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イタリア解説EuroSport版「平昌2018団体戦~製氷中にパリ散&ロミジュリ」

平昌オリンピックがついに開幕しました!(既にドキドキしていて個人戦まで心臓がもつか心配)
男子ショートとペアの間の製氷中、ここぞとばかりに羽生君のソチのプログラムが放送されましたのでご紹介します!

 

実況:マッシミリアーノ・アンベージ(M)
解説:アンジェロ・ドルフィーニ(A)

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SP「パリの散歩道」

M:4年前に遡ってみよう。
フィギュアスケートのマイルストーンを見よう
羽生結弦のショートプログラム、音楽は

A:ムーアだ

「パリの散歩道」

この途方もないクオリティの4トゥループから始まるブルース

このプログラムはあらゆる理由において本当にマイルストーンだった

M:100点越え

A:初めて100点の壁を超えたプログラム
彼はこのプログラムを構築してソチで金メダルを勝ち取った

M:この機会に先ほど見た団体戦の前半について掘り下げよう
宇野昌磨が相応しい演技で勝利した男子ショートだ

A:議論の余地のない勝利だった

M:一言で言うと大差の圧勝だった。

それでは何故、僕達が彼の4回転ジャンプ、正確に言うと4フリップとコンビネーション4T-3Tについて議論するのかを具体的に説明しよう

まずフリップから始めよう

何故僕達はこのジャンプはステップから跳んでいないと言っているのか?

昌磨はこのジャンプの前に何をしている?

A:宇野昌磨は4フリップの前に他の多くの選手がそうしているように長い助走をし、その後で何かはしようとしている。

彼はこの助走の後、ジャンプが近くなってくると、チョクトーを入れている。技術的に難しいステップではあるけれど、彼のはささやかなものでエッジもそんなに深くない。フリップの入りであるスリーの前、跳ぶ体勢になる前にこのステップを入れている。
スリーはフリップの通常の入り方だからステップとは見なされない。
だからかなり省略されたステップだし、彼はジャンプに入る前に一度止まっているからジャンプからかなり離れていると言わなければならない。

M:一方、なぜ僕達は4T-3Tはステップから跳んでいると言っているのか?

A:なぜならコンボは本当に難しい入り方から、しかも直ちに跳んでいるからだ

4トゥループに入る前のスリーの直前にカウンターという技術的に非常に難しい技を入れている

だから難しいステップから直ちに跳んでいる
だから僕の意見ではもし4トゥループをステップからのソロジャンプにすれば、ショートのジャンプでももっと高いGOEが稼げると思う

sochifs

FS「ロミオとジュリエット」

M:羽生結弦のフリープログラムも見よう

史上最も強い選手の一人
比類のない才能

シーズン中盤で怪我をしてしまったのが残念でならない
これから覚醒していくという時に・・・グランプリ大会というそれほど重要ではない大会で

A:彼は冒頭のジャンプ、4サルコウで転倒するけれど、このジャンプの価値を強調しなければならない。なぜなら当時はこのジャンプのおかげで、他の選手に比べて戦略的な構成を組むことが出来たからだ

M:今、視聴者から質問が入ったから紹介しよう

非常に興味深い質問だ。なぜならこのプログラムがなぜターニングポイントだったか理解出来るからだ

質問「ユヅルはフリーで4ループを回避し、4トゥループ2本、4サルコウ2本にするという噂がありますが、2本目の3アクセルを断念する意味はあると思いますか?」

僕達の答えは、ノーだ

A:ノーだね

M:絶対に

この演技を見ればその理由が分かる

A:なぜなら彼がこの大会で勝ったのはショートプログラムのおかげと、そしてフリー後半に入れた2本の3アクセルで大量の得点を稼いだからだ。彼が跳ぶ難しい入り方からの3アクセルは4回転ジャンプと同じ価値がある

M:その通り

A:しかも圧倒的な成功率だ

M:だからユヅルが健康で4ループを跳べるなら、この要素は重要な勝ちカードだ。

前半に4ループと4サルコウを跳び、後半に2本の4トゥループを跳べばいい。もし彼の考えもそうならだけれど。
通常、2本の3アクセルも後半なことを考慮すると、結果的に6本のクワドを跳ぶのと同じになる。

見てみよう。

でもユヅルは決して後に引かないタイプだから。これが一番の問題なんだ。

全部彼に決めさせたらまず4ルッツ

A:ルッツ(笑)

M:次に4ループ、後半に4サルコウ、4トゥループ2本、そして2本の3アクセルで締めくくる
でも彼の身体がどう反応するか考慮しなければならない

確実なソースによればユヅルは元気なようだけれど、長い間、試合の雰囲気から離れていたからね

(ロミオとジュリエットの)後半を見てよ
これは純粋な詩だ
僕達はフィギュアスケートの百科全集を見ている

A:この3A-3Tはそのほんの一例に過ぎない

驚異的なクオリティだ。

フィギュア界で最も美しい3アクセル

これはバックカウンターからの3A-2T

究極難度の入り方だ

これは2種類のクワドによって当時、勢力図の均衡を崩すプログラムになった。

今では2種類のクワドというと思わず微笑んでしまうけれど、当時はめったに見られない構成だった。

当時2種類のクワドを跳べた選手はベストのフェルナンデスだけれど、3アクセルは羽生のクオリティではなかった。時間をかけて今では彼も羽生のように3アクセルの安定感を手に入れたけれど

3Lz/Lo/3S、これも高得点のコンビネーションだ

今では羽生のプログラムは更に高難度になったけれど
この最後の3ルッツ2本も当時におけるこの競技の進化を物語っている

羽生が彼のプログラムで刻んできた進化だ

今では彼と同じぐらい究極難度のプログラムを滑る選手がいるし、中には彼より更に究極難度の選手もいる

M:ネイサン・チェンは最も究極難度の選手だ

A:少なくとも4回転ジャンプという意味ではね。でもプログラム構成全体の複雑さと難度、複雑で難しいジャンプの入り方という点においては羽生ほど究極難度ではない。

この点においては間違いなく宇野が幾つかのジャンプ要素について取り組もうとしているのが分かる。ショートの4T-3Tのコンボの難しい入り方について先ほど触れたけれど、フリーの2本の4トゥループもそうだ。

 

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団体戦男子ショートは上位選手の解説を抜粋で翻訳しようと思っていたのですが、壮絶な自爆大会になってしまった上、解説陣も称賛より回転不足などの指摘・批判の方が多い辛口解説だったので訳すのをやめますが、マッシミリアーノさんが2Tになってしまったネイサン選手の4Tについて、「これまでと入り方を変え、(ジャンプから少し遠いものの)ステップから跳ぼうとしてミスをした。このことから分かるようにステップからクワドを跳ぶことは、普通に跳ぶよりずっとずっと難しいことなんだ。だからこそ、ステップのないソロジャンプはルール通り-3にするべきだ」と力説していたのが興味深かったです。

それにしてもここまで壊滅的な自爆大会を見たのは2015年のバルセロナJr.GPF男子フリー以来かも(まさかの2位ビシェンコ)

やはり五輪には魔物が棲んでいるのか・・・

北米組のパトリックとネイサンはまだ時差ボケがあるのかもしれませんね
きっと個人戦にピークを合わせてくるのでしょう(パトリックは6分間練習では絶好調だったのに・・・)
その中で実力を発揮した宇野昌磨君の強心臓はさすがです

ロシアとアメリカが沈んでイタリアにメダルの可能性が浮上したのでマッシミリアーノさん達は大喜びです
もしイタリアチームが好順位でフリー進出を決めた場合、カロリーナとカペッリーニ/レノッティ組がフリーも滑る可能性は十分あるそうです!

Published by Nymphea

管理人/翻訳者(イタリア在住)。2011年四大陸チゴイネ落ち