ソチ五輪シーズンの福岡グランプリファイナル男子フリーの記事です。
記事を書いているのはイタリア・ユーロスポーツ実況のマッシミリアーノ・アンベージさんです。
(2013年12月6日)
羽生結弦が母国の福岡マリンメッセで開催されたグランプリファイナルを制した。日本は18大会目にしてようやく初優勝を飾った前大会に続き、二大会連続で優勝を手にした。前大会は今回怪我で欠場した高橋大輔が年下の羽生を抑えて1位だった。
ショートで歴代最高得点を更新したブライアン・オーサーの教え子は、フリープログラムでも高得点を叩き出し、史上2人目の190点越えを達成した。明日、二十歳の誕生日を迎える羽生の演技は、4サルコウの酷い転倒で始まるが、そこからはショートでもふらついた最後のコンビネーション以外、全てのエレメンツが、ただただ圧巻だった。
結果的に4回転1本と後半の2本のトリプルアクセルを含む8本のトリプルジャンプを完璧に決めたが、何よりこれまでの試合と違ったことは、プログラムの最後の1秒までエネルギッシュに滑り切ったことだ。
現全日本チャンピョンは、技術点で史上最高の102.03点という銀河点を記録しただけでなく、演技構成点でも7点得点を伸ばし、チャン、高橋に次いでPCS90点越えを達成した3人目の男子選手になった。
今日の結果によって、羽生のオリンピック出場選出はほぼ確実になった。ただし、正式発表は埼玉で開催される全日本を待たなければならない。
栄誉ある2位には、今日は優勝者と僅か0.8点差のハイレベルなフリープログラムを披露したカナダのパトリック・チャンが入った。
しかしながら、今日の試合で基礎点における羽生の圧倒的優位が露見し、この基礎点の差が今後の大会で勝ち札になる可能性がある。
実際、現世界王者は、4トゥループからのコンビネーションのトリプルジャンプがダブルになって3点を失った以外、何一つ譲らなかったにも関わらず、技術点では5点もの大差を付けられて完敗した。
詳細を分析すると、トロント出身の22歳のフリープログラムにトリプルアクセルが1本しか組み込まれていないことが、とりわけ致命的な差となっている。
3位はショート、フリー共に質の高い演技を揃えた織田信成が正当に獲得した。日本のベテランはフリーで4トゥループ/3トゥループのコンビネーションジャンプ、クラクラするほど美しい2本のトリプルアクセルを披露した。冒頭の4トゥループの転倒とスピンでレベルを取りこぼしたのは惜しかったが、TES(技術点)で今シーズン2度目の90点越えを果たし、全日本に向けて重要なアピールになった。
3人目の日本人、町田樹はショートプログラムの大敗の後、復活し、4位に浮上した。アンソニー・リューの教え子はフリーで2本の4回転ジャンプと6本のトリプルジャンプを決め、初出場の若手、マキシム・コフトゥンとハンヤンを上回ることが出来た。最後にロシアの選手は、フリープログラムの自己ベストを更新し、急成長中の選手であることを改めて証明してみせた。
<最終順位>
1) (JPN) – Yuzuru HANYU
293.25 (1|1)国内歴代最高得点(video)
2) (CAN) – Patrick CHAN
280.08 (2|2) (video)
3) (JPN) – Nobunari ODA
255.96 (3|3)
4) (JPN) – Tatsuki MACHIDA
236.03 (6|4)
5) (RUS) – Maxim KOVTUN
233.24 (5|5)
6) (CHN) – Han YAN
232.55 (4|6)
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☆ マッシミリアーノさん、この時点で今後、羽生君が優位になるだろうと予測していますね。
しかもタイトルが『伝説の羽生結弦』ですよ!
この試合、私はRai Sport放送のマンマ解説版で見ていたのですが、マッシミリアーノ&アンジェロさんの解説も聞いてみたかったです・・・・
フリーはコンボ以外ほぼノーミスだったパトリックに羽生君が正攻法で勝った記念すべき大会でした。
パトリックは来シーズン、フリーをクワド3本(2種類のクワドが必須)またはトリプルアクセル2本にしないと、テン君とハビエルにも負けるかも・・・