2013-2014シーズンの福岡グランプリファイナルの上位選手プレカンの内容です。
エレオノーラ・デレディタ記者
(2013年12月7日)
シニア部門グランプリファイナル後の各カテゴリー上位選手のコメントを紹介する。
ペアでは大満足だったアリオナ・サフチェンコが自身の演技についてこのようにコメントしている:「ただただ滑ることを楽しみました。勿論、簡単なことではありませんでしたが、人生においては何でもないことです。私達は戻ってきました。この調子でたくさん練習してベストを出せるよう頑張りたいです」
一方、不本意な結果に終わったボロソジャル/トランコフ組のマキシム・トランコフはこのようにコメントしている:「僕達はミスを犯し、ベストを尽くせませんでした。いつもなら絶対にミスしないジャンプでした。いずれにしても僕達は力に漲っていて、ミスの後も魂を高く保つことが出来ましたので、演技には満足しています。勝つこともあれば、負けることもあります。今日は僕達が負けました」
アイスダンスでもサプライズがあった。優勝はデーヴィス/ホワイト組だったが、ヴァーチュ/モイア組も絶好調で、ようやくライバルやリンクメイト達に追いついたようだ。モイアのコメント:「今週は僕達にとって本当に素晴らしい1週間でした。僕達はまさに練習通りに滑りました。これはどの選手も願っていることです。
今日は観客とひとつになって、彼らを自分達の演技に引き込むことが出来たと感じました。これはオリンピックに向けて重要な一歩になったと思います」
期待されていた選手達がミスを連発した女子シングルは盛り上がらない試合になった。浅田真央はこのようにコメントした:「トリプルアクセルを跳ぶ直前の感覚はよかったのに、転倒してしまいました。もっと練習しなければなりません。最初の要素でこのように転倒すると、かなり失速してしまいますが、大勢のファンの拍手と応援がより良い演技が出来るよう私を後押してくれました」
いつも自己評価の厳しい若いユリア・リプニツカヤはこのようにコメントした:
「今日は自分のやるべきことを全てやりました。カナダ大会よりうまく行きましたが、まだ改善すべき点はあります。ソチに向けて更に進化し続けたいです」
最後は昨日試合が終了した男子シングルから。パトリック・チャンはパリ大会の演技を繰り返すことは出来なかったが、フリープログラムでは挽回し、試合の結果には満足していた:「今日は自分にとって素晴らしい日でした。自分の滑りに非常に満足しています。フリー前はとてもナーバスになっていましたし、怖かったです。リンクに立ってからはメンタルの戦いでした。この結果は僕にとって金メダルと同じ価値があります。何故なら、最高のプログラムを滑れると、金メダルを勝ち取る以上の満足感が得られることを学んだからです」
対照的にタイトルを獲得した日本の羽生結弦は失望をあらわにした:「自分の演技には満足していません。スタンディングオーベーションと高得点からパトリック・チャンがクリーンなプログラムを滑ったことが分かりました。パーフェクトな演技を目指していました。ソチ前に1度ノーミスのプログラムを滑っておきたかったです。最初の4回転ジャンプのミスの後、プログラムを最後まで滑り切ることが出来たのは、日本の観客の皆さんの応援のおかげだと思います」
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☆ 羽生君とパトリックのコメントが対照的で面白いですね。
パトリック、この時は強気で前向きな発言をしていますが、実はこの瞬間から「ユヅルの存在が悪魔のように肩にのしかかってきた」とソチ後に告白するほど怖かったそうな・・・
そりゃあ怖いですよね。こんな闘争本能の塊のような阿修羅が背後からひたひたと着実に迫ってきたら・・・しかも、勝つ気満々の恐怖の鬼構成プログラム!
パトリックはこの試合でノーミスでも負けるかもしれない、と言うことに気が付いて愕然としたのではないかと思います。