ジェフリー・バトルのインタビュー動画で、羽生君の新ショートプログラムをリモートで振付たことが明かされました。
今のところ、ショパンとは全く異なる系統、という情報しかありませんが、新プログラムの振付が行われ、既に完成していると分かっただけでワクワクします!
自ら振り付けた羽生君の作品の中でジェフの一番のお気に入りは「パリの散歩道」なんですね。
パリ散と言えば、グランプリ初戦でいきなり当時のショートプログラム歴代最高得点を叩き出したスケートアメリカの衝撃は今でも忘れられません。
そう言えば実況動画を訳していませんでしたので(ニコ動に翻訳動画はあったと思いますが)、当時の感動を再び味わいながら、自分用に翻訳したいと思います。
エレナさんの動画です。いつもありがとう!
Grazie Elena!🧡
実況:アリアンナ・セコンディーニ(A)
解説:ファブリツィオ・ペドラッツィーニ(F)
A:さあ次は羽生結弦の番ですが、私達は彼の演技に興味津々です。
彼は非常に若い選手ですが、人生における重要な変化、コーチの変更を決断しました。
ブライアン・オーサーに師事するためにトロントに移住したのです。
ブライアン・オーサーはオリンピックチャンピオン、キム・ヨナを育て、ハビエル・フェルナンデスをまさに再生しました。
正確には、モロゾフと練習していた頃に比べて、フェルナンデスの正しい顔を見つけたと言った方がいいでしょう。
ではオーサーが羽生結弦に対して何をやってのけたのか見てみましょう。
F:4トゥループ
何て簡単に跳ぶんだ
F:3アクセル!
興味深いステップシークエンスから実施した
F:3ルッツ/3トゥループ
A:驚異的だわ
(演技終了)
A:ワオ!!!(笑)
F: OK
A:何というプログラムでしょう!
私は羽生結弦は途方もない、ブライアン・オーサーは魔術師と言いたいわ
(オーサーは)彼も変身させました。
今では技術だけではありません。
あなたに鳥肌と感動を与えます。
F:彼は大人になった。
彼には既に途方もない才能があるけれど
A:ファンタスティコ
F: 更に成熟したアプローチを見せた
A:見て!彼を見て!
何と自信に満ちて観客に挨拶しているのか!
F:そして何て簡単に要素を実施していたか
彼は非常に難度の高い技術的要素を信じられないほど簡単にこなしてしまう。
そして・・・
見てよ、観客の何人かは立って拍手を送り、これほど若い、才能溢れる選手を認めている。
本当に見事だった
A:誓って言うけれど、私は涙が出たわ。だって本当に途方もなかったから
F:彼はよく鍛えられているから、もう一度全く同じプログラムを滑ることが出来ると思うよ。
だって全然疲れていないように見える
A:信じられないわ
日本の国内競争は驚異的ね
F:ほら、まだジャンプの構えを試している
彼は今、リンクに向かってお辞儀をしたけれど、これはリンクにも感謝するという、非常に日本的な行為だ。
A:ファンタスティコ
(4Tスロー)
見て、クリーンだわ
F:マンマ・ミーア
それに何て簡単にやってのけるのか
軽々と跳んでいる
A:本当にもの凄く簡単なことのように見えるわ
F:本当に簡単そうだ。
僕達もコーヒーブレイクに試してみようじゃないか
A:そして今晩、私達は実況席に戻ってこないでしょう。
私は戻ってこれなくなるわ
F:いや、きっと簡単なんだよ(笑)
A:驚異的だわ
彼の演技を追うブライアン・オーサーを見て
F:アクセルの踏切前のステップを見てよ
A:何という挑戦でしょう!
F:バックカウンターだ
A:それにアピール力もどれほど進化したか気が付いた?
F:これは3ルッツ/3トゥループのスロー映像
それにステップシークエンス、例えば足の形をへの字にして滑っていく個性的なフィギュアを実施しているけれど、完璧に音と同調している。これは、このプログラムがただ間を埋めるために適当に振付を詰め込んだわけではなく、細部まで研究し尽くして考案されていることを示す例の一つだ。
ジャッジはこのことを評価せずにはいられないはずだ。
見てよ、まだジャンプの構えを試してる(笑)
演技は終わったのに、まだジャンプを試そうとする(爆笑)
彼にとっては練習なんだよ。
A:ブライアン・オーサーは本当に魔術師ね。
F:こんな風にオープンで生き生きとした彼を見られるのは嬉しいね
A:彼はとても満足しているように見えるわ
さあ、得点を見ましょう。
F:技術点を見てよ!
A:95.07点!
F:マンマ・ミーア!
A:知ってますか?これは世界最高得点です!
これまでの世界最高得点は高橋大輔が2012年世界国別対抗戦に出した94点でした。
皆さん、これがショートプログラムの新しい世界最高得点です。
この少年について何を言えばいいのか
驚異的です。
95.07点
技術点51.71
でも演技構成点に注目して下さい。
昨年の彼はこのような感動を与えませんでした、
今年はそれが出来ました。
43.36
演技構成点で唯一彼に迫った選手はコンポーネントの魔術師、ジェイミー・アボットの40.90ですが、彼はアボットを打ち負かしました。
技術点は51.71
これが順位です。
羽生結弦がショート首位。
こうなるとノートルダム・ドゥ・パリを早く見たいわね。
F:僕もだ。待ちきれないよ。
A:さあ、ハイライトを堪能しましょう!
羽生結弦です
F:この4トゥループ
何という軽やかさ
全く力みがなく、プログラムを全く中断していない。
究極のナチュラルさで技術的要素が現れる。
さっきスウェーデンの選手を見ながら話したけれど、普通はジャンプへの準備を計算しているのが見ていて分かるものなのに。
********
☆この試合はユーロスポーツチャンネルでは放送されませんでしたので、マッシミリアーノさん&アンジェロさん版の解説が存在しないのが残念です。
私は当時、Rai Sportの生中継を見ていました。
アリアンナさんは感動のあまり声が震えています。
私も先シーズンからの驚異的な進化に文字通り度肝を抜かれました。
ホワイトレジェンドや悲愴と言ったクラシックなプログラムをひたむきに情熱的に滑っていた少年が、僅か半年ほどの間にギターの旋律に乗せてちょっとワルでヤンチャなキャラクターを余裕を感じさせる滑りでこれほどセクシーに魅せられるようになるとは!
冒頭の不敵なニヤリが!
あまりいい例えではないですが、何か「蝶の脱皮」を見ているような感覚でした。
3アクセルとコンビネーションを両方後半に移動したのもこのプログラムからでした。
先シーズンの「悲愴」では中々全てのジャンプが入らず、ノーミスだったのは確か一度(2011年中国杯)だけでしたが、「パリの散歩道」はジャンプ構成もトランジションも「悲愴」より断然難しくなったにも拘わらず、ほぼ毎回ノーミスで、滑る度に歴代最高得点を塗り替える記録量産プロになりました。
新プロはどんな曲でどんな振付なのか
ただただ楽しみです!