの1つであることが証明された。

この意味において、競技会で披露された最後のプログラムとなった「ロンド・カプリチオーゾ」と「天と地と」は、方法こそ異なるものの、選曲と編曲から振付、競技衣装に至るまで、可能なあらゆる側面で2度のオリンピックチャンピオンが自らを試したという点において一つの到達点となった。どちらのプログラムでも、一つの一つの動作に対する配慮に目を奪われる、どの動きも、切り離すことの出来ない一部として音楽と一体化し、氷上にもたらされた物語のメッセージをより効果的に伝播するために注意深く研究されている。

2つのプログラムの共通点の一つは、これらがパンデミックがピークだった時期、羽生が現場でのサポートを一切受けず、夜中に一人で練習していた期間に作られたプログラムだということだ。

「天と地と」はロンド・カプリツィオーゾが達した到達不可能な技術的複雑度には及ばないものの、SEIMEIによって開かれ、正真正銘の傑作作品であったホープ&レガシーによって引き継がれたアジアン三部作の最終章を飾る伝説のプログラムである。

日本のアイコンが競技を引退した日に、彼の記録と快挙を列挙する必要はないだろう。というのもあらゆる観点から掘り下げる時間と方法が必要だからだ。従って、今は2020年12月の全日本選手権で完璧に演じられたプログラム「天と地と」の絶対的初演に注目しよう。

お楽しみください!

Published by Nymphea(ニンフェア)

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち @pianetahanyu