前回の続き
今回は現地観戦組の感想です。
プルーメさんのコメント:
みんなおはよう!
ちょっと時間が出来たからあまりにも超現実的だったこの5日間について語ってみるわね。
支離滅裂でも許してね。
なにしろ私はまだ至福のあぶくの中にいて、おそらくもう二度と抜け出せないかもしれないのだから・・・
バルセロナに到着したのは私が最後だった。
長い間、顔を知らずにやり取りしていたみんなと実際に会って抱き合うことが出来た感動と喜びを説明するのは難しいわ。
私達が皆、ユヅが氷上に創り上げる魔法を見るのが待ちきれなくて、凄く興奮していたことは言うまでもないわね。
マウロットについて一言いわせてもらうと、彼の不在にみんなもきっと失望していたと思うわ。(笑)
スケーター達を生で観るのは、スクリーンを通して見るのと全然違うわね。
全てがより大きく、マジカルに見えた。当然、選手によっても異なるけれど。
正直、パトリックは生で観ても演技に酔うことは出来なかったわ。
確かにスケーティングの滑らかさは傑出していたけれど、感動という点においては、心に響かなかった。まあ、私の好みの問題だと思うけれど。
一方で、ショーマとハビは素晴らしいと思った。
そして誰も手の届かない遥か高い場所にスケートの神、彼がいる!!!
技術と芸術の素晴らしい融合、氷上に立った瞬間、「オレを見ろ」と言わんばかりにあなたの視線を釘付けにし、その眼差しと存在感と強烈なカリスマ性であなたの心を鷲掴みにする彼の存在。
あなたはそこにいて、そのあまりの美しさに茫然となり、このような芸術作品を光栄にも鑑賞出来たことをただ彼に感謝することしか出来ない。
私が感じたこと、胃は締め付けられるような、鳥肌が立つような感情の混じり合いを言葉で説明するのは本当に難しいわ。
ショパンは果てしない優美さに満ちた傑作だった。
ステップ、スピン、ジャンプ・・・その全てが音楽と完全に同調していた。
どこで音楽が終わり、どこから彼が始めるのか分からなかった。それほど彼と音楽という2つのものが完全に融合してひとつになり、何か途方もない美しさを生み出していた。
SEIMEIは私の心に更なる一撃を与えたわ!!見る者を捕らえ、彼の虜にする力を持つあの眼差しから始まる彼の存在、その全ての細胞から放たれるパワーと言ったら!!!
彼は圧倒的なほど決然と各エレメントに取り組み、最初から最後まで音楽を演じ切った。
数字は多くのことを示しているけれど(ユヅ自身も言っているように)、パフォーマンスは全く別の物で、数字では、ユヅが私に味あわせてくれたことを決して表すことは出来ない。
プログラムが終わった時、私はそこにいて、泣いたらいいのか、笑ったらいいのか、叫ぶべきか、飛び跳ねるべきか分からなくて、結局全部を一緒に行ったわ。そして私の傍に座っていた日本の婦人達の方を振り返った。彼女達は私に手を差し伸べて、『オメデトウ』と言っていた。
エキシビションでは、ユヅはレクイエムで私にとどめを刺したわ。心の奥深くから動揺させる、まさに破壊的な演技だった。私は涙を流し、もう一度『ありがとう』と言った。
まるでまだ足りないと言わんばかりに、ユヅは私達のまさに目の前で狂ったようにギターを弾く振りを始めて、好感度究極レベルのひと時を私達にプレゼントしてくれた。
そして最後に美しい4Loをあっさり簡単に決めて、締めくくったわ。
まだまだ語ることはたくさんあるのよ。
例えば土曜日の公式練習に目にしたスペクタクルなもの(止まった状態からの3A-Lo-3Sとか)だとか、彼にプレゼントを届けるための私達の悪魔的なプランだとか・・・でも既に書き過ぎてしまったから、この辺で止めるわね
もうひとつ、最後に付け加えたいのは、みんなと素晴らしい時間を過ごすことが出来て本当に嬉しかった。
特に、全てをオーガナイズしてくれたディディ、本当にありがとう。
いつも私達の狂気に満ちたコメントを読んでくれていて、試合中、私達と交流してくれて、そして素敵なプレゼントをたくさん贈ってくれた、私達の新しい日本のお友達にも心から感謝します。
これらの素晴らしい出会い、夢のような出来事を体験出来たのは全てユヅのおかげね。
ごめんなさい、現実が私を読んでいるわ・・・でもこの唯一無比の冒険は永遠に私の心に残ることでしょう。
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☆プルーメさんは研究者を目指しているお茶目でちょっとドジなところがある(ごめんなさい!)女の子でした。理数系だそうですが、小説が書けそうなほど素晴らしい文章力。
それにしても、このように1人当たりのコメントが凄まじく長く・・・今日は結局プルーメさんの分しか訳せなかった・・・
そうこうしている間に明日から全日本だし・・・
全日本が終わったら世界選手権(あるいは出場するなら四大陸まで)結構、時間があるので、1回1コメントのペースで気長に連載しようかな~的モードになっている怠慢な私